アルジャーノン | polarlicht20220811のブログ

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日々の感じた事です

整形外科から腐れ縁の「脳欠陥性認知症」のおばあさんが今私がいる「地域包括」の病棟にいます。
ベッドでは体幹抑制帯に両手には抑制手袋をして脱げない「つなぎ」を来てるのにいつの間にか裸体になってオムツをちぎって粉々にしたり、車椅子では抑制ベルトで固定され立てないようにしてあるのにいつの間にかベルトのフォックを器用に外し歩いたり床に倒れている。
いつも「佐々はどちらですか?うちに帰らないと」と会う人会う人に話かける(聞いた事すらすぐに忘れる)。
でも、そんな手のかかる患者さんだけど礼儀正しく決して他人を攻撃しない。
なんだか、その患者さんを応援したくて退院したら施設行き決定してるけど家に帰れると良いなと思い、その患者さんにヒーリングしました。

 

仲良しの旦那様と出来るだけ一緒に過ごせますように。



次の日、患者さんにあったらいつもの不穏な症状はなく問題行動もなく見当識障害もみられない。


今日は健常者の穏やかな目でしたおねがい


明らかに認知症の症状は落ち着いていたけど。

 

「自分が子どもの頃の父親と母親と3人で過ごしていた頃を思いだしてたの」

「こんなになっちゃって(今の自分の状態)辛いです」とショボーン


「ご両親は天国から見守ってくれてますよ」「なってしまったのはしょうがない、これからです」と伝えたら「そうだねそう、その通りです」となったけど頼まれていないのに勝手にヒーリングして良かったのか?


整形外科にいたとき、勝手に狭窄症患者のリハビリをヒーリングで手伝ったり、脳脊髄液減少症患者の身体中の痛みを和らげたりしたけどその時は自己満足してました。
けど今回は後悔が残る。


「ヒーリングは相手の人生を変える」


改めて動揺してます。

依頼されているわけではなく、勝手に人生を変えてよいのか?

 

良くないです。

 

ヒーリングの継続は止めました。

 

そうしたら数日で元の症状に戻りました。

 

「佐々はどちらですか?」

 

昔、読んだ小説「アルジャーノンに花束を」

知的障害者が脳の手術を受け一時的に正常以上の有能な脳になれたけど結局元の知的障害者に戻ってしまうお話。

 

重度の認知症になると見当識は保たれません。それが本人にとって幸せなのか?


願わくば、最後までこの患者さんの尊厳を守ったまま過ごせますように。