どっちが上とか下とかはありませんが、
会社には「管理職」「専門職」があります。

管理職というと上司と呼ばれる立場で、
管理職の方が上っぽい感じはしますが、
実際のところそんなこともありません。

意外と上司の立場でできることは少ないのです。
専門職であれば、自分の担当する職務の範囲で
自由に仕事できますが、管理職になると、
部下のわがままも聞いていかなければなりません。

それだけなら聞き流せばいいだけの話ですが、それに加えて、
部下一人一人に予算(ノルマ)を達成させる必要があります。

ゆえに、部下に対して、言いたくないことも
言っていかなければなりません。逆に、部下から
聞きたくない報告・相談をされれば、上司として
丁寧に聞いていかなければなりません。こうした
精神的な負担もあって、管理職の方が報酬は高めです。

一方、専門職であれば、自分の担当する作業に集中し、
高度なスキルを以て目標達成・問題解決していきます。
主に作業を行うことから、職人気質の人が多いです。

…で、職人同士はよく揉めます。
やり方の違いや方向性の違いでよく揉めます。
本当によく揉めます。

部品の配置やデザインの細部などなど、
別にどっちでもいいんじゃないのか、
という些細なところで揉めます。

そして、その度その度に管理職が呼びつけられ、
仲裁に入らなければなりません。…。で、
どちらかの味方をしようものなら、
怒りの矛先は管理職に向けられるわけで、
下手すると後で嫌がらせをされかねません。

そういうこともあって、管理職は
わがままを言えない立場であり、見かけによらず
窮屈な思いをさせられるものです。

(続)