グルクン。沖縄の県魚であるこの魚。
きび刈りでやってきた当初から
「シーズンになったらグルクン釣りに行こう、楽しいよ~」
なんて、ずっと言われて楽しみにしていた。
船で出る釣りは、いつでもいいって訳ではなくて
潮の満ち引き
天気
みんなのスケジュールの都合等々
いろんなタイミングがあわないと行けないもので
今回やっとの実現!
お馴染みの、アドバンテージ親分のところの、第一兄貴とエミリ兄貴に連れられて船へ。
アドバンテージ親分は、稲刈りで忙しく
今回は三人での出航です。
干潮が10時半。
はやく出発しないと、干潟がどんどん浅くなり船が出せなくなるので
朝イチのフェリーで石垣から到着した兄貴達を待って、大急ぎで船へ乗り込みます。
まずエミリ兄貴が、岩から舳先へヒョイと飛び乗る。
それから私が乗りやすいところまで、船を動かしてくれ、私は乗り込む。
「さっきみたいに乗り込んで、股裂きみたいになって海に落ちたこととか、ないですか?」
私の愚問に兄貴は答える。
「なおちゃん、そんなにトロ臭いやつはいないだろ!」
そ、そうか。
小学生の頃、そんなにして霞ヶ浦に落ちたことがある事は、秘密にしておこう。
あのときは、パンツまでアオコで緑色に染まったっけねえ。
いやはや。
私の事をよく知る友人らには周知の事実だが
私はこう見えて相当運動オンチである。
なんとか誤魔化して離島ワイルドライフを満喫しているが
いつまで誤魔化せるかしら?
もうバレてるかなー?
慌てて船を出すが、ほどなくして浅瀬に船底を擦り始める。
三人で降りて船を引っ張る。
重い!
ひいい!
船頭を引っ張る第一兄貴が、さすがの馬力を発揮してバリバリ引っ張るから
私はついていくのが必死。
あやうく船にひきづられそうになるが、
それだけはいかん!
と気合いで走る。
長靴の抵抗がすごくて、頼んで船を止めてもらい、長靴を脱いで裸足になった。
身軽!
少し水深が出てきたので船へ私だけ乗り込む。
「なおちゃん、乗っとけ!」
二人の王子が引っ張る船に乗り
まるで姫様気分…
といい気になること数10秒。
ズザザ…。
「やっぱりなおちゃん、降りてくれい!」
…だから言ったよね、私、体重、重いんですよ!
そんなこんなで皆でヒイヒイ言いながら深水まで船を出しやっと乗り込むと
今度はすごい風と波。
「うひょーい!サーフィンみたーい!!」
きゃあきゃあ喜んで乗っていたが
ふと見ると、船首で第一兄貴が顔をひきつらせている。
第一兄貴は、どちらかというと山担当なので、ちょっと船が苦手らしい。
その顔を見て、私も、ちとビビる。
振り返ると、船長のエミリ兄貴が
「ごめん!波がすごくて操りきらんさ!」と言うから
余計に、「笑ってる場合じゃないのか?」とさらにビビる。
ここまで来たら帰りたくても帰れない。
もう、兄貴たちと心中じゃー!
ほどなくして、すこし波が穏やかなポイントへ到着。
早速釣糸を垂れる。
まず水深を図るために、エサをつけずに投入すると
いきなりのヒット!
ええっ!
心の準備なにもできてないのに!
たぐってみると
「オジサン」と言う魚でした。
ヒゲが生えてるから、オジサンと言うらしい。
その後、なかなか目当てのグルクンがかからず
少しずつかかりはじめても
話に聞いていた入れ食いとは程遠い。
最近、やっと気づいた。
「いつもなら、一時間てこのクーラーボックスに一杯になるさな!」
この台詞は、どうやら誇張表現であるようだ。
途中、船の上でお刺身を食べたりしながら、
夕方7時近くまで粘り
まあまあの釣果で帰った。
第一兄貴は、船酔いで相当辛そうで。
(船首でションボリ釣糸を垂れる第一兄貴)
いつも猪をかかえて勇んで山をかけまわる姿のギャップに笑えた。
ぶがり直し(お疲れ様飲み会)も
陸酔い、という現象に襲われ(ユラユラする感じ)
早々に眠ってしまった。
気づくと
アドバンテージ親分も加わったゆんたくの声が聞こえており
朦朧とした頭で、その声を聞きながらうとうとと微睡む一時が
とても幸せな時間であった。
ふだん、一人でテントで寝ているので
やはり緊張しているのだろう。
水平、垂直の建造物に守られ
人々の優しい気配に囲まれると
あまりに安堵するためか
よく寝てしまう。
「最近なおちゃんはキャンプどうしてるか?」
親分の声だ。
「うん、よく頑張ってるよね、梅雨も頑張って耐えたし、今は暑いだろうさね。
でも弱音も言わずよくやってるよ。」
「こういう家に来たら安心して寝てしまうんだろうな」
「寝せておけー!」
そんな会話が聞こえたから
そろそろ起きようかと思っていたけど
しばらく狸寝入りを続けた。


