ティアーはしかたがないとおもいつつも任務依頼書をみる。
最後にかかれている一文。
ティアーの裁量による判断を仰ぐ。
つまり依頼するが好きにしていいと言うことだ。
なにかをたくらむように笑いだすティアーにコムイは一抹の不安を感じて声をかけようとするがそれよりも先にティアーからクロスをのぞく元帥3人を呼ぶように言われてしまった。





「エクソシストの強化だぁ?」
ソロカは面倒だと言わんばかりにいうがティアーは考えがあるのか無視している。
「ティエドール元帥の所はとりあえずチャオジーの修行と神田とマリの強化ってところです。
半殺し程度ならぜんぜん問題ないんでバシバシやっちゃってください」
「まぁ、そういうことなら私はおやすいご用だが…」
問題は面倒だというソロカとなにも言わないがあまり乗り気ではないクラウドだろうという。
「ソロカ元帥にはラビを鍛えてほしいんですって言うか、別に鍛えなくてもいいので適当につれて歩いてくれればいいです」
ブックマンは高齢だし規約もあるのでさすがに今更どうこうする気はない。
だがラビがソロカにつく以上、自然にブックマンもソロカと行動をともにするだろう。
「面倒くせえ」
「……任務が増えますよ?
しかもイノセンス調査とかだるいのではなく、AKUMA退治の任務です」
「へえ」
「実践あるのみがラビにはいいでしょうからね
いいじゃないですか、つれて歩くだけでAKUMAを倒し放題です」
ティアーの言葉に考え込むソロカ。
「もし断るなら弟子のいるティエドール元帥のところに回しまくります」
だめ押しでいえばしぶしぶながらも承諾した。


教団に戻るとすぐに監査官に見つかりコムイのところにつれていかれる。
どこにいっていたのか問いつめられると思いきや、告げられたのは任務依頼だった。
「エクソシストたちの強化ですかぁ」
「一人でも多くのイノセンスの発見とエクソシストの育成が上の意志だ」
コムイがいうとティアーはあからさまにため息をつく。
ようは臨界者を一人でも作れと言うことなのだ。
「面倒ですね。
ティエドール元帥にはすでに3人弟子がいますけど、クラウド元帥とソロカ元帥があいてますし、弟子についていない5人をあてがえばいいじゃないですか」
言外に元帥でもない自分がやる必要がないと告げるがコムイは一枚の依頼書をティアーに見せる。
そこには大元帥の署名があった。
「弟子、ねぇ…」
ブックマンとラビに関しては現状維持と記されている。
元々そこまで育成する気もされる気もお互いにないのだろう。
だがミランダとクロウリーを育成せよとそこにはあった。
「リナリーは弟子につけずに今まで通りなのは、まぁ仕方ないでしょうね」
進化したイノセンスの適合者となってしまえば観察の対象だろう。
コムイがいい顔をしないだろうがこればかりはしかたがない。


「千年公は探してるぅ
大事なハート探してるぅ
私ははずれ次は誰?」
ティアーはふかふかのベッドの上で歌う。
「……楽しそうですね」
「楽しいですよ。
ハートは今頃びくびくしてるんじゃないですか?」
「リボンが解けていますよ」
ティアーのネグリジェをなおす千年伯爵にティアーは笑う。
「私ははずれ…貴方は?」
腕を捕まれベッドに倒れ込むもティアーをつぶさないように片手をつく。
至近距離で見つめあう。
「もしクロスがハートだったらどうします?」
「すぐさま破壊しますね」
ティアーは笑みを消した。
「相変わらずお前は美しい」
千年伯爵はティアーの手を取り口付ける。
「ティアー、我が輩の愛しい子」
「ねぇ千年伯爵」
「なんです?」
「ハートは本当に目覚めているんでしょうか?」
そのままティアーの手を引いて体を起こさせて抱きしめたまま千年伯爵はうなずいた。
「こんなくだらない戦争なんて早く終わればいいのに……」
「かわいいティアー、優しいティアー。
我が輩はお前を壊したハートを絶対に赦しませんよ」
千年伯爵に抱きしめられたまま、ティアーは目を閉じて眠りについた。








目が覚めたとき、ティアーは千年伯爵の腕に抱かれていた。
「おはようございます千年伯爵」
「はい、おはようございます」
名残惜しそうに起きあがるティアーをなでて千年伯爵もまた起きあがった。
「教団に戻ります」
「ロードに近くまで送るよういっておきまスv」
「ありがとうございます」
ティアーがいいながら着替えを始める。
千年伯爵がティアーに用意した服を着て残りを用意された箱に詰めていく。
この服の上に教団のコートを纏うことになるため、動きやすい服か多い。
ブーツを掃き、いくつもの箱を確認してティアーは振り返る。
「ロード」
「ティアーの部屋でいいの?」
「ええ、よろしく」
現れたドアをあけて荷物をどんどん投げ込んでいく。
最後の箱を持ってドアをくぐろうとするとロードに髪を引かれた。
「なんです?」
「またね、ティア」
「…えぇ、またね」
いってティアーはドアをくぐる。

パタリとしめられたドアを消してロードは寂しそうにベッドにダイブした。