昔々、為替レートが、1ドル360円だったのが、変動相場制になって、
1ドル130円とか120円なんかになった時、
日本は輸出で儲けていたので、賃金カットやコスト削減で大変な
ことに。
一方輸入品が安くなるはずなのがなかなか安くならない。そんな中、
個人で輸入しようというのが色んな雑誌で記事になって服とか、
アクセサリーとか輸入するものの、サイズの問題とか大量に購入
すれば安くなるという事でグループ購入するもののトラブル頻発。
そういう時代、たまたまテレビを見たら、レコードを個人輸入して
いる人が紹介されていて。 その人が古畑銀之助さんでした。
個人輸入のノウハウを書いたミニコミ誌も作っておられると。
でも正直その時は関心なかったです。なにせ大量に買い付
けるというのは当時の私の財力では無理と思っていたので。
でもその数ヶ月後、たまたま知り合いの人からミニコミ誌の
集会があるからと一緒に行きました。
会の内容は古畑さんが最近聞いたレコードの話とか、どこの店
からレコードが何日で届いたとか、話題は色々。 クラシックという
と独墺系の音楽が中心なのに、そんな人は僅かで、現代物とか
結構幅広い(でも古楽聞いている人はいなかった)私も晴れて
会員登録されそのミニコミ誌が送られてきました
。最初は過去の物が一括して送られてて来てびっくり。ミニコミ誌の
名前は「ある晴れた日に」例のプッチーニのオペラのアリアから取ら
れた物で、遠く異国から届くレコードを待つ心情からこの題名
となったそうです。黄色の厚手の紙に印刷されていて1部は4~6
ページ位。ワープロのない時代に大変だなあと思ったら、
同好の志の方が印刷に詳しくて安価で印刷してもらっているとか。
内容は個人輸入のノウハウとか最近聞いたレコード、さらには
文化的な観点から見た社会の矛盾とか、明治生まれの気骨を
感じされる内容でした。
後日ミニコミ誌は「ザ・レコード」 古畑銀之助著 (羊書房発行 定価1,500円 )
として纏められ個人出版されました。
早速私も輸入開始。まずはバークシャーレコードアウトレット。
http://www.berkshirerecordoutlet.com/
http://www.geocities.co.jp/MusicHall-Horn/5346/kbif.htm
今でこそネットで買えますが、当時はまずはカタログ請求から、
でもこれが楽しい。その後別の店も取引しまいしたが。
主にVOXの箱物VOXBOXとか結構買いました。日本で売って
ないもの、特に米国の現代の物なんかはありがたかったです。
たまにはブレンデルのベートベンピアノソナタ全集(VOX盤)
なんてのも買いました。その後米ロンドンなんかは英国プレス
という事もあってよく買いました。
たた調子にのってハイドン交響曲全集を買ってしまったのは
痛かった。(日本の販売価格の1/6位だったと思います)
米国経由でDGG(ドイツ盤)も結構買ったことあって、一時
家のレコード棚は黄色い背表紙が並ぶことに。 安くレコード
ライフを享受できる一方、私買ったレコードは暫くして中古屋
に委託販売で出すのですが、米盤は全然売れない・・。
なんかドイツプレス至上主義なんてイメージあって米盤は
全然売れない。確かにノイズなんかはやや多めですが、
骨太いサウンドはそれはそれで魅力だと思うんですけど。
後年長岡鉄男氏が自著の中で米盤の魅力に語っていたのは
我が意を得たりと思った物でした。
後もうもう一つ大きなイベントはスピーカーの輸入。ロジャーズの
LS5/9確か当時1本33万円。正直買えない。 しかし欲しい・・。
で英国のお店に見積り依頼出しました。 1ヶ月程度で見積りが
やってきました。値段をみて税関等考えると購入可能。早速
返事の手紙書くと。今度は10日程で返事が返ってきて。
(さすが現金だ)数日中に出荷すると。
航空便で頼んだので20日程で到着。実はここからがややこしく、
乙仲に通関代行の依頼したり当時は物品税というのがあって
シングルコーンと2WAY以上のスピーカーでは税率がかなり
変わってて。でも結局17万位で購入できました。
(この値段も結構厳しいですけどね)
まあ音はいろんな所に書かれているとは思いますが、意外に
ロックやジャズでも結構鳴らしてくれて、ブリティッシュロックを
ブリティッシュスピーカーで聞く。結構よかったです。
(よく考えてみるとスタジオモニターだから当たり前といえば
当たり前)
ポリーニのアタックなんかの音、ものすごく臨場感たっぷりで
再生してくれました。
ネットで調べたら「ある晴れた日に」関連ある記事ありました。
http://www.holbein-artistnavi.com/cafe_o/music/c_misic05.html