今回もまた「ブルースマン達の演奏」を参考に解説して行きます。
このお二人のフレーズを参考にしたいと思います。
まずは「ジュニア・ウェルズ」です。
では解説動画をご覧下さい。
いかがでしたでしょうか?
ジュニア・ウェルズは、とにかく「むやみにハーモニカを吹かない」ハーピストです。それゆえ、ちょっとだけ流れるハーモニカソロはどれも鮮烈な印象で、「いきなり登場し、美味しいところだけを持って行く」という、非常にハーピストらしい存在と言えるでしょう。
私が観た彼のライブでも、さんざんハーモニカを空にかざし、ライトでキラキラと光らせたりするような演出を繰り返すくせに、演奏ではステージ全曲を通し、音を3つくらいしか出さなかったくらいほどの極端なもったいぶり方で、さすがはブルースマンといったステージでした。
その時は野外ステージでしたので、急な雨により足を滑らし転び、真後ろに倒れたジュニア・ウェルズは、スタッフ達に担がれて退場してしまいました。さらに、なんとそのまま次のステージのオーティス・ラッシュが登場し、何事も無かったようにクールな演奏を始めた時には、観客全員が度肝を抜かされました。
様々な意味で(ジュニア・ウェルズっぽいなぁ〜)と感じた、印象深いステージでしたね。
ちなみに映画「ブルース・ブラザーズ2000」の中で最後の露出となったジュニア・ウェルズの演奏シーンを観る事ができます。4人のハーピストを始め、多くのレジェンドクラスのブルースマンが山ほど出演していますので、ぜひご覧下さい。
さて、「ブルースハーモニカ音頭」への応用についてですが、今回は「ハーモニカを吹かない隙間」が参考になると思います。また、その隙間での「シャウト」なんかも、ブルースの演奏では効果的ですね。
また、彼はたまに「タッタカ、ラッタッタ♫」というような、トムとジェリーのようなコミカルなリズムのフレーズをいきなりはさんで来る事もあり、その部分がそこはかとなく日本風なテイストを感じさせるので、意外に音頭のリズムに合うようにも感じます。
とにかく「吹き過ぎない」のが極意ですね。
続いて「ポール・バターフィールド」です。
では解説動画をご覧下さい。
いかがでしたでしょうか?
「ポール・バターフィールド」は今でもプロアマ問わずハーピスト達の憧れの的で、私の教室でも人気があり「特別プログラム」を用意しているくらいです。
最近ではYouTubeのおかげで、無限なほど彼の演奏動画を観る事ができますが、私が彼に夢中になったばかりの頃は、「B.B.キング&フレンズ」というセッションライブでの演奏映像が、動く彼を観れる唯一のものでした。
私のハーモニカ失敗談「僕はハーモニカをポワ〜ンと鳴らす」でも書きましたが、当時はなるべくファッションだけでもバターフィールドに合わせようとして、ずいぶんと痛い思いをする事になりました。
今回はそのセッション演奏の中で実際に演奏された「ザ・スリル・イズ・ゴーン」でのハーモニカソロを参考にしています。
メロディーの難しさもありますが、とにかく深めの「スロート・ビブラート」を維持するのが最難関でしょうね。
彼のようにまではなれないまでも、このスロートビブラートがある程度できるようになって来ると、とにかくハーモニカを吹く事が楽しくて仕方がなくなって来るはずです。ちょうど演歌のこぶしのような感じで、「声が楽器を通し音になる」というような、独特な感覚が味わえると思います。
バターフィールドのフレーズをコピーするハーピストは、今も昔も多いと思いますが、ブルースセッションの現場では、意外なほどそれを応用できなかったりします。ブルースのシャッフルよりは、跳ねない感じの8ビートの方が、バターフィールドのフレーズには合うからかもしれませんが、かなりバッキングを選ぶタイプの吹き方なのかもしれませんね。
ぜひこれを機に「ブルースハーモニカ音頭」で「バターフィールド感」だけでもお楽しみいただければと思います。
ぜひ、ご自分のハーモニカでこの間奏部分のアドリブ演奏をお楽しみ下さい。
そして、もしよろしければ
#hamonicafe_one
または
#ブルースハーモニカ音頭
などのハッシュタグをつけて、X(旧Twitter)などでこのブルースの部分の演奏動画をpostしてみて下さい。私が運営する投稿専用アカウントでシェアさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
そして(もう少し詳しく、吹き方を知りたいな…)という方は、ぜひ私の「オンラインレッスンの無料体験」に、お気軽にご連絡をいただければと思います。
次回はこの「12小節のブルース部分」を、どのように吹くかを、さまざまな「ブルースマン達のフレーズ」を参考にして解説してみたいと思います。お楽しみに!!
●「ブルースハーモニカ音頭」演奏サンプル
●「ブルースハーモニカ音頭」カラオケ
●「ブルースハーモニカ音頭」カラオケ(ハーモニカ用・歌入りバージョン)