まだかまだか。と梅雨明けを待ちわびる。
「ハーリーは、今度の土曜か…。そのころ開けるはずよ」
伝統行事である、海神祭の催されるちょうどその頃
梅雨の重い雲が晴れ渡り
太陽がギラギラ照りつける
南国の夏がやってくる。
ハーリーの、前日は、やはり雨だった。
「やっぱりハーリーまで引っ張るのねえ」
明日の空が待ち遠しい。
海神祭ではハーリーと呼ばれる爬竜船を漕ぎ
海の神に祈りをささげる。
伝統の、衣装に身を包んだ人々が
御願(うがん)ハーリーを漕ぐ。
私は
一人でそれを、見学しようと思っていたのだが
なんと前日の夜
知り合いから、メンバーを探していると声がかかり
漕ぎ手として参加できることになった。
参加するのは
御願ハーリーではなく
一般の枠。
10人1チーム。
女性は私を含め2名。
「ユイサー!ユイサー!」と掛け声をかけながら
海上の旗めざして漕ぐ。
予想よりも海面が近く
バランスが悪いとすぐに水が入ってくる。
推進力もないと、どんどん沈むから必死だ。
腕がつりそう。
しんどい!
もうだめ!
「ユイ、サー!! ユイ、サー!!」
一層大きな声を出す。
隣の船を見るとほぼ互角だから
まったく余裕なく最後まで必死で漕いだ。
結果は3組中2位。
全身びしょ濡れ。
みんな笑顔がはじけている。
漕げてよかった!
仲間とハイタッチする。
朝はじめて会ったばかりなのに
もうこんなに仲良しだ。
ありがとう。
来年もまた漕ぎたいな。
お揃いのTシャツ作ろうよ。


