11月11日はフランスでは第一次世界大戦の休戦記念日でお休み。職場でも4連休が発表された瞬間に私が検索した航空券はポーランド行き。
中学生の時に『シンドラーのリスト』を観た影響もあり、私は小学生の時から戦争の話、特に第二次世界大戦のエピソードに強く興味を示す子供だったので、広島・長崎と同じように、『いつかは行かなければ!』リストの中に常にあった場所の一つだ。
その他にも、ポーランドのウワサは私の人生の中にちょいちょい流れてきた。出会った人から聞く、ドラクエ的なやつだ。
誰から聞いても『綺麗、安全、安い、美味しい、静か 』等 、この感じ おそらく本当なんだろうな、となんとなく確信していたが、パリからだと少々距離があるため、土日のみでは厳しく、連休を待っていたのだ。
夏のハイシーズンとは違い、航空券もお手頃に手に入り、連休にも関わらずホテルがめちゃくちゃ安かった。これはいいタイミングだ。
絶対に外せないアウシュビッツの見学ツアーに申し込んだら、数日後にメッセージが届いた。
謎すぎて目を疑った。
『ここ最近の混雑状況を鑑みると、3時に出発したチームも入場できないケースがあり、我々の5:45出発のツアーは1時に出発になるかもしれません。』
意味がわからなかった。チケットは予約制じゃないのか?だいたい1時に出発しても施設が開くのは7:30じゃないか。
何かの詐欺かと思ったが、きちんと説明されたその文と、ツアー会社の名前を調べたり評判を見ても、本当のようだし、もう日も迫っていて、アウシュビッツの個人入場枠はすごく限られてる上に広すぎて難しいらしく、他に私には選択肢もなかったので、騙されたつもりでそのままこの会社にかけることにした。
すると直前になり、『入場チケットが確保できましたので、出発は5:45になります』と。良かった。すごくほっとした。本命目的なのに、フランス等に比べてポーランドという少し穴場と思い油断して、まさかこんなに大変な状況とは考えなかった。でもアウシュビッツは世界的に有名な場所だし、世間の人の関心の高さが伺えた。
一安心したら、今回の旅はいろいろと期待でいっぱいだ。
いつも学校に持って行ってるリュックだけを背負って空港へ。パリから2時間東に飛ぶけど、時差は無い。シェンゲン圏だからパスポートコントロールも無い。それでも外国感を感じれたのは、通貨がユーロではなくズウォッチという、聞いたことがないもの。
ツアーのお弁当代は現金のみと書いてあったから、レートがすごく悪かったけど空港のATMで変えた。なんだか詐欺まがいのレートで、32€払って100ズウォティだった。ほんとは22€くらいらしい。
100ズウォティ札をゲットして、全く街の相場がわからないまま、外へ出た。
アウシュビッツツアーの出発までは、空港に留まったが、クラクフ空港は小さくてあまり快適に寝床を確保できず、ほとんど寝れないままとなった。長い 辛い。しかし念のためにと持ってきたものが全て命拾いになった。ニット帽、手袋、カイロ、そして山様のダウンパンツ。我ながら、無駄が無い。
4:17発の街中行きの電車に乗り、たった20分で中心部に着いた。まだ1時間半も時間があるので、また鉄道駅のベンチで過ごした。
5:30 。外に出てみると、寒さはそこまででは無いが霧雨。アウシュビッツ行きの雰囲気にぴったりだ。心細くバス停に向かうと、暗い中立ってる人たちがいる、おそらく同じツアーの人たちだろう、と安心。マイクロバスが来て、名前を確認してもらい乗り込んだ。
さすがにバスの中は安心感もあってほぼ爆睡。1時間半程度でアウシュビッツに着いた。
大きな駐車場を降りても傘が入らない程度の霧雨、そのまま30分くらい長い列を待機して、ガイドと合流。
いよいよ中へ。施設はほぼ外なので、本当に防寒具とここでもいつもの山用レインギアが大活躍。入り口は紅葉が綺麗で、一見普通の公園のようだ。この広い穏やかな場所が地獄だったなんて。その差がまた怖い。
写真で見たことのある有名なゲートを通る。ガイドが早い英語な上に少しポーランド語なまりで、寝不足のわたしには全然聞き取れなかったが、施設をゆっくり見れただけで大満足であまり気にしなかった。パネル展示では自分で翻訳したり、後から調べてみたりもできる。
大量の遺品、収容者の写真、バラック、ガス室、監視員の棟、そして、銃殺の壁
自分の足でその地に赴き、自分の目で見て感じること。










