人の中には、
「自分よりも上の人に噛み付く人」と、
「自分よりも下の人に強く当たる人」が
います。上に噛み付く人は下に優しく、
下に強く当たる人は上に忠実な傾向があります。
この違いは性格によるものです。例えば、
管理する・されることを好む人は、
上に忠実で、下に厳しくしがちです。はたまた、
立場が上の人に対して積極的に媚を売るような人は、
自分が上の立場に立ったときは下から崇められたい
と思うわけで、下に対して尊大な態度を取ります。
そうやって鍛えられたのだから、そうすることが
正しいとすら考えます。まさか自分よりも下の人間に
自由が必要などとは、思いもしません。
対して、自由に挑戦することが好きな人は、
上司に噛み付きがちです。しかし、上には反抗的ですが、
下には割と寛容で、自由に振る舞えるように配慮します。
「管理、管理、指示、指示では成長しない。
自ら考え、自ら動くことが大切だ!」と、
ある程度の自由を認め、失敗や成功を体験させようとします。
しかし、損益が大きく損なわれるリスクまでは考慮しません。
こうしたことから、性格の相性によって、
「上司としてやりやすい人」と、
「部下としてやりやすい人」に
分かれていきます。上司としてやりやすいからといって、
部下としてもやりやすいとは限らず、その逆もしかりです。
下から見たら立派に見える人でも、
上から見たらボロだらけで、
役員から低く評価されている管理職もいます。
かつ、ある人からすればやりやすい人でも、
別の人からするとやりにくい人にもなります。
上から見るか、下から見るか、誰が見るかで、
人の評価は大きく変わるものなのです。
(続)