手を振りながら近づいてくるブロンドの女の子
心配そうな表情に、やっと見つけられた嬉しさを滲ませて
「もう、どこにいってたの!ママがすごく捜してたよ!」
今度は怒った顔
「ごめんごめん、ちょっと外の空気が吸いたくて
ベランダにでたんだけど、海風が気持ちよくなってね」
あきれたようなため息
本当にこのくらいの年の女の子はクルクルとかわる表情が愛らしい
「いいわ、いっしょにママに謝ったげる!」
「それは頼もしいな」
この子がもっと小さな時からのクセで思わず
抱き上げようと手をのばす
「やめて、もう子供じゃないんだから」
「はいはい、もう立派なレディだね」
ここ一か月でずいぶんと痩せてしまった
正直、この子を抱き上げられるかはあやしいかも
かわりに手を差し出すと、嬉しそうにとびついてきた
小さな手から伝わるぬくもり
懐かしいな・・あの子も今はこのくらいかな?
もうずいぶんとあってない気がする
「章吾かうちにきてから、ママなんか嬉しそう」
「そうかな?お邪魔になってなければいいけれど」
暖かな西海岸の日差しは、夕方といえど少し眩しい
海辺の砂地に足をとられながら一歩一歩
足を踏み出し、もと来た道を後戻りしていく
「ねぇ章吾は、日本に子供がいるって本当?」
「本当だよ?」
「男の子?女の子?」
「女の子と、その下に男の子・・
マーガレットとおんなじくらいかな?」
「どうして一緒に暮してないの?」
「え?」
「ママが家族なら一緒に過ごさなきゃって」
なんて説明しようか?と考えていると
白い柱のバルコニーが見えた
そこから手をふる女性
この子と同じブロンドの美女は
やっぱり心配と嬉しさを滲ませた表情を見せた
「ディジー!」
「ママ!」
二人同時に叫んで思わず笑ってしまう

