カウンセラーの仕事の一つに心理検査の実施と分析があります。臨床をするだけの人もいれば、検査だけをしていくてテスターと呼ばれる人もいます。
こんにちは
臨床心理士の湯浅です。
ここ最近WAIS(ウェイス)の受検希望者が増加しています。
WAISはウェクスラー系の知能検査で、一般的にはIQの測定、特に学校などで特別支援が必要かどうかの判別や、知的障害の有無を鑑別する際に用いられることが多い検査です。近年では発達障害(いわゆるASDやADHD)などの疑いがある方の、得意領域や苦手領域、そしてそのギャップがどのくらい生じているかなどを調べ、診断や治療方針の決定の一助としている医療機関も多いです。
そんなWAISのニーズは昔からありましたが、去年よりの年末あたりから、それらとは別のニーズで受検を希望される方が増えました。
「メンサに入会をしたい」ことを目的として受験です。
メンサとは
“ MENSA(メンサ)とは、1946年にイギリスで創設された、全人口の内上位2%のIQ(知能指数)の持ち主であれば、誰でも入れる国際グループです。(公式ホームページより抜粋)”
その入会にはIQが人口上位2%であることを証明しなくてはなりませんが、その基準としてWAISが用いられています。
メンサ自体はかなり昔からある団体ですが、去年入会希望が増えている(少なくともうちのオフィスでの体感ですが)大きな理由は、この方の入会は影響しているのではないかと考えています。
https://sirabee.com/2023/01/28/20163015814/
私はあまりアイドルには詳しくありませんが、同年代の憧れのアイドルが入会したことをきっかけに、メンサの存在を知ったり、興味を持ったりすることは理解できるように思います。
しかし、WAISというテストはIQだけを測定するものではありませんし、その解釈はかなり慎重に行う必要があるため、IQ上位2%という言葉だけが一人歩きすることの危険性を同時に感じています。
心理検査に興味やニーズが高まることは悪いことではないと思いますが…。クライアントさんが受検した過去の結果を見たり、それがどのように説明されているかを聞いたりすると、きちんとトレーニングを積んだ専門家が解釈しないと、時としてとんでもない誤解や悪影響を与えることができる危険性を感じることも多いからです。また、心理検査が安易にお金儲けの材料となっていて、本来の目的を果たせずに終わっていることには正直怒りを感じます。
当オフィスではWAISを正しく実施し、解釈し、受検者のために活かしていける専門家トレーニングのセミナーに力を入れいています。https://polaris-cog.com/edusem6.html
心理士であるからには職業倫理と責任を持って自分の技術を研鑽する努力を続けていってほしですね。
また、現在WAISというものを少し詳しく説明するようなウェブサイトのページを作成しています。そちらが仕上がったらまたこのブログでシェアしますね。
Sincerely,
Aya Yuasa
Polaris Counseling Officeではさまざまな心理教育セミナーを開催しています。
YouTubeでも随時コンテンツを紹介しています。
当オフィスのWebサイトに是非遊びに来てくださいね。
【Polaris Counseling Office】
(ポラリス カウンセリング オフィス)
東京新宿エリア市ヶ谷の心理カウンセリングオフィス。日本語・英語・ポルトガル語など多言語対応が可能。カウンセリング、カップルカウンセリング、オンラインカウンセリングをはじめ、専門家のスーパビジョンにも力を入れている。スタッフは全員臨床心理士、公認心理師、もしくはそれに準ずる各国の資格を持ち、臨床経験3年以上の専門家のみを採用し、日々トレーニングと査定を実施している。認知行動療法や多文化間カウンセリング、パーソンセンタードなど、さまざまな技法を選ぶことができる。
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