■はじめに

今回の話題はSSDへの交換です。NECの795gの13.3型パソコンVersaPro PC-VJ16(Lavie Zの企業向けモデル)が思いの外弱く、半年で画面が乱れて使えなくなってしまいました(高精細IGZO液晶がなんてこったい)。そこで、丈夫そうで軽そうなPanasonic Let's noteに買い換えたのがその理由です。大容量SSDに換装する場合に多少は役に立つかもと思い筆を執りました。

 

換装のコンセプトですが、どちらの機種もメモリーの増設が不可ですのでグレードアップの限界が見えています。また、4,5年前の機種でいい感じに安いので、本体並か本体よりも高いSSDを買うのもどうかと思います。かといって320GBのHDDよりも容量が小さくなるのもスペックダウンみたいですし、容量ダウンはシステム移行の手間が増えるので480GBと500GBを選びました。

 

■Panasonic CF-RZ4のSSD換装

裏蓋のねじを全て外して裏蓋を外すだけです。ただし、プラスマイナスがどちらも使えるねじ1本は取る必要が無かったと思います。裏蓋はマグネシウム製で無理にこじ開けると割れますので、慎重に開けます。

 

M.2のSSDが搭載してあるはずなので、ねじを外して斜めに浮き上がった状態で引っこ抜き、代わりに大容量のSSDを逆の手順ではめ込むだけです。拍子抜けするほど簡単です。交換前には、台所のステンレスのシンクに触れるなどして静電気を除去しておきましょう。

 

以上終わり、と言いたいところですが、注意事項があります。ます、SSDの種類です。M.2規格でSATA接続のSSDでないと使えません。M.2には高速なPCI-EXPRESS接続のものがありますがそちらは使えません。カカクコムのSSDのページhttps://kakaku.com/specsearch/0537/で、容量(480GB以上など)と、M.2(type 2280の板ガムみたいな形状が一般的)を選択するといろいろ出てきますが、インターフェイスが「Serial ATA 6Gb/s」のものが該当機種です。「PCI-Express」のものは残念ながら使えません。

 

利用できるSerial ATA 6Gb/s接続は、理論値が750MB/sで、現実的には550MB/sあたりで上限ですので、読み書きが500MB/sくらい出るSSDなら十分でしょう。最近はキャッシュを持たない低価格SSDが出ており大きなファイルをコピーしないならば大差ないかもしれませんが、なんだか気持ち悪いのでキャッシュありのモデルから選んでいます。

 

私はPanasonic CF-RZ4にWESTERNDIGITAL WDS500G2B0Bを使っています。定番ですのでトラブルは少ないでしょうし、2ヶ月くらい使っていますが、SSDのトラブルはありません。けちりたいならintel 540sが良いと思います。1000円くらい安く済みます。ユーザーが少ないのと、トラブルの話が散見されるので若干不安ではあります。

↑WESTERNDIGITAL WDS500G2B0B。amazon価格7046円です(2019/8/30現在)。NTT-X、ツクモ、ノジマなどの方が98円安いので7000円前後ならお好きな店から選択すると良いでしょう。

480GB SSD Intel インテル 540s 内蔵型 M.2 2280 SATA3.0 6Gb/s TLC R:560MB/s W:480MB/s 海外リテール SSDSCKKW480H6X1 ◆メ|flashmemory

Yahoo!ショッピングから、「intel 540s」を検索すると、風見鶏という店の5999円のintel 540sが出てきます(2019/8/30現在)。5980円で販売している店がありますが、送料で逆転するので私が調べた限り最安です。送料無料・税込みで、Yahooプレミアム会員だと60円安くなり、+4%のポイント付きです。更に、5の付く日セールで4,5,6の付く日は合計14%のポイント還元があります。完全に乗せられている気がしますが、ソフトバンクユーザーはプレミアム会員に追加コストなしになれますので、プレミアム会員登録とPayPay登録をしておくと良いでしょう。ということで、5939円(14%還元・送料込み)で購入しました。ただし、後述のようにHDDモデルのCF-SZ5にはM.2のSSDが使えませんので、2.5インチSATA化できるまでは不良在庫と化してしまっています。

 

■Panasonic CF-SZ5のSSD換装失敗の話

上記の通り現在のところSSD換装に成功していません。先日Panasonic CF-SZ5の320GBのHDDモデルを手に入れました。HDDを外せば軽くなるだろうし、外さないなら2.5インチHDDとM.2 SSDの両方使えるじゃん♪、とか考えてM.2タイプのSSDを注文しました。これが良くなかった。

 

Panasonic CF-SZ5のSSDモデルには2.5インチの配線が付属していないのは知っていたので、「HDDモデルでラッキー、両方使えるじゃん♪」と考えていたのですが、根拠のない楽天主義は打ち砕かれました。SSDの購入前にはパソコンの中身を確かめよう。

 

本題の換装は、Panasonic CF-RZ4と同様に裏蓋のねじをプラスマイナス両対応の1本を除き全部とって裏蓋を開けるだけです。本体がCF-RZ4よりも大きいので裏蓋が開けにくいのと、ねじが3種類あるのでわかるように保管することが注意点です。

 

開けてみてびっくり。HDDモデルにはSSDの端子が付いてないじゃないですか!なんてこったい。もともと付いているストレージと同じタイプを使えというPanasonicからの意思表示でした。そんなつもりはなくて、無意味に重くなるので余計なものが付いていないだけだと思いますが。

 

換装できるSSDの規格は、

HDDモデル→2.5インチSSD

SSDモデル→M.2 type2280,Serial ATA(6Gb/s)タイプ

ということです。

 

そういうわけで、2.5インチ変換基板待ちの状態です。

 

1つ言い忘れていましたが、本体材料のマグネシウムの特性でしょうがLet's noteはねじが緩みやすいようです。軽く締めただけだといつの間にはねじがなくなっているなんてことになります。オークションなどを見てもねじが足りないLet's noteをちょくちょく見ますが、それが原因でしょう。ちなみに私は2本なくしました。ねじは若干強めに締めておきましょう。

 

■余談その1 Panasonicショールームでの話など

Let's noteは、比較的厚みがありますのでM.2 SSDで問題になる発熱対策としてヒートシンクが付けられそうに見えます。CF-SZ5なら2~3mmで片面なら付けられそうです。付けようかと思いましたが、Serial ATAタイプの発熱は大したことないので必要ないかと思い私は辞めました。心配でしたら考えてみても良いかもしれません。

 

これらを買うにあたり、大阪駅前のPanasonicショールームに行ってきました。CF-RZ4はもちろんありませんでしたが現行機種のCF-RZ8を触って確かめることができます。形は全く同じでした。完成度が高かったので変更する必要が無いのだそうです。裏の事情は、CF-SZ5などの12.1型が販売の6割を占め、残りは全部で4割なのでそれぞれのシリーズは1割程度のシェアでしかないため、モデルチェンジの機会が少ないらしいですけど。次回の機種がCF-RZ9になるのか私は疑問ですがどうなんでしょ?そろそろUSB3.1搭載で電源周りなどを抜本的に見直したくなる頃だと思わなくもありません。

 

CF-RZ8はもちろんPCI-EXPRESSですが、長い間M.2 SSDが低速なSerial ATAタイプだったのはコストの問題だそうです。他から聞いたところでは発熱が少ないことも加味されたようですが、CF-RZ4の当時は1000円の差では済まなかったのでしょう。

 

ちなみに、ショールームからの紹介で購入できるそうで勧められましたが、CF-RZ4でもCF-RZ8でも同じ形なら同等だろうということで、CF-RZ4のジャンク(SSDなし)を購入してしまいました(オイ!)。店頭の「CF-RZ4とCF-RZ8の比較デモ」を見なかったのか?見ましたよ。大容量ファイルのコピーが2.5倍くらい速かったです。CF-RZ4がどれくらい遅いかは後ろに続く。

 

■余談その2 レビュー

CF-SZ5のSSD化は失敗中なのでわかりません。また、CF-RZ4はもともとがSSDなしジャンクなので、元のSSDがどれほどだったかは不明です。従って換装前後の比較はできません。ですから、現在のWindows10で快適かということのみです。

 

まず、CF-RZ4ですが、速くはありません。私がここ3台くらい使ってきたのが第4世代Core iシリーズのi3,i5ノートでCF-RZ4は第5世代なので一応世代的には速いはずです。しかし、通常ノートのi3,i5は通常のクロックが2GHz以上あります。CF-RZ4は通常0.8GHz(800MHz)しかありません。クロックだけ見ればPentium3などの時代と同等です。もちろん性能がその程度ということはありませんが、SSDだからどうにかこうにかギリギリストレスを感じない程度に動くという感じです。ですから、マルチタスクをするともたつきます。ということで、SSDがネックではありませんので、STAT接続の500MB/sでも、PCI-EXPRESS接続の1500MB/sでもほとんどの場面で変わらないでしょう。PCI-EXPRESS接続の速度を求めるのなら総合的に進歩している現行機種のCF-RZ8を素直に買うべきだと思います。ただし、約20万円しますけどね。

 

長所はやはり小ささ・軽さです。薄く小さい事が相俟って、2本の指でつまんで運べます。冒頭で書いたVersaPro PC-VJ16は裏蓋がマグネシウムリチウム合金の本当にぺらぺらの板で、厚さも重さもまさに紙のようでした。2本の指でつまむと裏蓋がへこんでしまいましたが、CF-RZ4ではそんなことはありません。また、若干重めに作ってあるため丈夫です。他にも、比較的打ちやすいキーボードなど工夫が随所に見られ、抜本的なモデルチェンジの必要が無いというのは理解できます。13.3型の軽量ノート並みの重さ(約750g)で、1.2kgとかの海外製の丈夫なノート(DELLやThinkPad)並の丈夫さがありそうですので高くても売れるわけです。

 

一方、短所はダントツで液晶画面です。2014年までのタッチパネルのLet's noteは悪名高い尿液晶です。ネットの情報からわかることは、液晶とタッチパネルの隙間を埋めるアクリル樹脂が、経年劣化かバックライトかで変色して黄色くなってしまうのです。根本的な対策は液晶ユニットの交換しかないのですが、今更2万円以上費やす気にはなれません。お金の要らない対策としてはインテルグラフィックのプロパティで青を強くすることです。まだ若干色合いはおかしいですが、全体的に黄色いということは無くなります。「エンターテイメント用に使うパソコンではないからまいっか」という感じです。モノラルで申し訳程度のスピーカーしかありませんので、コンセプトからしてエンターテイメント用には不向きな機種です。タブレットになるだけあって2010年頃のLet's noteみたいに視野角は悪くないですよ。

 

次に、CF-SZ5ですが、未だHDDのままです。現在、私はこのパソコン以外にHDDのパソコンを使っていないからでしょうか。こんなに遅かったっけ?って印象です。是非ともSSDに換えねば。しかし、キーボード・液晶などはCF-RZ4よりも大きいので見やすいですし、CPUの性能もCF-RZ4とは全く違います。Panasonicのパソコンで12.1型が主力なのがよくわかります。外付けバッテリーで使用時間を延ばしたいなどと訳のわからないことをしない限りは12.1型の普通のノートパソコンタイプのLet's note方が万能で良さそうです。当然私はその「訳のわからないこと」をやろうとしているから書いているわけですが、それはまたの機会に。