結婚相談所から申し込まれた7才歳上、坂東忠信に似た会社員の方と逗子葉山でデートが終わり、夜は力石と会う予定。




のだが、

話はつい先週に戻り、20時にエンジントラブルにてコストコの屋上で取り残されておる。


これ、この順番だな。




レジ部長のカマダさんは去って行き、

しかし寒いから、

ああ、やはり暖かい飲み物をお願いすべきだったかと後悔するが、そもそもコストコに暖かい飲み物は無かったなと思い返す。

出口付近にある、

あの入れ放題のジュースだけは今は要らぬ。




するとだ、

遠くから、何かを抱えた男の影が現れる。



車に近付くので扉を開けると男は、

カマダさんの下僕です。

みたいな自己紹介をした後で、

抱えておったミルクティーやお茶、それと、

貼るホッカイロを10枚手渡してくれたのだ。

お主は天使か。




カマダさんの下僕の懐で暖められたのか、

ペットボトルはとても暖かい。

コストコの暖かさは半端ない。







それでぬくぬくしておると、

22時過ぎにJAFの担当者から電話が入った。


車が直らなかった時の為に、

レッカー車両も来てくれたのだが、コストコの屋上までは2.2m以上の車両が入れないから、

レッカー車両はコストコの外で待つ。






すぐその後で、JAFの小さなワゴンカーがコストコの屋上に到着し、担当者が車から降りてくる。






現在、私の車は、

エンジンはかからぬが、車の扉をドカンと強く閉めると、ルームランプが点灯したりするので、

もはや電気経路に異常を来たしており、ここですぐには直らないだろうと諦めながらも、症状を言う。


レッカーで自宅まで運んで、

明日また修理する為に何処かの工場に運ぶのかと考えてため息が出る。

会社も休まねばならぬし、手間がかかる。




JAFの担当者は、私の深刻さを受け止めながら、黙ってボンネットを開ける。




担当者の首からかけたライトがボンネットの中を照らすと、担当者は、バッテリーを止めているネジを照らして、あっさりと、

これですね、と明るく言う。


見るとネジが緩んでおる。







ネジをしっかり締めて、電圧を計り、エンジンをかけると車は急に息を吹き返した。




正直、皆に迷惑をかけずとも、

コストコで六角レンチを手に入れれば直せるレベルであったのだが、

このエンジンがかかった時の安堵感たるや半端ない。

人生の岐路となる様々な試験にて、合格判定を貰った時のあの達成感に似ておる。





散々お礼を言って、

担当者にJAFの会員登録の話をされて直ぐ、入会すると決意する。

修理代と入会金で支払いは2万円だが、

最悪、レッカーまで考えておったから安いと感じる。




全て終わって、

カマダさんに報告とお礼の電話を入れると、

彼女は一緒に喜んでくれる。とても優しい。


思わず、

毎週コストコに買い物に来るぞと約束をしたから、当分の間はコストコ参りで、

身体はムクムクと球体に成長しそうだ。




↓米粉のスイスロールは、プレスンシールを使ってこの通りとなり、冷凍庫に収まっておる。