BOOTS STRAP 外国語と ゆかいな哲学の館

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ありふれた日常を考察する
<芦屋・三宮>

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健忘症ということでもないのだろうが、モノの名前や人の名前が出てこないことがある。
同年代と話をすると「ああ、あの俳優の名前は何だった?ホレ、あの、、、」
などと言ったりする。
このように、忘れた圧力を持ちつつ話されると、簡単に出てくるハズのものでさえ、
名前が出てこなかったりする。
ちょっとの説明で思い浮かべることができるのなら、名前などにこだわらず、
「まあいいか!」として「あの人」と表現しながら話をする。
必死に思い出すより、その方がスムーズである。
しばらくたって、片方が「その人の名前は、○○さん」と思い出し、
「そうそう、○○さんだった」などということも屡々。
このような現象を称して画家で芥川賞作家でもあった赤瀬川原平氏が「パワーがついた」
という表現を使っていた。
若い頃は、パワーが少なかったが「”老人パワー”がついたために物忘れが多くなった!」
というポジティブな表現に変えていた。
物忘れの多い人はボケたのではなく”最強(老人)パワー”がついた。
こう思えば、「忘れ」に対する「罪悪感」や「後ろめたさ」も感じることなく、
”パワーがついた” と誇ってみせて笑い飛ばすこともできる。

一方、名前を忘れるという行為は、むしろ崇高な行為かもしれない。
プルーストの小説『失われた時を求めて』の登場人物の一人・エルスチールは、
相当な審美眼を持つ画家。いつも奇妙な絵を描いている。
彼の作品の一つなどは、海が陸のように見えたり街が海のように見える。
彼は、売れない画家ではあるが、これまでの概念を変えてしまうような絵を描いている。
この絵について、彼が説いていることは、人は「海」と言えば、
碧(あお)い色を思い浮かべたりするが「海」はいつも誰にとっても碧いわけではない。
「海」が街のように見えたりもすれば「街」が全く違うものに見えたりもする。
今までの概念を再創造することにより(心の面で、)むしろ豊かになることができる。
「名前」というものから浮かんでくるのは共通する固定観念程度のもの。
これを打ち破るコトによって、我々の心は、もっと豊かになれる。
すなわち、名前を忘れたならば、勝手な名前をつける。
それが「再創造」。それで豊かになれるということらしい。
それを行うことができれば、崇高な画家エルスチールの境地に一歩近づくことはできそうだ。

うまくいくかどうかは別にして...


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<了>

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「複製時代の芸術」と言われて久しい時が流れた。
ルネッサンスの時代までのアートは、ただ一つのものを作る芸術だったが、
それ以降は、日常のありとあらゆる日用品が機能より、見た目の美しさの側面が広がり、
それらは複製されるアートになっていった。
壁紙、カーテン、テーブルや椅子などの家具、家や車に至るまで、
複製できるアートが日常生活を豊かにしていった。
一つの大きな分岐点は、何と言っても19世紀。
印象派の作品も、唯一のものを創造する時代。
ロダンの彫刻も複製されるものではなかったが、それ以降のアール・ヌーヴォーは、
唯一として書き上げた作品を複製してポスターとして街に中に溢れる。
曲線の美に目が慣れてくると今度は直線が斬新に見える。
まるでクルマのモデルが、丸い形と箱型を交互にモデルとして出してくるようなもの。
それに目が慣れてくると逆が斬新に見えたりする。
19世紀末には曲線的なアール・ヌーヴォーのデザインが席巻していたが、
直線的なアール・デコへの変化が斬新に見える。
そんなアール・デコの劈頭を飾ったのは、フランスの画家カッサンドル(Cassandre)。
彼は、おもに、ポスターでその名を馳せている。
彼の代表的な作品にL'Intransigeant(ラントランジジャン)がある。

L'Intransigeant

このポスターのヌシである”L'Intransigeant”は、ちょっと札付きの新聞。
創刊は1880年ごろと古いが、この新聞の人気が出たのは1920年代の半ば以降。
紙面を大きく変えて「隠れた不正を暴く報道」「パリの噂話」「辛辣な社説」を
掲載するようになってから発行部数が劇的に伸びた。
このポスターの絵で感じるように、すべての情報が一つの耳に入ってくる構図。
まさに「ありとあらゆるウワサがここにくる」
という意味合いが込められている。
そう言えば、日本でもこの種の『噂の真相』という雑誌があった。
この雑誌は「名誉毀損だ」とか「事実無根だ訴えてやる」などと
多くの訴訟問題もあった。
1920年代の”L'Intransigeant”も同様な新聞と考えてもいい。
「新聞」という複製物を多数の人が読み、その複製物に反応する時代へと変化していった。
複製時代の芸術は、鑑賞側の反応を見つつ作り上げてゆくアート。
複製に反応する人が多いと、"YouTube" にその痕跡があるが、
つい、自制できないほど、過激に走る傾向があるようだ。
”L'Intransigeant”も...


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1920年代から30年代にかけて、深夜のパリの風景を写し出した写真家・
ブラッサイ(Brassaï)が撮った写真集『未知のパリ・深夜のパリ』が
発刊されたのは1977年のこと。彼と友人関係にあった岡本太郎が彼の写真に感動し、
この写真集の発刊に関して駆けずり回ったという。
私は時々この写真集は開いてその世界に見入ることがある。
岡本氏のお陰で我が手元にそれらの貴重な写真を手にすることができたとも言える。
モノクロ写真で映し出されているのは、深夜のパリ。
猥雑で退廃的な香りが充満している風景。
ブラッサイはヘンリー・ミラーなどと共に深夜のパリを徘徊したことが述べられている。
今だったら被写体の顔にはモザイクが入りそうな写真だが、臆することなくその顔が出ている。
タバコの煙やその他の臭気を漂わせながら被写体の人物たちが
卑猥な語らいをしているように見える妖しいものたちのサバトのようでもある。
これらの時代はアメリカと密接な関係がある。
この時代、アメリカは「高貴な実験(The Noble Experiment)」と称された禁酒法時代。
ウォール街の株価暴落の時代までのバブル期の狂乱。
それらと結びついている。
先頃亡くなったドナルド・キーン氏はその頃、父に連れられてパリに旅行に行っている。
アメリカでは禁酒法だが、公海上に出ると、船のどこに隠していたのか酒盛りが始まる。
彼の少年時代を描いた手記にはそのあたりのことが書かれている。
アメリカ人が、ヨーロッパに旅をする目的の一つは大っぴらに酒が飲めること。
そういった旅行を容易なものにしていたのは、ドルとフランの交換レートが非常に良かった。
アメリカで普通の給料をもらうと、パリの人の10倍ほどにまでなる。
バブルの時代だから容易に金も借りることができた。
ヘミングウェイやフィッツジェラルドがパリに行ったのも、アメリカの新聞社の特派員。
アメリカ本国から送金される金で豪遊ができた。
ところが、株価大暴落によって不況の時代が一気に押し寄せることになる。
アメリカン・バブルで狂乱状態だったのが、一転して不況。
アメリカからパリに流れ込んでいた、ヒト・モノ・カネが去ってしまい、
残ったものはソドムとゴモラの街の佇まい。
そんな街の風景を写し出したのが、この写真集『未知のパリ・深夜のパリ』。
藤田嗣治の写真はなかったが、輝いていた頃のキキの写真などもあり、
この街に溶け込んでいたフジタ(Foujita)の様子も偲ぶことができそうだ。
ブラッサイの言葉に「ウワサが立つと、人は思わぬ行動に出る」
と出てくる。
ここに出てくる人たちはウワサや時代の空気に敏感に反応した人たちとも言える。

コトによると、人を動かすものは「ウワサ」...



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