こんにちは
臨床心理士の湯浅です。
臨床をしていると「ここ最近のブーム」みたいな話題や主訴があることは以前にも書きましたが、最近立て続けに失恋のトラウマを主訴にいらっしゃる方が続いています。
その中には婚約者に裏切られ、PTSDを発症している方もいて、なかなかにヘビーな話題です。
一方で、世間的にみて失恋をして落ち込んだりし心の傷になってカウンセリングに来る事は何だか「恥ずかしいこと」と捉えている方が多いのが気になります。
実際にいらっしゃるクライアントさんですら「こんな事で恥ずかしいんですけど」とか、「失恋ごときで情けないですよね」などの枕言葉をいっぱいお話しになります。失恋の傷=色恋で騙されてしまった情けない人、恋愛至上主義、みたいな偏見があるんでしょうか。
でも、私が知る限り失恋って人生の中で最も苦しみを感じるイベントのうちの一つだと思います。心も体も委ねて、信頼をした相手を失うということは、そんな大した事なくはない。
鳥飼茜という人の漫画」の中で、印象的なセリフがあります。
「https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784098603145
主人公が付き合っていた彼氏に振られた時のことを語ってに、「信じていた相手に裏切られた時、心の一部分が死んでしまって、それはもう埋まらない。それは相手が恋しい、失恋、というよりも喪失だ」(うろ覚えですみません)というシーンがあります。心の一部分が死に絶えるような痛み、もぎ取られるような喪失感が、まさに失恋にはあると思います。
そんなイベントを、誰にも頼らず乗り越えていくことは大変です。他の悩みと比べてカウンセリングや診療内科に行きづらいとしたら、それはとてももったいないことに感じます。カウンセリングが失恋の苦しみにできることは少ないかもしれませんが、少しでも安全に、偏見なくその苦しみを吐露できる場所として、クライアントのいちチョイスであればいいなと思います。
かく言う私自身も過去に失恋が原因でカウンセリングを受けたことがあります。その時は鬱的症状が出たりしてかなり辛かったので、先輩の心理士さんに希望するセラピストを紹介してもらって、半年ほど行きました。
普段は自分の担当セラピストに性別の希望はないのですが、その時は、歳上の、同性のセラピストを希望しました。
おそらく「男性(自分の失恋相手と同じ性別)にはわかってもらえない」バイアスがかかっていたんだと思います。
長くなってきたので今日はこの辺りで…。
失恋が主訴のカウンセリングはどんな感じなのかについて、次回また書いてみたいと思います。
Sincerely,
Aya Yuasa
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