もうすぐしろくまさんが帰天して一年になる。
本当はもっと前に来たかったけど、遅くなってすみません。
お宮詣りに来たであろう神社。
一度だけ一緒に挨拶に来た。
日本人は生まれたときから、産土さんの分け御霊をいただいているらしい。
確認できないけど、そうなんだろうなと思う。
なぜならわたしも産土さまとのご縁は深い。
産土さまに2度目の成人式をこえて参拝に行ったら、宮司さんに七五三やお宮参りにこられた氏子さんは、二十歳まで、毎年祈願しています、と言われて感激したことがある。
七五三も。
そしてお祭りも。
聞かされた思い出は、学校でいじめられたとか、つらいというものばかりだったけど、みえるのは、幸せそうな家族の形ばかりだよ。愛されてたね。
わたしがこんなにもボロボロ泣くのは、くまさんが泣いてるからだろうな。だっていつも泣くのはくまさんだったもん。喧嘩しても、怒っても。感情豊かな人だった。
ディーパック先生の「千の風になって」とババの声の入った音源をわざわざ渡して旅立つくらいなんだから、もう風になってかけまわっているだろうな。
そして、わたしたちがカミーノから帰ってきたとき、転がり込んで居候させて貰ったご主人を亡くしたわたしの友人に、
「嘆き悲しむことを彼は望んでない、再婚してしあわせでいてくれるのほうがいいに決まってる」
とか言ってたくらいだから、くまさんもきっとそう思ってる。
でもなんなの、まだ涙枯れなくてこまってるんだけど。
わたしはもっとドライだと思ってたから自分でも驚いてる。
パートナーを亡くして嘆き悲しんでいた女性が、親の勧めで再婚したら、前の夫のことは忘れた、という話を載せてたから、そうだと思うし、心配もしていないけど、
わたし、こんなに人が死んで泣くのは初めてだよ。
本当によくしてもらったし、旅の趣味も食べ物の趣味もお酒の趣味もあったから一緒にいた10年は幸せだった。人間らしい初めての暮らし。
お誕生日やクリスマスやお節句を祝って、特別なワインをあけるとか。子ども時代は母が仕事人間でそんな余裕なかった。
彼の方は、ソウルメイトあるあるで、悩んでばかりで、わたしのまわりの年長の神人さんに相談し回っていたけど。
でもすごい人たちは、彼のたましいをみてるから悩みに取り合わなかった。
彼の友人たちは、一般的な人たちだから、心配してたと思う。
そしてなぜ別れないのか不思議だったろうな。
イヌイットの名前ももらってた。
カットゥー。
どういう意味かは知らない。
そして大好きだった北極の海に散骨した。
風に舞って消えてしまったけど。
すると、神社があって、
弁財天さん。
かなりのおぢば。
三島の神さまだったのか。
先祖代々の土地神さまが。
だから、すごく仕えてくれてたんだな。
わたしについてる何かのために働いてくれていたのは知っていた。
でもこうしてはっきりわかると納得した。
神様はいるかいないかわからない、と普段は言ってても、わたしの中での確信はだんだん深まる。
そして、結婚するってよくわかってなかったけど、相手のお家の神様をお祀りするってことなんだなって思う。
くまさん、今まで本当にありがとう!
わたしもできることをしていくね。