Polestar Racing Team Blog
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原田智亜美さん ワンマンライブ「江ノ島サンセットライブ」@江ノ島 虎丸座 2024年3月17日

原田智亜美さん ワンマンライブ「江ノ島サンセットライブ」

@江ノ島 虎丸座 2024年3月17日

画像

 

原田智亜美さんが「念願」と言っていた江ノ島でのライブがついに実現しました。

2024年3月17日の江ノ島は、春らしく暖かな晴天。だけど風がすごく強かった。遠く和歌山から、遥々このライブのために遠征してきてくれた新しいファンをはじめ、お馴染みのファンの方も皆が待ち焦がれたライブ。

(注)

 

 

【セットリスト】

1. あなたがここにいて欲しい

2. 見えない星に照らされて

3. シグナル

4. ホタル

5. 透明になれなかった僕へ

6. スターチス

7. 八月のまぼろし

8. 春、静かに降る雨

9. 終わらない恋

10. 人魚 (新曲)

11. 青の狭間

12. 優しい夜とひとつの光

13. ブーケ

14. 明日の僕は今を生きる

15. spot light

 

【サポート】

AGt: 設楽博臣さん

 

「人魚になりたかった…」とレンガ色のドレスを身にまとい、穏やかな春の夕陽が差し込む窓を背にして現れた原田智亜美さん。そして陽が傾き始めた17時にライブが静かに始まった。

 

「1. あなたがここにいて欲しい」

設楽博臣さん作詞作曲。2023年4月18日「原田智亜美さん Oneman Live "3℃"@下北沢440」 にて智亜美さんに提供した曲。

この曲で始まるライブは多分初めてでは。

設楽さんの優しいギターが奏でる少しアンニュイなメロディに乗せて響く智亜美さんの歌声。夕暮れ時と相まって、この曲が持つ大切な人を渇望する世界観を増幅させたように感じた。

 

「2. 見えない星に照らされて」

いつもはピアノで奏でることが多いイントロを設楽さんが巧みにギターで再現。

テンポも少しだけピアノ伴奏のときより緩やかに抑えた感じの演奏は、たとえばピアノが冬の夜の寒い雨なら、ギターは春か初夏の優しく暖かな雨を連想させてくれる。この雨の中なら、智亜美さんの歌で見えない星に照らされて歩いて行けそう。

 

「3. シグナル」

この曲のアレンジも季節が色濃く漂うのを感じた。歌詞の中にある風景は、まるで春の陽だまりの中を駆け抜ける風の中で歌っているかのよう。まさにこの日、晴れているのに風の強い天気に良く似合っていると思った。

 

「4. ホタル」

ホタルの季節にはまだ少し早いけど、ギターのリズムはまるで、点滅する光が舞うホタルの姿を先取りでしたかの如く。それを思い浮かべながら優しくクラップ。智亜美さん唯一と言っていいアップテンポナンバーは今日も楽しかった。

 

「5. 透明になれなかった僕へ」

いつもはピアノで奏でられる、大好きな独特で綺麗なイントロのフレーズを、設楽さんが綺麗なアルペジオでアレンジ。ピアノ伴奏とはまた違う透明感を纏う智亜美さんのボーカルがとてもとても素敵だった。

 

「6. スターチス」

智亜美さんの後ろの窓には、刻一刻とまさに沈みゆく太陽が。このサンセットライブのセトリを組むうえで一番のクライマックスを任された曲は、スターチス。その歌詞とシンクロして緩やかに沈む夕日を見ながら歌を聴く。至福の時間を堪能した。

 

「7. 八月のまぼろし」

続いて八月のまぼろし。この曲は「八月」だけに夏の曲なんだけど、またもや設楽さんの魔法に掛けられて、なんとなく少し霞の掛かった春の空と月のような印象で聴いていた。おぼろ月が金星や木星と追いかけっこするのも悪くない。

 

「8. 春、静かに降る雨」

突然スリーフィンガーで始まるギターに合わせて歌い始めた智亜美さん。ピアノの時より少しだけ早いリズムに乗った軽快な歌声は、まるで春風に乗って舞い踊る桜の花びらのよう。後半は軽いストロークを中心にクライマックスまで盛り上がる。こんなアレンジの 春、静かに降る雨 を聴いたのは初めて。この日飛び切り驚いたギターアレンジ。とても素晴らしかった。

 

「9. 終わらない恋」

続いてこちらの定番曲も実にしっとりとしたアレンジで聴かせてくれた。終わらない恋 も多くの人に愛される曲であるけど、このギターアレンジは、切なさをMaxで増幅するアンプのようで初めて聴く人でも好きになるのは間違いないと思う。

 

「10. 人魚 (新曲)」

設楽博臣さん作詞作曲で、またもや智亜美さんに提供された新曲「人魚」。この日のために!を狙ったわけではなく、以前、智亜美さんが物販で販売していたトートバッグの「海に沈む月」のイラストにインスパイアされて作った曲とのこと。

導入からエフェクターを効かせたギターのイントロが、深く深く潜っていく海を連想させる。全体的には独特な浮遊感に包まれながらも、サビに情熱的な表現が施された感じの曲。この曲もほかの設楽さん提供曲同様、智亜美さんの持ち歌として全く違和感ないのがさすが。これからもたくさん歌って欲しい。

 

「11. 青の狭間」

この江ノ島のライブで個人的に一番聴きたかった曲の一つ。江ノ島の夕暮れとこの曲の持つ世界観がとても合うように思っていたら、なんと智亜美さんは江ノ島の浜辺で泣きながら作った曲だそうだ。すっかり陽が落ち海の藍と空の青が混ざる景色の中で聴けたことが最高に幸せだった。

 

「12. 優しい夜とひとつの光」

某ライブハウスの名物の「新曲書き下ろし企画」で昨年 智亜美さんが書いた曲。この短い曲の中に、紛争や災害で苦しむ人。病気や不安で眠れない夜を過ごす人。そんな世界中の人々に対して安寧を祈る思いが宇宙規模で詰め込められていると感じるほど慈しみに満ちた楽曲。この曲を聴くたびに目頭が熱くなってしまうけど大好きな曲。設楽さんのギターが本当に優しく奏で、智亜美さんの透き通った声にとても癒された。世界中の人々が安心して眠れる夜が来ることを祈りたい。

 

「13. ブーケ」

設楽博臣さん作詞作曲で智亜美さんの 2020年12月29日「10TH ANNIVERSARY ONE MAN LIVE "1.5℃"」の時、提供された超人気曲。頑張った人すべてへの応援歌。すべてを慈しむように優しく歌ってくれた。

 

「14. 明日の僕は今を生きる」

この曲も、普段より少しテンポを緩めゆったりと表現された。漆黒の闇の中でも前に進むべき道が標されているようで、その道を一歩ずつ前に進む智亜美さんが目に浮かぶようだった

 

「15. Spot light」

アンコールなしでこの曲で終わりたい!との願いで選ばれた曲。やっぱり今回も Spot light が締めの曲となった。ライブが終わってしまうのを惜しむかのように、ありったけの伸びやかな声で歌う智亜美さん。最高に素晴らしかった。

自分の中では Spot light はいつも、灯台が海を灯す光を連想してしまう。江ノ島の灯台の灯を見ながら聴けたのは最高の贈り物をいただけたような気がした。

(注)

 

【全体を通して】

設楽さんのギターアレンジは、イントロからギターならではのアレンジを加えつつ、曲の肝となる部分の印象は不動のものとして変えない。それでいて、テンポを少し緩やかにして優しさを強調したり、逆に少し速めて軽やかさを出すなどまさに魔法のような巧みさが印象深かった。

そしてギターの演奏は、ほんとうにジェントルで優しかった。ストロークで強調するところも、ピアノ+でサポートするときとは異なる弾き方で敢えて力強さを削いで、智亜美さんの歌を際立たせる演奏がもう素晴らしいの一言じゃ語れないほど。

全15曲の素晴らしいサポートお疲れさまでした。

智亜美さんは、途中 設楽さんを海にたとえた話をしたほど信頼して身を任せ気持ちよく歌っていたと思う。とてもリラックスした感じだけど、その中でも集中力を切らさず最後まで素晴らしいパフォーマンスを発揮した。もう、歌は本当に素晴らしかった。念願の江ノ島でのライブ。素晴らしい形で叶ったのではないかと思う。

遠いと思った江ノ島も、案外近かった笑。また、江ノ島でワンマンライブを開催してください。

 

ワンマンライブ。豪華なバンド編成とかもありだけど、自分は今回のようなプリミティブでシンプルな構成のライブがとても好き。信頼できる素晴らしいパートナーのサポートを受け何よりも歌が際立つライブ。そんな贅沢な時間を演出してくれた原田智亜美さん、設楽博臣さん、ほんとうにありがとうございました!

 

(注)2点の写真は、待つぼっくりさん(X: @_mtbkr)がXに投稿した写真をお借りしました。

エナさん 星空ライブ『0% ゼロパーセント』@中標津町道立ゆめの森公園 2023年6月24日

エナさん 星空ライブ『0% ゼロパーセント』

@中標津町道立ゆめの森公園 2023年6月24日

 

画像(*1)

 

 

夕暮れ迫る ゆめの森公園に多くの人が集まりライブの始まりを今か今かと待ち侘びた。

事前の週間天気予報では、雨からの予報が少しずつ回復する予報に転じ、ライブ当日の夕方には西の空がうっすらと夕焼けに染まるほどの天気になっていた。
 

開演時間の18:30を少し過ぎた頃、バンドメンバーが先に現れそれぞれのポジションにつく。

大和田亮さんのTaylorが綺麗なアルペジオを奏で始め、それを合図にメンバー皆がエナさんを迎えるたプロローグ曲を弾き始める。そして拍手に迎えられエナさんが登場!

目の前に広がる景色を愛おしそうに見つめるエナさん。

 

 

いきなり始まった聞き覚えのあるイントロ。01.星が鳴る道 だ!まだ、明るいのにいきなりクライマックスの星が鳴り出したことに、少し唖然としなが軽快な曲のリズムに乗ってしまった。

 

 

次は、bonちゃん(小久保"bon"里沙さん)のパーカッションに乗りながら、エナさんの挨拶MCが入り 02.片目に涙 が始まった。エナさんの声も良く伸びてる。体調不良で参加できなくなった岡島沙予さんに代わって、急きょ当日中標津入りしたキーボードの くわっちさん(桑原康輔さん)のピアノソロもバッチリ。

 

 

「もう1曲元気な曲いきます!」と始まったのは 03.メロディ。元気に動きながら歌うエナさん。観客の方まで行ってしまって撮影のカメラからフレームアウト。あーあ、自由過ぎる😅

 

夕暮れがより進み、夕焼けにうっすらと染まるエナさん。「夕焼けが綺麗だよ!」と皆に声をかける。

星空ライブ『0% ゼロパーセント』の由来。「コロナ禍で言わばゼロになった時、大切なものを思い浮かべると音楽と故郷中標津とそれに関わった人たちだった。それを大切にし、ファンの皆と共有するために 星空ライブ『0% ゼロパーセント』にたどり着いた」とエナさんは思いを語った。

 

 

小倉大輔さんの特徴あるベースから始まったのは 04.ゆらゆら。ある意味ゼロから一歩を踏み出すきっかけになった曲だと。地元中標津の皆さんも ゆらゆら が大好きと。そういえば、自分が初めてエナさんに出逢った日もこの ゆらゆら を聴いて一目惚れしたことを思い出した。

 

 

続いて、1曲カバー曲。優里さんの 05.ドライフラワー。ワンマンライブでカバーを歌うエナさん、自分はあまり記憶がないけど、ドライフラワーがしっかりとエナさんの色に染まった。なぜ、このカバー曲を入れたのか…機会があれば、今度エナさんに尋ねてみたい。

 

 

優しいピアノのイントロから始まったのは、06.ずるいひと。この日のライブで個人的に一番心に響いた曲のひとつかもしれない。揺れ動く心情を静かに切々と綴る表現が素晴らしい。「また連絡するね」ずるい魔法をかけて… この歌詞が夕闇の中にとても切なく聴こえた。とても素敵な曲。

 

 

薄い雲の中に星空が見え始めた。

 

 

エナさんの甥っ子、姪っ子さんの成長とそれに伴う旺盛な好奇心を描いた 07.はく日和。二人の行動を描くことを通じて、自己の幼い頃の想い出も辿るように思える。純粋に物事をただただ楽しむことの大切さ教えてくれているよう。北海道の大自然の中で聴くと、曲に込められた世界がまさに目の前の出来事として実感できる。

 

 

物事に思い悩むことも多い現代。そういうものから心を解き放ち、宇宙に届くほどの気持ちを歌った 08.prismatic。アップテンポなリズムで軽快に歌うエナさん。ちょっとハプニングもあったけど、それはライブのご愛嬌😅

 

 

ここでメンバー紹介。各バンドメンバーを紹介するにニックネームを紹介すると、地元高校男子がめいっぱいの大声でニックネームを連呼!バンドメンバーに力強い声援を送り盛り上がる。いかにも地元で行う野外ライブという雰囲気で最高!

 

 

真夜中のファミレスで繰り広げられる、恋人への思いのカラ騒ぎをユニークに綴ったエナさん、定番のラブソング 09.真夜中のファミレス。縦横無尽に跳ね回り、観客までマイクを運んで再びフレームアウト😣。男子高校生と一緒に歌うエナさん!

 

 

離れて暮らす大切な人と、束の間一緒の時間を過ごした後の別れの情景を歌った 10.サヨナラの音。歌詞にある「たった2時間、それだけの距離がとても長く感じて…」の2時間は、東京と中標津の距離。東京でこの曲を聴くと中標津を思うのに、まさに中標津で聴いてみると東京との距離とは不思議に感じなかった。自分にとってこの曲は、東京での別れの情景を強く意識した曲であるようだ。自分が生活を営む主たる「場所」が曲の解釈に関係することを知った。

 

 

エナさんの曲の中で個人的にずっと変わらず一番好きな曲が 11.アイイロ。静けさを纏った闇の中で、消え入りそうな自分を見つめ直し、再び取り戻していく過程。そこに差し込む月の光に、まるで深い海の藍色に包み込まれるかのような感覚を刻む。この曲を、漆黒の闇の自然を舞台に聴けたのがすごく良かった。

 

 

エナさんが愛犬と過ごした最後の1日を描いた曲 12.ソーダライトがライブを締めくくる最後の曲に。個々の命が一番の煌めきという思いを込めた曲。生きてるだけで100点というメッセージを曲で目の前の皆に伝えたい、と。

 

本編が無事終了も観客の盛大な拍手に押されてアンコールへ。バンドメンバーおよびスタッフの方々皆さんまで紹介し感謝を述べるエナさん。星空ライブが多くの人の協力のもとに開催されていることをあらためて認識する。

 

 

アンコール1曲目は En1.リンドウの道。「中標津の景色」を曲の中に詰め込んだという リンドウの道は、東京で暮らすことで、あらためて気付かされた故郷の景色や自然の情景、映し出された心情を素直に歌った曲で、このライブのアンコールに相応しいと感じる曲だ。

 

 

そしてアンコール2曲目。エナさんが「最後もう一度この曲を歌ってもいいですか?」とライブの最後の最後に選んだ曲はやっぱりこの曲。この日二度目となる En2.星が鳴る道だ!

漆黒の闇に包まれた夜空に「星がもっと出ることを願って!」と始まるイントロからエナさんの歌へ。闇の中の照明に映えるエナさんが、間違いなくこの日のライブ一番のパワー全開で熱唱。バンドメンバーも総立ちで力の限りの演奏で盛り上げる。

 

そしてクライマックスを迎えた瞬間に、全ての照明が消え暗転。静けさと闇の中へ…「星すごい出てるよ!」と叫ぶエナさん。

 

そうだ。エナさんはこの星空の下でライブをやりたかったのだ。故郷中標津の自然や星空の素晴らしさと自分の音楽の融合を、自分の生きるメッセージとして「ゼロ」から作り上げてファンに届けたかったのだと感じた瞬間だ。その思いは確実にライブを目の当たりにした人々に届いたと感じる。

そして最後はバンドメンバーと全員で観客にお決まりのポーズで挨拶。

こうして エナさんの 星空ライブ『0% ゼロパーセント』は無事終了。

故郷中標津の大自然の中、満点の星空のもとでライブがしたい!という壮大なエナさんの計画は、天候にも恵まれ大成功を遂げた。地元中標津の皆さん、遠征したエナファンが会場の一体感とアットホームな雰囲気で、ライブを最高に盛り上げ楽しんだと思う。本当に貴重で素晴らしいライブだった。

 

全身全霊で歌い上げたエナさん、最高のパフォーマンスをで演奏サポートしていただいたバンドメンバーの皆さん、ありがとうございました。一生忘れられないライブになりました。

 

 

【セットリスト】

01. 星が鳴る道

02. 片目に涙

03. メロディ

04. ゆらゆら

05. ドライフラワー(カバー:優里)

06. ずるいひと

07. こはく日和

08. prismatic

09. 真夜中のファミレス

10. サヨナラの音

11. アイイロ

12. ソーダライト

En1. リンドウの道

En2. 星が鳴る道

 

【バンドメンバー】

Key.桑原康輔 

Agt.大和田亮 

Ba.小倉大輔 

Perc.小久保"bon"里沙

 

 

(*2)

写真(*1)(*2)は、エナさん(@enamo_o61316)のツイートから転載

原田智亜美さん ワンマンライブ「あの日の続き」@下北沢SEED SHIP 2023年7月19日

原田智亜美さん ワンマンライブ「あの日の続き」

@下北沢SEED SHIP 2023年7月19日

 

 

【セットリスト】

01. 終わらない恋

02. 青の狭間

03. 眠れぬ夜は君のせい(カバー:MISIA)

04. あなた色

05. 夢のあとさき

06. アクアテラリウム(カバー:やなぎなぎ)

07. 透明になれなかった僕へ

08. 春、静かに降る雨

09. ホタル

10. 明日の僕は今を生きる

11. 八月のまぼろし

12. 瞬きの宇宙 銀河の世界

13. シグナル

14. あなたがここにいてほしい

15. 見えない星に照らされて

16. Spot light

 

智亜美さんのライブの直前、発表されたSHEED SHIPのアナウンス。
現状の有観客でのライブの営業形態を2019年8月いっぱいで終了するとのこと。

 

自分が原田智亜美さんに初めて出逢ったのもSEED SHIP。
2019年3月17日(日) SEEDSHIP 8周年記念 CD「ふね」レコ発企画ライブでだった。

この日は、直近で亡くなった義父(奥さまの実父)の告別式の日でもあった。
実は義父が亡くなる前は、この日はシンガーソングライター山崎あおいさんの札幌でのライブに遠征していて、日曜日の昼頃に羽田に戻り直接SEED SHIPに向かう予定で、原田智亜美さんのステージには間に合わないはずだった。(その時は、智亜美さんのことは存じ上げませんでした。)

しかし、義父の逝去で予定を変えて土曜日に札幌から帰宅し、日曜日早朝からの葬儀となった。当然SEED SHIPにも行けないと思っていたけど、葬儀の終了後、奥さまが「時間もあるし間に合うならライブに行けば?」という言葉に押されSEED SHIPへ。
そして運命の出逢いとなった。まさに亡くなった義父からのギフテッド(笑)と後に感動となった出来事。

そんなSEED SHIPが、直接ライブを聴ける場所でなくなるのは自分にとっても悲しい。

それは智亜美さんにとっても、数多くの想い出を宿す場所であるだけに感慨深いことだと思う。
ライブの冒頭から、抑えきれない感情が滲みだしているのを感じた。

 

「01. 終わらない恋」から始まったライブ。
ピアノの沙予さんとの初めての共演も2019年3月17日。そこから多くのライブを共にし素晴らしいサポートを受けることになる。終わらない恋から始まるセトリのライブも珍しい。もうこの曲を聴いただけでちょっと泣きそう…

 

「02. 青の狭間」この曲を聴くと必ず、夕暮れの海岸の岩場に佇み、ひとり夕暮れを待つ情景を思い起こす。歌の世界観とそれだけ近いのか遠いのかは分からないけど、そこに海の藍と空の青が静かに混ざり合うという情景が脳裏に浮かぶ。終盤のピアノがとても好き。

 

「03. 眠れぬ夜は君のせい(カバー:MISIA)」は、智亜美さんがSEED SHIPで初めてカバーした曲とのことで、この日に今の自分でもう一度カバーしたいということで選曲された。

自分は、このカバーを聴くのは初めて。どんなカバーでも智亜美色に染めてしまうマジックを感じた。

このカバーを歌う前に、智亜美さんは急にステージを離れ楽屋へ。その間を沙予さんに無茶振りで任せると…人前で大声を出すのがいちばんの苦手との沙予さん。それでもオーディエンスと絶妙なコミュニケーションをこなし、なごみのひと時なった。ライブ中のこの笑顔はかなり貴重。

(※)

 

「04. あなた色」ここからギターの設楽博臣さんと二人だけで3曲を披露。

あなた色は、SEED SHIPで開催されたワンマンライブ「0℃」で、設楽さんのギターで歌った限定音源が販売された。

その音源の生での再現となる演奏と歌が、約5年の月日を経て実現した。

 

「05. 夢のあとさき」今年の1月31日GRAPES KITASANDO 7th Anniversary 新曲書き下ろし企画「緊張」で、初めて披露された曲。これまで、ピアノアレンジのみで歌われていたので、設楽さんのギターで聴くのは初めてでとても新鮮だった。

設楽さんが、自分の席のすぐ前で、その演奏、指使いに目が釘付けとなってしまった…

(※)


「06. アクアテラリウム(カバー:やなぎなぎ)」

初めてこのカバー曲を聴いたのは、2019年8月12日「向江陽子マンスリー企画『Place to meet ~Final~』」@横浜O-site。

この日もアコギ1本の素晴らしい演奏で、向江陽子さん、饗庭純さんと智亜美さんがコラボ。そのコーラスの美しさは鳥肌もので、今でも脳裏に鮮明に残っている。
その次はSEED SHIPでピアノで智亜美さん一人によるカバー。
そしてこの日、3度目のアクアテラリウムを設楽さんの素晴らしいギターで聴くことができた。この曲は、最早 智亜美さんの代表的なカバー曲と言えるだろう。

 

「07. 透明になれなかった僕へ」ここから沙予さんのピアノと設楽さんのギターの二人体制でのサポート。
いつも通り、ピアノによる綺麗なイントロが始まる・・と、沙予さんもう一度やり直しに・・笑。

気を取り直して再び美しいイントロから歌い始め、設楽さんのギターも加わる。この曲がピアノとギターで披露されるのは初めてだと思う。最後はギターの美しいハーモニクスで締めくくられた。本当に美しい曲で大好き。

 

「08. 春、静かに降る雨」やっぱり、この曲もギターが入ると演奏に厚みが増して歌が引き締まる。特に間奏に入るリードギターが素晴らしかった。たぶん、この曲は自分が一番聴いている智亜美さんの曲だと思う。なぜなら、スマホの着信音に使っているから。

 

「09. ホタル」ちょうど季節にピッタリなホタル。智亜美さんの曲の中でも一番Popな曲と言えると思う。夏の夜空に儚く舞うホタルが見えるよう。智亜美さんもピアノとギターで歌うホタルが好きだと言っていた。

 

「10. 明日の僕は今を生きる」音楽を続けてきて、さまざまな出来事、出会いと別れがある中、前に向かって歩き続ける決意を表すような曲にいつも感じる。ピアノとギターで力強く背中を押されるような気持になった。

(※)


「11. 八月のまぼろし」今まさに来る夏を歌う。真夏の空に高く届く歌声に、憧れを永遠に追い求めるような気持がこみ上げる。

 

「12. 瞬きの宇宙 銀河の世界」いつもながら壮大な銀河が目の前に広がるようなファンタジーを思わせてくれる。できれば、ピアノとギターのアンサンブルでアウトロ長めバージョンを聴きたかったけど、通常の長さだった。まあ、それも良し。

 

「13. シグナル」ライブも終盤に差し掛かり1曲1曲を愛おしむように歌う。古くから歌い継ぐ シグナルもとても感情がこもっている気がした。

 

「14. あなたがここにいてほしい」原田智亜美さん Oneman Live "3℃" @下北沢440 2023年4月18日の時に、設楽さんが智亜美さんのために書き下ろして提供した曲。久しぶりにライブで聴けた。

会えなくなってしまった愛するひとに、ただただ傍にいてほしいという気持ちを切々と願い歌う。智亜美さんによると目の前に映画のスクリーンのように物語が展開するのが、この曲は特に強いとのこと。こんなに綺麗で切ない曲を書ける設楽さん。それを見事に歌い上げる智亜美さんの強い絆を感じる曲だった。

 

「15. 見えない星に照らされて」この曲も長く歌われている名曲。この日は晴れた夜空も、星は見えたか見えないか… そんなことには関係なく智亜美さんの歌声は夜空を駆け巡る。

気になった方は、MY SONGで一発どりしたYouTubeをぜひご覧あれ。


「16. Spot light」アンコールなしの宣言とともにこの日のライブの最後に選ばれた曲はやっぱり Spot light。ここで Spot lightにまつわる秘話がSEED SHIPの想い出とともに披露されたが、それは会場に来たひとだけの心にしまっておいた方が良いと判断し、ここではあえて書かない。ちなみに、自分は Spot lightで思い浮かべるのは何故か、闇夜の灯台の灯り・・

この日のSpot lightは、アウトロが長めバージョン。ピアノとギターのアンサンブルが最高に綺麗で見事。アウトロ長めバージョンだったのは、智亜美さんが曲の世界と共にSEED SHIPでの想い出に暫し浸るための時間だったのではないだろうか… SEED SHIPで行う智亜美さんのワンマンライブはこれが多分最後ということで、いつも以上にエモーショナルに歌い上げた後、最後に目に少し光るものが見えた。

 

智亜美さんのワンマンライブは今まで

「0℃」2018年11月3日 @下北沢SEED SHIP

「1℃」2020年3月6日 @Yokohama O-Site

「1.5℃」2020年12月29日 @下北沢440

「2℃」2021年10月18日 @下北沢440

「3℃」2023年4月18日 @下北沢440

といずれも「℃」が1℃もしくは0.5℃ずつ上昇する正常進化を続けていたのに、なぜ今回は「あの日の続き」とタイトルが変わったのかが謎でした。そして「あの日」とはいったいいつなのか… と始まる前に感じた疑問。

終始、SEED SHIPとの想い出を振り返り、最初からエモエモだった智亜美さん。この日、配信を行わなかった理由も、コロナ前に行われていたトラディショナルなライブのかたちを大切にしたいという思いからのようでした。

そういう部分もあって、この特別なワンマンライブに「あの日の続き」をライブタイトルにしたと感じました。

そして智亜美さんの「あの日」は、沙予さんと初めて一緒にSEED SHIPでライブを行った日、自分が智亜美さんと初めてSEED SHIPで出逢った日でもある「2019年3月17日」だと聞きましたニヤリ

それを聞いてとても幸せな気持ちになりました。

歌も演奏も素晴らしいライブ。そしてSEED SHIPに纏わるお話をたくさん聞けたことも記憶に残る素敵なワンマンライブでした。

ありがとうございました。

 

(※)

Vo:原田智亜美さん

と素晴らしい演奏をしてくれた
Pf:岡島沙予さん

Gt:設楽博臣さん

 

(※)

そしてSEED SHIP土屋さんと智亜美さんのツーショット

 

最高の笑顔を見せてくれた原田智亜美さん

 

写真(※)は、ノビス Nobis Naito @nobis2017さん撮影。

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