敗北とは、強烈に人生を彩るもの・・・ | ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

ショピンの魚に恋して ☆羽生結弦選手に感謝を込めて☆

清冽な雪解けの水のようにほとばしる命の煌めき・・・
至高のアスリートにしてアーティスト、
羽生結弦選手を応援しています。

「負けて悔しい。その一言です。」
「正直言って悔しい
4回転を決めることができなかったのが悔しい。」
「いまの自分にとって悔しいという言葉が一番合っている。」
「『悔しい。絶対に勝ってやろう』と思った。」
「ぼくは心が広くないので悔しい。」
「情けない、悔しいという思いしかない。」

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負けて悔しがるだけの王者なら・・・
          我々はこうも心惹かれはしないのである。

やがて注がれる他者への深いまなざし・・・。

「でもハヴィエルがすごくいっぱい練習をしてきて、その結果が実ったというのは嬉しい。」

「彼はいつも『おめでとう、誇りに思うよ』とぼくに言ってくれていた。
ぼくもこの立場になって初めて、彼の気持ちがわかった。

「一緒に練習している仲間が勝つというのはこんなにも嬉しいものなのか、ということもわかった。」

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「試合では負けてしまったけれど、その陰には、ずっと背中を押してくれている皆さんがいた。負けた悔しさとともに、しっかりと、皆さんが支えてくださっているというのを忘れないようにしたい。

以前、「血を流しながら、にっこり笑おう」で終わる岡本太郎画伯の本を結弦くんにプレゼントし、

その後、中国杯で本当に結弦くんが「血を流しながら、にっこり笑ってしまった」ため激しく動揺し、

バルセロナまで生きた心地がしなかった・・・という話を書いたことがあった。

中国杯


岡本太郎の話はまた改めて書きたいと思うのだが、結弦くんを見ていると、太郎の言葉が次々と思い浮かんでくるのである。

「人間は、必ずしも成功することが喜びであり、大事なのではない。
戦って、後に崩れる。
その絶望と憤りの中に、強烈な人生が彩られることもある。」

「俗に失敗は“成功のもと”という。
そんな功利的な計算ではなく、イバラの道に傷つくことが、また生きる喜びなのだ。通俗的な成功にいい気になってはならない。

むしろ“成功は失敗のもと”と逆にいいたい。
そのほうが、この人生のおもしろさを正確に言い当てている。」

真の王者は敗者の哀しみを知る。いや、敗者の哀しみを知るからこそ、真の王者なのかもしれない。

「“優勝以外は負け”みたいなイメージをつけ続けていた。」
「“常に成功していなければいけない”みたいな、自分の中の『縛り』、というのがあった。」
「ずっと勝ち続けるのは不可能に近い・・・」

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結弦くんの中で、今、確かに人生は広がりを見せている・・・。

これから何度でも勝利を味わう絶対王者にとって、たまに味わう敗北はまた、スケート人生のスパイスのようなものである。ちょっぴりほろ苦さも加わって、大人のスケートへ・・・。

まだ妖精さんでいてほしい気持ちもあるけれど、これからまたどんな演技で我々を魅了してくれるのだろうか・・・。その成長が楽しみでならないのである。


※画像は動画からキャプチャーさせていただきました。