映画の原作本が好きで、まぁそこそこの数を読んでいる。この日記を書きながら横の本棚を見回しても『クライマーズハイ』『太平洋の奇跡』『ホワイトアウト』『おろしや国酔夢譚』と、ちょっと懐かしい邦画のタイトルが文庫本にて本棚のそこかしこに並んでいたりする。これらは映画を見てから原作本を読んでみたくなって購入したモノもあれば、逆に本を読んでから映像にも興味を持って映画館に足を運んだりビデオやDVDをレンタルしたパターンもある。俺個人の性格上、原作と映像の『どっちを先に』には全くこだわりが無いのだ。
ただし、先述したように『どっちを先に』には全くこだわりが無いだがそこはそれ、こだわらない事による『失敗と成功』はキッパリあるのだ。あくまで俺個人の感想としてだが『ホワイトアウト』は、原作を読んでから映画を観るパターンで大失敗した。あまりにもショボショボでスケール感が違いすぎるし、身を切る極寒極限ギリギリ的危機感も全く伝わってこないしで、観終わった後に酷くガッカリして映画館を後にした記憶がある。
逆に良かったのは『劒岳〈点の記〉』で、俺の身近にいる映画ファンの同僚等は「話が解りにくいし、何より登山のシーンが多くて退屈」と酷評だったのに対して、逆に俺は話の筋が頭に入ってる分だけ個性の強い役者の演技をゆっくり堪能でき、何より頭で想像していたよりも遥かにスケールのデカい冬山登山の原風景というモノと、そこを進む登山隊の過酷さが映像からビシバシと伝わってきて「いや~本先に読んでて良かった~~」とホクホク顔で映画館を後にしたのだった。
そして、先日の夜に「明日は休みだしチョットだけ…」と、布団にもぐりこみながらパラパラとめくってしまった『のぼうの城』(上下)…。全部読んじゃった…。さあ、後先考えずにやっちまったぞ…。原作は抜群に面白かった!!後は俺がどんな顔して映画館を後にするかだ。がんばれ野村萬斎!!