草

両親が他界して７年。

我が家から車で５分とはいえ、実家には足が向かない。

冬になると凍り付くような寒さ。

夏になると実家は草でおおわれる。200坪あるので、

草の量も半端ではない。

田舎暮らしもあこがれるところもあるけど、

草抜きに追われて、のんびりなどしておられない。

親に尽くした人生は、親が亡くなってからも続くことになった。

草を抜いている間に、あれもこれもしたいことがたくさんある。

草を抜いていて気が付いたことがある。

草は土のなかにも待機しているのだ。草削りで削ってみると、土の中に

元気な草が潜んでいる。

草って！なんなんだ！

私の肘や手指はもう、使い物にならないほど疲弊している。

私の人生を牛耳るほどの力を持っている草って、何者だ！