すっかりその顔がお馴染みになった感がある。
女子W杯サッカーは、去年の最高の感動のひとつであったことは間違いない。
人間は、感動に飢えているところがある。
悲劇映画やドラマ、そしてギリギリのプレーで沸かせるスポーツ。
そういうものを追いかける習性がある。
そして、感動に包まれると、感極まって流す涙がある。
感動の涙を流す現象と笑うことは、人間だけのものらしい。
それを探るのに、
「ネオテニー(neoteny)」と呼ばれる現象を通して窺うと何かが見えてくる。
ネオテニーとは、
成熟した個体でありながら幼生や幼体の性質が残る現象のことをいう。
ちょっとわかりにくいが、もう少し簡単に説明すると、
「猿の遺伝子は、95%以上が人間の遺伝子と変わりない構造になっている。
比較対象として、かなり似ている。
ところが、猿の脳は出生時に成体の70%ほどに達している。
それに対して、人間の脳は、23%ぐらいしか出来上がっていない。
つまり、猿より様々な面で幼児性を残したまま生まれていることになる。
そして、
人間は学ぶことによって、幼児性から抜け出し
残りの77%を埋めることになっている。
これによって猿とは違った形質のものとして、存在することになるようだ。
その最たるものが、笑うこと、感動の涙を流すことという事になる。
だけども、人間は、どこかにその幼児性を抱えたまま大人になっているところがある」
涙を流す行為は、幼児性のものと理解されているところがあるが、
たとえば、男は人前で涙を見せてはいけない。
男が泣くのは親が死んだ時だけと子供の時からしつけられたものだった。
そのように果たせたものは、まず居ない。
誰しもが、かなりの幼児性を残しているのは間違いない。
たとえば、メイド喫茶。
『ご主人さま!』とは言うものの、
大の大人に対して「そんなことしちゃダメですよ~、めっ!」など、
子供をたしなめるような言い方や幼児的扱いをする。
そのことに幼児性をくすぐられ、
自己の幼児性の一面に触れることに心地よさを感じる行為でもある。
人間は所詮、幼児性が抜けないものらしい。
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<了>