「先発隊だ」
「体当たりで行く」
胸の圧迫感とともに出てきた言葉。
そして
ここ何年かの
溢れてきた記憶の中で
忘れられなかった未解決のビジョンが蘇る。
簡易ベッドで寝ている。
起き上がって服を着る。
カツーン・・・・
カツーン・・・・
天井がとてつもなく高くて広い倉庫のような場所。
引き戸が細く開き光が差し込む。
男の人のシルエット
ブーツを履いている。
大きなものが収納されている奥へと向かう。
カツーン・・・・
カツーン・・・・
この新月で手放そうとしているのだろう。
小さく小出しにしながら
天使は解放を助けてくれたようだ。
さようなら私の記憶。