「閻魔帳(えんまちょう)」と呼ばれる
帳面があります。これは、死者が生前に行った
善悪のすべてが書き記された帳面のことです。

行いのすべてが書き記された、と聞けば、
その容量は無限大か?と思われるかもしれませんが、
いえいえ、そんなことはありません。

もし1時間を100ギガバイトで保存するとすれば、
せいぜい数ペタバイト、多く見積もっても
1エクサバイトあれば十分です。

とは言っても膨大な容量を誇る閻魔帳ですが、
これは何に利用されるものかと言うと、まず、
死者は死後に天国or地獄をジャッジされます。

この判定を行うのが閻魔様ですが、当然、
判定のためには基となるデータが必要です。
そのデータを閻魔帳から取得するわけです。

この例え話が作られたのは今から数千数百年前であり、
言うまでもなく、その時代にコンピュータはありません。 

しかし当時の人は、そうした閻魔帳(データベース)なるものが
いつの日か実現し、クエリやAPIを利用して問い合わせすれば、
誰がいつ何の罪を犯したのか一瞬で検索できる日がくることを
予想しました。実際そうなっています。

日本では、警察庁が犯罪者データを管理しています。
一般人ではこのデータベースにアクセスはできませんが、
警察管であれば照会を要求し、犯罪歴を調査することができます。

昔はそんなシステムなどありませんでしたから、
人を殺しても捕まりもしなかったほどです。
今では、死ぬまでGoogleに自分の名前が載ります。
ある意味Googleが閻魔帳のようなものです。

「嘘をついたら閻魔様に舌を引っこ抜かれる」
と言うのも、検索すれば出てくるようになれば、
嘘の主張ができなくなることを例えたものです。
および、それによる信用の失墜で、会話が
成り立たなくなることも含まれているのでしょう。

(続)