ハマれば盲目 | BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

最近、仏像の盗難が頻発しているという。

大きなところでいえば、昨年は「三井寺(園城寺)」で、仏像2体が、
そして、今年になってからは、東京・大田区の池上本門寺の仏像などが盗難にあった。
それでも氷山の一角。
地方の無住のお寺から国宝級のものに至るまで、
各地で盗難にあっているという。
これまで盗難に遭うなど寺院側は夢想だにしなかったのではないかと思う。
というのは仏像は信仰の対象であり、
その仏閣にあればこそ意味を持つと考えているところがある。
ところが、ある種の人にとって仏像は骨董品でもある。
寺院側からすれば、仏像は信仰の対象であるから
人の目に触れるところに安置するべきだと考えるのが自然だ。
それを、盗難に遭わないように、
鍵のかかる蔵に おさめるということは、したくないというところだろう。


骨董品といえば、
TV 番組の「なんでも鑑定団」を引き合いの出すまでもなく、
世の中では、骨董ほど騙されやすいものはないと思ってしまう。
その番組に自信の骨董品を持って出てくる人は、
たいてい某かのニセモノを掴まされていることが多い。
視聴者側は、それを楽しんでいるところがある。

盗み出す行為は、
仏像を信仰の対象とすれば、バチ当たりの極みと言える。
だけども、仏像を骨董品と考えれば、
これほど由緒正しい骨董品はないという事になる。

吉田兼好『徒然草』の八十八段に骨董にハマったような人物が出てくる。
その人物、
「小野道風の書いた和漢朗詠集」なるものを持っていることを誇っていた。
(小野道風は10世紀頃の人。和漢朗詠集は11世紀頃に編まれたものだから、
そんな書が、あるはずはない)
自信を持っているその持ち主に
「成立からいって、あるはずもないと思うのですが、、」と婉曲に言うと、
「あるハズもないようなものだからこそ貴重品なんですよ」
と答えたと言う。

いつの時代も、骨董にハマる人は恋心のように

盲目になりやすい。


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<了>