-HPW-3 | やさしくなりたい

やさしくなりたい

自称

~前向きネガティバー~

がお届けする
何とか
もがきながらでも
前進する為の指南書。

ココロの目隠しを
外すきっかけになったら
いいなぁ。

「つまらん」

誰にともなく、というより、まるでもうひとりの自分にだけ伝わるように
花は吐き捨てた。

「盛り上がってんじゃねえか」
意識してなのか無意識になのか、花とは目を合わせずに
下界を眺めながら猪木がつぶやいた。

「本気?」
花が猪木に問う。
「アリと闘った時、フレアーと北朝鮮で試合した時より、この試合の熱気が勝ってますか?」

少し驚きながら猪木か笑う。
「試合、見たのかい?」

同じ様に
視線は試合に向けたまま、花が答える。
「勿論見ましたよ。だって、こっちに来てからずっと退屈だったんだもん」

「ジュリアは最初、私と向き合ってた時よりお利口になってるし
岩谷…岩谷麻優もあたしを標的に定めた時より、ジュリアには遠慮してるもん。
なんか運動会見てるみたい。
観客も応援合戦みたいで、腹の底から熱狂してないもん。
猪木さんなら、この空気感で乗れますか?」

「ムハハハハ」
いつもの笑い方をする猪木を横目に
花は吐き捨てた。

「女子だって、負けないくらいに熱狂させられるし、
ジュリアだって岩谷麻優だって
私とならもっとヤレるもん」