モロッコの話 | Never stop exploring

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きょうも どこかで よい旅を

2007年の5月。
二週間ほど、アフリカ大陸のモロッコを旅した。

あの頃はまだ「イスラム国」という言葉もなくて、なーんにも考えずに安心して旅できるムスリムの国だった。

初めて見た本物のアラビア世界であるモロッコは、アラビア・フランス・スペイン・アフリカ文化がブレンドして、イスラム教の国ってなんて美しいのだ!と私の細胞に革命を起こした。

そんな高揚した精神状態が良い縁を生むのか、二週間ほぼ毎日気の合う旅人との出会いが尽きなかった。

極め付けは、二泊三日の砂漠ツアーだ。
マラケシュという街で申し込んだサハラ砂漠に泊まるツアーで、私達日本人2人以外に欧米各国の旅人が全部で10人ぐらい。

その中に、一目見て明らかに素敵な雰囲気の白人のご夫婦がいた。

はっきり言って私は2人に一目惚れ。

年配だが若々しく、グレゴリーのでっかい50リットルのバックパックを背負った、旅慣れした感じの2人だった。

お昼ご飯休憩で寄ったレストランで何も食べずに街を見学してた私達に、奥さんの方から話しかけてくれた。

「どこから来たの?」
「日本から」
「日本人なのは分かるわ。どこの街?」


なんて聞き取りやすい綺麗な英語を話すんだろうと思ったし、お昼を食べてない私達を気遣って、「お菓子持ってるからいる?」とまで聞いてくれた。

日本人の名前は覚えにくいはずなのに、一回で覚えてくれて道中何度も話しかけてくれた。

2人の名前はジムとキャシー。

ガイドさんが付いていないドライバーのみのツアーで、みんなのリーダー的存在で、食事中も全員を気遣って話を盛り上げてくれたり、朝起きてこないイギリス人の若者の様子を見に行ったり、砂漠の真ん中でみんなにクイズを出したりしてくれた。

砂漠クイズに正解した私に、「これをプレゼント!」と言って、ディズニーランドの50周年のボールペンをくれた。
めちゃくちゃ嬉しくて今でも大事にしている。
実は奥さんはアナハイムのディズニーランドで働いていたのだ。

ラクダに乗って満天の星空の下でキャンプして、三日間のツアーは終了した。

別れ際にジムが「カリフォルニアに遊びにくるかい?」と言ってくれ、喜ぶ私達にキャシーがもう一本友達にもディズニーランドのペンをくれた。

なんて素敵な人達に会ったのだろう、と、恋する乙女状態で私達はカリフォルニア行きを決意。

ぶっちゃけ、あの言葉は社交辞令だったのかもしれないが、その約1年半後、サンフランシスコでレンタカーを借り、カリフォルニア州サクラメントから1時間半の場所にあるのどかな豪邸にホームステイしたのだ。

ドラマさながら、大きくてオシャレな2人のお宅で最高に楽しい時間を過ごして3泊。別れ際に号泣しながら日本に帰国した。笑

あれから8年、毎年来ていたクリスマスカードも途絶えたと思ってたら、昨年突然のメール。「日本に行くよ」と。

まじか!!

どうやら、インドネシア旅行の帰りに日本で乗り継ぎなので、初めて東京に降り立つという。

ならば!うちに来てー!
ってことで

明日の朝2人は到着。

成田に迎えに行きます。

モロッコの二泊と、カリフォルニアの3泊しか会ったことないのに、生まれも育ちも言葉も世代も違うのに、なんでこんなに仲良くなれるのか。

明日、この我が家に本当に来るなんて。
あー!信じられない!

オバマさんの広島訪問もかなり嬉しいが、もっと嬉しいこの2人。

今日は興奮で寝れないかもです、、。