ぽる子勢いテント暮らし -3ページ目

ぽる子勢いテント暮らし

勢いで、やったこともないキャンプ生活してます。
その様子を綴ります。


★お断り★
狩猟期ではありませんが
害獣駆逐の許可を得て猟を行っています。

★本文★

「いまどこにいる?いますぐ来てくれい!」
第一兄貴からの電話で
親分の作業場から走った。

なんと、一度に数頭が罠にかかったらしい。
最近は解体の手伝いはするけど
山から猪を下ろすことはあまりなかった。

捕れないことが多くて
少々油断していた。

「どのへんでかかったんですか?」
「奥の方!」

ひいいい。
解体だとばかり思って、水とか持ってこなかったけど!

兄貴の後を必死で歩く。

「もう少しゆっくり歩くか?」
「大丈夫です!!」

森のなか、湿気がすごい。
すぐビショビショに汗が噴き出す。
もう汗なんて慣れてしまった。

川の近くの木の下で

一番小さいのと
少し小さいのと
巨大なのが三頭

脚をくくられ
鼻息荒く倒れていた。

第一兄貴
「二頭持てるか?」

まじですか!
二頭ですか!
無理じゃないですか?
やってみましょうか?
うわあああ!

無理と判断され

兄貴が巨大なのと、最小のを二頭。

私が中くらいのを一頭担いだ。

熱い体温を腰に感じながら
肩に紐を食い込ませて歩く。

足元が、ふらついたり
枝にひっかかったりして刺激を与えると

「グッ!グッ!グッ!グッ!」と啼いて暴れる。

その度に肩にもっと紐が食い込む。
自分の親指を紐と肩の間に差し込んで耐える。

私の肩には
猪の体重分の紐が食い込む。

同じように

この猪の四肢には紐が食い込む。

ごめん…と思う。
痛いだろうな。
怖いだろうな。
辛いだろうな。

だけど今からこの子達を私は食べる。

少しでも楽に屠りたいといつも思う。


解体場につくと

兄貴が喉元へナイフを刺す。

ナイフを研ぐのは私の仕事だ。

鋭く研げば研ぐほど、苦痛が少ないような気がしていつも、真剣に研ぐ。


つぶしたら、バーナーで毛を焼き
その皮を金タワシでゴシゴシ磨く。

これも私の仕事。

腹をさいて
内臓を出す。

兄貴は、肉と骨とに分ける仕事。

私は、兄貴が取り出した内臓すべてから

食べる部位を取り分ける。

肺、心臓、肝臓、腎臓、横隔膜。

太っている猪は
腎臓がわかりにくい。


背骨に沿ってついている、ヒレ肉は

山から担いで来た人が貰えるしきたり。

この日は私も担いだので
分け前を頂きました。

胃袋を割くと
たくさんの米が出てきます。

田畑を荒らしている証拠です。

山の生態系を適切に保つためにも
狩りは必要です。

その夜、兄貴から短いメールが届きました。

「今日は助かりました」

正直に言うと
親分も兄貴も、優しさで私の興味につきあってくれてるのではないかと、

女手なんて、かえって足手まといなんじゃないかな?
と、思っていた。

だから本当に嬉しくて。

ありがとうございました。

これからも、体力つけて、頑張るぞ!

猪さん、命を今日もありがとうございます。