テンホールズハーモニカ奏者 広瀬哲哉のオフィシャルHPhttps://www.hamonicafe.com


とあるギタリストに出会いました。
友常正巳さんとおっしゃいます。プロですので当たり前に腕はよく、岩沢二弓さんとの相性も抜群で、横で演奏させていただいた私は、本当に良い時間を過ごしました。

問題の写真がこれ。
何気ないショットでした。
手前が私、真ん中が岩沢二弓さん、そして一番奥が友常正巳さんです。


とても、寒い日でした。
暗がりでわかりづらいかもしれませんが、友常さんの後ろの方、、、

”お判りいただだけただろうか?”

無数に広がる、雑貨の数々。。。

そう、そこは雑貨店banica。。。

フフフフ、素晴らしく良い店でした。
私も久しぶりにアン・コーデリアシャーリーに戻れた気がします。
みなさまもイベントにお買い物にどうぞ。
フフフフ。。。

さて、そんな友常さんが、クリスマスライブの楽屋裏で、とても面白い話をしてくれました。
友常さんの好きな『とあるもの』についてです。それは、聞けば聞くほど共感が出来ず、それでいて興味深く、気がつけば3本目の缶ビールをプシュっとやったところでした。
(あ、banicaさんごちそうさまでした)

それがなんなのか?はあえてはふれません。それはプライバシーですし、いろいろアレですので。
見事だったのはその語り口、とうとうと言葉が溢れ、それは時に自慢げで、そして時折、防御とも攻撃とも言えない質問調となり、謎の結論へと行き着くのです。
彼が伝えたものは『共感されづらい愛の語り方』そのものでした。

そしてその数分後、何事もなかったかのように、彼は普通の人の皮をかぶり、集う人たちみんなのクリスマスプレゼントとなりました。

そしてクリスマスが過ぎるとすぐ忘年会。
サウザリーさんという茅ヶ崎のカフェで、岩沢二弓さんのソロライブのサポートでした。こちらは茅ヶ崎では有名なカフェで、ケーキ、パスタ、どれをとっても見事です。来年は岩沢二弓さんのソロライブが定期的に行われるそうですので、是非足をお運びくださいませ!!


で、いよいよ年末になりました。
やや気の抜けた私の頭の中には、友常さんが語ったあの話がありました。
そうです、実は私にも、口に出して言いたい『共感されづらい愛』があったのです。
そしてあの日、その語り方を知ったのです。


では、万感の想いを込めて、学んだ語り方を活かしたいと思います。
そんな私の「愛」は、こちらです。
マルちゃんのミニカップラーメン4個パックです。



私の「愛」はカップラーメンではありません。こんな、しょうもない、しかも小さい。健康にも良くなさそうなのに、そこそこ値段はするし。おにぎりのお供にって、OLかっ?オマケかっ?人頼りかっ?

私はすでに友常さんから「愛の語り方」を学んだ後ですので、声高らかにそれを口にできます。
そう、私の愛は「欲しい1つと、いらない3つの、4個パック」なのです。

「3個パック」でも「5個パック」でもなく、言わんや「欲しい物だけの4個パック」でもない。
加えて、好きな物から順に食べるでも、みんなで仲良く分けて食べるでもなく、もちろんメーカーや販売店、話題性や値引きなどにも、全く興味はありません。



それを購入してから、私の脳の中で『心地よい怒り』が駆け巡るのです。

「なんでだ?。。。なんでいらんやつばっかと詰め合わせなんだっ!!これ、メーカーの会議で決めたのか?専務も悪よのう~とか言ってさ。一体いつからこんな商法がはびこってるんだ!?何がお得だよ?そもそもいらない分3個買うんだから、損だよ、大損だよ!!怒られるしね、家で。もう、こんなの買ってきちゃって、ってさ!!しかもなんだよこの並べ方、『赤いきつね』から順にさ、まずはうちの看板商品ですみたいな。続いて緑のたぬき、なんで並べんだよ、どうしてきつねVSたぬきみたいな構図にこだわるんだよ!!蕎麦屋でもうどん屋でもないんだから、カップラーメンなんだから、もっと自由でいいんだよ!!年末なら『白いたぬき』でもいいんだよ、紅白で、なんかめでたいし。なんなら『赤いたぬき』でもいいんだよ。変な冒険すんなよ、解りやすい定番商品が企業の安定を生むんだよ!!それで、次に黄色い、、、黄色いなんだよ、とんこつ博多ラーメンて?え?ブタ?黄色いブタっていうこと?きつねとたぬきと、なに?ラーメン?、って、冗談じゃないよ、バカにするなって!!しかも並べ方なにさ?赤、緑、黄色って?。。。赤、黄色、緑なら信号機だけどさ、ほんと、適当だよな。。。。。。で、激メンワンタンメン、、、うん、、いいんじゃない。激メンは。。。うん、すごく良い」

「なんだよ、マルちゃんも、なかなか解ってるよね、最後の最後で、激メンだもんな。長い振りだよね、引っ張りすぎだよ。水戸黄門なみだわ。。。こちとらそんなに暇じゃないよ、、、まぁ、今は暇だけど。この藤の色だよね、渋いよな、かっこいい。とって付けたように今更むらさきの激メンとか言わないところが奥ゆかしくていいよな、マルちゃん。もう普通のサイズで売ってないしな。ついでに、メンマ、とか変な位置にただ書いてあるところが、またいいんだよな。これってなんか、ヒーローっぽいんだよな、デザインがね、名前もだけどさ。矢印にバーコードっていうのが、また斬新な切り口だよね、よく会社で通ったよね。そうだよ、企業は冒険が大事なんだよね」

と、いう一連の流れが、私の「共感されづらい愛」なのです。
特に魅力を感じないものの一番奥に、必ず本当に欲しいものがあるのです。まぁ、そうでない場合もありますが、それが一番良いバランスなのです、私にとっては。

これから、もっとも嬉しい4日間が訪れます。
1日目、激メンを眺め、赤いきつねを食べるのです。ブツブツ文句を言いながら。
2日目、緑のたぬきを、3日目、なんだか名前も解らない黄色いやつをおつきあいで食べつつ、最後の激メンに熱い視線を送るのです。もはや最高の時とは、この3日目なのかもしれません。

そして、最後に、激メンワンタンメンを。
私の計算では大晦日です。かみさんは深夜にカップ春雨を食べますので、このプランは安心です。

この「欲しい1つと、いらない3つの、4個パック」は、なかなか伝わりずらいところがあります。
中には「じゃぁさ、激メン4個パックだったら最高だね?」なんて、愚かな意見もあるでしょう。
例えるなら、メインディッシュは「3個のいらない分をたいらげる怒り」、そして最後のデザートが「激メン」なのです。

誰にでも理解できる例が「ロボダッチ」のプラモデルです。
当時一個80円、4個パック300円でした。
誰だって「ガマロボ」が欲しいのです。ですがガマロボだけでは、売ってないのです。
子供が初めて知る社会の矛盾です。そこに立ちはだかるいらん3点、『入道ロボ』『サスケロボ』「火トンロボ」。これを忍者セットと呼んでいました。(正式にはわかりませんが)

これを買ってもらった子供のころも同じでした。
「なんだよ、まったく、、、300円も使ったら、もうしばらくなんにも買ってもらえないじゃないかよ、、、かっこ悪いよ、入道ロボなんてさ。だいたいみんなの名前も変だよ、ガマロボとセットならサスケロボっていう名前おかしいよ、鳥ロボじゃん、ワシロボとかさ。サスケは鳥に乗ってるロボの名前だよね、ならガマロボはガマに乗っているロボの方の名前だよね、やっぱ変じゃん。。。それにさ、火トンロボなんて、技の名前でしょ、火トンの術でしょう?、だったら入道ロボも怪力ロボとか金棒ロボじゃん、おかしいよ。ゴレンジャーが赤レンジャー、キザレンジャー、カレー大好きレンジャー、投げキッスレンジャー、ブーメランレンジャーみたいなことでしょう?おかしいよ、流行らないよ、呼びづらいし、まったくもう。。。」

ぶつぶつ言いながら、1日1箱ずつ、いらない順に、「ガマロボ」を見つめながら、「火トン」「入道」「サスケ」とプラモを作って行ったのでした。まぁ、少々ベタすぎのあるあるネタでしょうが、その感覚なのです。ちなみに「モグラロボ」「ライダーロボ」「レーサーロボ」「ジェットロボ」という最強4点セットになると、イマイチなのです。イマイのイマイのイマイッチなのです。今で言う、萌えないのです。

この4点セットにはこのようなポイントがあります。

・ミニサイズ等、何かの低単価版の4点詰め合わせであること。
・1つだけまるで違う、あるいは2つずつのペアなど、4点の関連性がやや薄いこと。
・欲しいものが3番目、あるいは4番目にセットされていること。
・欲しいものだけが、ややコスト高であり、単品では買えないこと。
・手に取った瞬間、すぐにイラっとくること。

以上!!ご静聴、まことにありがとうございました!!!



と、いうことで、久しぶりにどうでもいいことを書いてみました。
このような自分だけの『愛』について語れたこと、書けたことを、心から幸せに思います。

最後に、そのことに気づかせてくれたギタリスト友常正巳さんに感謝をして、友常さんがツアー帰りに立ち寄ってくれた『ー箱根甘酒茶屋劇場ー箱根八夜2015<第三夜>』オープニングから、爽やかな『箱根八里フォークアレンジ』をお届けいたします。


会場で偶然に撮られたラトゥールの宗教画のような奇跡の一枚。
そういえば、友常さんって、ほのかに神の使いのあの方っぽいなぁ。。。