U17
「本当に良いの?・・・それで大丈夫なの?」
妻は、不安そうに何度もそう聞いた。
「大丈夫!・・・だって、ショート1本で受けなきゃ、何が理由で受かったか分からないじゃんか!」
確かに、次男の言う通りだと思った。
U17 BC SELECT(17歳以下のブリティッシュコロンビア州・選抜メンバー)を選ぶトライアウトに、次男はそう言ってショートのポジション1本で参加した。
妻は、不安そうに何度もそう聞いた。
「大丈夫!・・・だって、ショート1本で受けなきゃ、何が理由で受かったか分からないじゃんか!」
確かに、次男の言う通りだと思った。
U17 BC SELECT(17歳以下のブリティッシュコロンビア州・選抜メンバー)を選ぶトライアウトに、次男はそう言ってショートのポジション1本で参加した。
彼は既に昨年、一昨年と2年続けて州代表チームに選ばれて来た、だがそれはショートではなくキャッチャーとしての彼を評価されてのもの。キャッチングやブロッキング技術も当然必要なのだが、彼はべらぼうにポップタイムが速く、盗塁阻止能力を買われて去年のトライアウト時は「受かって当然」という雰囲気で参加していた。
だが今年は今までの実績を全部捨ててショート1本で受けると言う。
「とりあえずトライアウトの時は、ショートとキャッチャー両方受けとけば?・・・いろんなスカウトさんがキャッチャーとして高評価してくれてるんだから、きっとその方が受かる確率が高くなるんじゃない・・・」
・・・と、妻が不安げに何度も聞くのも当然だった。
U17に選ばれると言う事は、州の高校生最強メンバーを作りカナダのナンバー1を決めるCANADA CUP出場の権利を得ると言う事。(規模は小さいが日本的に言えば甲子園の夏の大会のようなものか?)
そして・・・
ここに選ばれなければ、その更に先に待つ年齢や国を超えての大きな大会へ選ばれる事も無くなってしまう。カナダやアメリカの大学のスカウトさんも注目する大会に出るか出ないかで今後の進学等も大きく変わり、大袈裟に言えば彼の将来その物が大きく変わる可能性だってある。普通に考えれば、いや誰がどう考えても合格確率の高いキャッチャーもトライしておけば良さそうなものなのだが・・・
「ショート1本で受けなきゃ、何が理由で受かったか分からないじゃんか!」と次男。
確かにその通りだと思った。
つい、親は将来の進路とか、少しでも良い条件の大学とか、いろいろ心配してしまうが、そんな事はきっと彼には関係無いのだろう。
ただ、純粋に自分の一番好きなポジションに挑戦して、そこで自分の実力が通用するのかどうかを試したい、上のレベルに行けるのかどうかを評価して欲しい・・・それだけなのだ。
僕は、良い意味で「こいつは今も野球小僧のままなんだ」と思った。
そんな彼の気持ちに監督も応えてくれた。
今春、リーグ戦が開始すると、次男をショート1本に固定してくれた。
他のポジションが数人で交代したり、控えの選手がいて時々レギュラーを休憩させたりしても、「お前は全試合、全イニング出続けろ・・・内野に飛んで来たボールは全部自分で捕るつもりで守れ」と、無茶苦茶な指令の元、水を得た魚のようにグラウンドを駆け回っていた。
そして7月後半、シーズンの全成績を見てみると彼は一つの守備位置だけで出場が300イニングを超えていた。これは300人ほどいるリーグの全選手の中でたった4人だけしか達成していない数字で、いかにショートとして試合に出続けたかがよく分かる。
更に細かく見ると、ショートの守備機会数、守備率、刺殺数、全てリーグで1位になっていた・・・これは、どれだけ広範囲を走り回ってボールをもぎ取り、それを確実にアウトにしたかの証だと言える。
試合の後、駐車場へと歩いていると、一人の男が話しかけて来た。
振り向くと、そこには球場のアナウンス担当の方がいた。
「いや~、陽介は良いよ・・・僕は、ここの球場で全試合のアナウンスをして、全チームを見て来たけど、陽介はリーグで一番のショート・ストップだよ・・・間違いない」
親ばかだが、実は僕もそう思った。
ただ・・・
だが今年は今までの実績を全部捨ててショート1本で受けると言う。
「とりあえずトライアウトの時は、ショートとキャッチャー両方受けとけば?・・・いろんなスカウトさんがキャッチャーとして高評価してくれてるんだから、きっとその方が受かる確率が高くなるんじゃない・・・」
・・・と、妻が不安げに何度も聞くのも当然だった。
U17に選ばれると言う事は、州の高校生最強メンバーを作りカナダのナンバー1を決めるCANADA CUP出場の権利を得ると言う事。(規模は小さいが日本的に言えば甲子園の夏の大会のようなものか?)
そして・・・
ここに選ばれなければ、その更に先に待つ年齢や国を超えての大きな大会へ選ばれる事も無くなってしまう。カナダやアメリカの大学のスカウトさんも注目する大会に出るか出ないかで今後の進学等も大きく変わり、大袈裟に言えば彼の将来その物が大きく変わる可能性だってある。普通に考えれば、いや誰がどう考えても合格確率の高いキャッチャーもトライしておけば良さそうなものなのだが・・・
「ショート1本で受けなきゃ、何が理由で受かったか分からないじゃんか!」と次男。
確かにその通りだと思った。
つい、親は将来の進路とか、少しでも良い条件の大学とか、いろいろ心配してしまうが、そんな事はきっと彼には関係無いのだろう。
ただ、純粋に自分の一番好きなポジションに挑戦して、そこで自分の実力が通用するのかどうかを試したい、上のレベルに行けるのかどうかを評価して欲しい・・・それだけなのだ。
僕は、良い意味で「こいつは今も野球小僧のままなんだ」と思った。
そんな彼の気持ちに監督も応えてくれた。
今春、リーグ戦が開始すると、次男をショート1本に固定してくれた。
他のポジションが数人で交代したり、控えの選手がいて時々レギュラーを休憩させたりしても、「お前は全試合、全イニング出続けろ・・・内野に飛んで来たボールは全部自分で捕るつもりで守れ」と、無茶苦茶な指令の元、水を得た魚のようにグラウンドを駆け回っていた。
そして7月後半、シーズンの全成績を見てみると彼は一つの守備位置だけで出場が300イニングを超えていた。これは300人ほどいるリーグの全選手の中でたった4人だけしか達成していない数字で、いかにショートとして試合に出続けたかがよく分かる。
更に細かく見ると、ショートの守備機会数、守備率、刺殺数、全てリーグで1位になっていた・・・これは、どれだけ広範囲を走り回ってボールをもぎ取り、それを確実にアウトにしたかの証だと言える。
試合の後、駐車場へと歩いていると、一人の男が話しかけて来た。
振り向くと、そこには球場のアナウンス担当の方がいた。
「いや~、陽介は良いよ・・・僕は、ここの球場で全試合のアナウンスをして、全チームを見て来たけど、陽介はリーグで一番のショート・ストップだよ・・・間違いない」
親ばかだが、実は僕もそう思った。
ただ・・・
それは守備は一番上手いと思っただけで、選抜メンバーに選ばれるかどうかは全く別の問題だとも思った。
なぜなら・・・・彼は打てなくなっていた!
シーズン途中から打率が低迷したまま上昇しない。
ただし、出塁率は高く、出れば走り回って得点に絡む。そして守備で相手に得点を与えない・・・これらがどう評価されるのか?
まわりにいるのはバカでかいパワーヒッターばかり、超攻撃型のチーム編成をするなら、彼はきっと見劣りするだろう。
ただし、出塁率は高く、出れば走り回って得点に絡む。そして守備で相手に得点を与えない・・・これらがどう評価されるのか?
まわりにいるのはバカでかいパワーヒッターばかり、超攻撃型のチーム編成をするなら、彼はきっと見劣りするだろう。
去年とは違い、この先どうなるのか全く分からず、不安なまま最終のトライアウトキャンプの日を迎えた。
春から各地で行われたトライアウトは、7月に入り既に最終候補の48人に絞り込まれ、更にこの3日間のキャンプでU17メンバー20人が選ばれるという、かなりの狭き門である。
しかも、カナダカップは5日間で8試合以上戦うハードスケジュール。20人と言ってもその内の8~9人はピッチャーになる可能性が高く、それ以外のポジションにはほとんど余裕が無い。言い換えれば「期間中、そのポジションは全てお前に任せる」と言うくらい信用してもらわなければ選ばれないという事だ。
トライアウトキャンプの3日間で、僕が観に行けるのは最初の1日だけ、後半の2日は仕事で観に行けない。
「たとえ1日だけでも、じっくり自分の眼で見るぞ!」と真夏の炎天下たっぷり7時間、初日のトライアウトを観て、そして・・・
「たとえ1日だけでも、じっくり自分の眼で見るぞ!」と真夏の炎天下たっぷり7時間、初日のトライアウトを観て、そして・・・
「あれっ?」と思った。
「あれっ?・・・これって、行けるんじゃないか?」と。
はっきり言ってここに残っているメンバーに下手な子はいない。それでも、「もし守り重視のチームを作るなら絶対に彼は落とされない」と僕は確信した。
それほど内野手としては飛び抜けてると思えた。
それまで絶対有利だと思っていたキャッチャーを辞めてまでトライしたショートのポジション。でも今、彼はショートのポジションでも絶対有利な位置にいると、そう思えたのだ。
それから1週間・・・
昨日、カナダ・カップへ出場するU17最終メンバーが発表され、我が家の次男も20人のリストに入っていた。
だが・・・
前日まで「発表が楽しみだね~」と連絡を取り合っていたS君はそこにはいなかった。
昨日が誕生日で「受かってたら良いプレゼントになるね」と言っていたK君もいない。
小さい頃、勝手に目標に設定して、いつか追い越したいと思っていたH君も・・・
昨日が誕生日で「受かってたら良いプレゼントになるね」と言っていたK君もいない。
小さい頃、勝手に目標に設定して、いつか追い越したいと思っていたH君も・・・
どれだけ狭き門をこじ開けたのか、彼は理解出来てるのだろうか?
家に帰る車の中で、僕は次男が座る助手席へ手を伸ばした。
「お前・・・凄いな・・・」
彼はグッと手を握り返し、照れくさそうに「えへへっ」と笑った。
これが母親であれば、思い切りハグしてキャーキャーワーワー大騒ぎして大袈裟に喜んであげれるのだろうが、オヤジと高校生の坊主では、まあこんなものだ・・・
「本当にショート1本で受かっちまったな・・・」と僕が言うと、今度はさっきより少し大きく「でへへっ」と笑った。
ウエブ上には、48人の中から4人だけをリストアップし、トップパフォーマーとして記事をアップしてくれていて、ありがたい事に、その中の一人にも選ばれていた。
Yosuke Fujie (Fraser Valley Cardinals)
Fugie is a polished and instinctive middle-infielder. His excellent footwork and quick hands make up for an average arm across the diamond. Though small in stature, (5’8” 155lbs), Fugie can hold his own at the plate, showing gap to gap potential and plus speed out of the box
Fugie is a polished and instinctive middle-infielder. His excellent footwork and quick hands make up for an average arm across the diamond. Though small in stature, (5’8” 155lbs), Fugie can hold his own at the plate, showing gap to gap potential and plus speed out of the box
・・・って、また名前間違われてスペルがfugieになってるし(苦笑)、文章も《instinctive》って・・・(笑)。
instinctiveと言うのは、直感的とか本能的とか・・・日本的に言えば《野生の勘を持つ選手》って奴でしょうか?・・・それとも、やっぱり《野生のサルのような》って意味でしょうかね(笑)。
とりあえず・・・おめでとう。
つづき・・・が
「じゃあ、行ってくるね・・・」と笑顔で車を降りて行った長男の顔が、ほんの少しだけ成長しているような気がしました。
先日、《一年遅れで高校野球を卒業した》と長男の話題を書いたのですが、実は続きがありました・・・
(この件を知りたい方は7月2日の書き込みを先にお読みください)
「コウダイ、このチームに来てくれて、ありがとう」と監督から手渡されたサイン入りのボール。
「僕もこのチームで野球を出来て楽しかったです、呼んでくれてありがとうございます」と、長男。
そこでこの話は終わるはずだったのですが・・・
実は、その言葉の後、長男はこう付け加えていたのです。
「選手は終わりですが、コーチをさせてもらえませんか?・・・守備練習のノック打ちでも、打撃練習のバッティングピッチャーでも何でもやります」と。
このチームの監督やコーチ、良い人なのですがあまり上手くないのです(苦笑)。
ノックを打つのも、打撃投手も一生懸命やってくれるのですが、選手側からすると「もうちょっと良い球投げて欲しいな~」とずっと思っていたらしく、自分が選手として出場出来なくなった今、後輩の為に投げたいと思ったのだそうです。(まあ、ほんとは自分がピッチャーしたかっただけかも知れませんが…笑)
そんな訳で、昨日はコーチ業スタートの日
本当はちゃんとやれるのかグラウンド横に張り付いてじーっと見たかったのですが・・・やめておきました。
もう彼は一人の大人として、自分で交渉して、自分でコーチの役目を取って来たのです。
見つからないように遠くの方の駐車場に止めた車の中から、こっそり短時間だけ見ましたが、もう彼に父ちゃんは必要ありません。
全く身内がいないカナダに妻と二人で移住して、いつか僕達が先に旅立った後、彼らは自分達の力で世界を広げ、家族を作り、ここで逞しく生きて行かなければいけないのです。
地元チームのお手伝いを始めた・・・たったそれだけのほんの小さな出来事なんですが、なんかとっても大きな意味があるような気がして・・・
ちょっとだけ頼もしく思えた昨日でした。
ありがとう
「はぁ〜すっきりした」
清々しい笑顔を浮かべ長男がそう言った。
昨日7月1日はカナダの建国記念日カナダデー。
でも・・・
僕は少し寂しい思いで今年の7月1日を迎えていた。
我が家の長男は現在大学一年生、本来であれば彼の高校野球は昨年の夏に終わっていた・・・
・・・はずだった
しかし、今年ももう直ぐ野球シーズンが始まるな~という3月末、突然届いた1通のメールで我が家の生活は一変した・・・いや、正確には我が家の生活は例年通りに逆戻りした。
「開幕直前で申し訳ないが・・・コウダイ、うちのチームに入ってくれないか?」
驚いた事にそれは地元の野球チームからのお誘いだった。
とは言っても彼は大学生、本当に高校生の中に入ってプレーをしても良いのだろうかと思ったら、やはりそこには色々な制限があるようで・・・
まず、昨年卒業した現在18歳の子がオーバー・エイジ枠として1チームに2名までプレーできるらしい。
ただし、試合には出れるがピッチャーは出来ない。
ただし、試合には出れるがピッチャーは出来ない。
そして、出場出来るのは7月に夏の州大会予選が始まるまでの春のリーグ戦のみ。
大好きなピッチャーが出来ない事をかなり残念がってはいたが、野球がしたくてうずうずしていた長男は迷う事なく二つ返事で了承した。
親にとってもこの話は大歓迎だった。
頭ではわかっていても、まだ長男が「野球をしない春」という物にどうも体が上手く反応できず、実は親の方もうずうずしていたのだ。
頭ではわかっていても、まだ長男が「野球をしない春」という物にどうも体が上手く反応できず、実は親の方もうずうずしていたのだ。
早速、開幕直前の練習に参加する事になった長男。そこでバッティングピッチャーをしている姿を僕は少し複座な気持ちで見守っていた。そして帰りの車中、僕は長男にむかってこんな話をした・・・
「なあ宏大、やっぱりあのルールは正しいよな・・・」
「ん?・・・ルール?」
「ん?・・・ルール?」
「ピッチャーやりたい気持ちは分かるけど、お前が投げたら今年高校生になったばかりの子なんて全然かすりもしないもんな、やっぱりあの子達にとって大学生の球は凄いんだろうな・・・」
「うん、バッティング練習なのに全然まともに打たれなかったもんね」
「だろ・・・今年はピッチャー以外のポジションで皆を引っ張ってあげれば良いじゃん」
「うん、そうだね・・・他でがんばるよ」
「うん、そうだね・・・他でがんばるよ」
気のせいか、長男の顔が少し明るくなったように思えた。
こういう時、「なんだよあのルール、誰が決めたんだよ、ばかじゃねーか」何て事を親が最初に口走ってしまうと、子供も釣られて誰かのせいにする癖が付く。困った時に自分ではなく責任転嫁する相手を見つけて攻撃をするようになってしまう。
かと言って「あ~ぁ、つまんねーな、ピッチャー出来ないのか」何て事を言うと、今度は全部ネガティブに捉えて子供のやる気を削いでしまう。
こういう時は子供の実力を認めてあげつつ、彼らのプライドを保ったまま別の方向性をさりげなく伝えてあげるのが、一番子供自身が気持ちを切り替えて、また新たな気持ちでやる気になるような気がする。
まあ、少しズルいかも知れないが、さすがに男の子の父親を18年もやっているとこの手の話のツボ、やる気スイッチが何処にあるのかは少しは理解しているのだ。
そんな訳で、目標も決まり、やる気満々で迎えた今度こそ最後の高校野球(?)
ラッキーな事に、監督やコーチも凄く良い人に恵まれた。
ただ・・・はっきり言って彼ら、野球は上手くない(苦笑)。
上手くはないが、彼らはひいきせずに一生懸命子供達を平等に扱い、そして・・・
頑張った子には「ありがとう」と言ってくれる。
子供に素直に「ありがとう」と言えるコーチがどれくらいいるだろう?
「コウダイ、このチームに来てくれて、ありがとう」
「一年生はコントロールが悪いから、受けるキャッチャー大変だろ?暑いのにありがとうな」
「ショートにコウダイが入ってくれると試合がピシッと締まるな・・・ありがとう」
「一年生はコントロールが悪いから、受けるキャッチャー大変だろ?暑いのにありがとうな」
「ショートにコウダイが入ってくれると試合がピシッと締まるな・・・ありがとう」
こういう誉め言葉に・・・長男は弱い。
いやっ、きっと皆そうだと思う。
これくらいの歳の男の子は皆、自分の存在を認めてもらいたいと思い続けてる。いつも何かを探してもがいてるはずだ。
これくらいの歳の男の子は皆、自分の存在を認めてもらいたいと思い続けてる。いつも何かを探してもがいてるはずだ。
そして僕達が、この「ありがとう」を凄く嬉しく思う大きな理由がもう一つあった・・・
実は、最後の年になるはずだった昨年、彼は不完全燃焼のまま一度高校野球の幕を降ろしていた。
夏の州大会を前に、隣町と合同チームを作る事になったのだが、最初の話では2チーム対等合併のはずが、なぜかいつの間にか吸収合併のような形になってしまい、気が付けば隣町の監督、コーチ、選手が中心になって、長男のいたチームの子達は苦しい立場に追いやられてしまったのだ。
最後の夏
思い切り悔いなく終わりたかった夏
実力で負けているなら諦めもつくが、
不可解な采配、なかなか巡って来ないチャンス
不可解な采配、なかなか巡って来ないチャンス
焦り、苛立ち、積もって行く不満
そして、気が付けば・・・
いつの間にか何となく夏が終わってしまい
いつの間にか何となく夏が終わってしまい
そこからずっとくすぶり続けていた何か・・・
それを、あの1通のメールが救ってくれたのだ。
「もう一度、野球が出来る」
それだけで十分だった。
もう、楽しくて仕方がないのが彼の全身から溢れていた。
「お前は小鹿かっ?」と、突っ込みたくなるほど飛び跳ねるように一番にグラウンドに駆けて行く。
後輩達がミスしても全力でカバーに回り、真っ先に声を掛けに行く
シーズン後半、コーチが僕の所に来て、こんな話しを始めた・・・
「コウダイがこのチームに来てくれて本当に良かったよ・・・野球の事だけじゃないんだ、彼はグラウンドでもベンチの中でもいつも後輩達にとってとても良いお手本になってくれた。いつも先頭に立って皆を引っ張ってくれた。彼が来てくれて本当に良かったよ」
僕はこの言葉が本当に嬉しかった・・・
野球を始めた1年目から、いつもチームの中心選手で「あいつは上手い、あいつは凄い」と言われ、トーナメントの度にMVPをもらってきたのは・・・・次男。
だが、長男の1年目はその真逆だった。
野球を始めるのが他の子達に比べて遅かった事もあり周りの子達になかなか付いて行けず、初戦でいきなりデッドボールを当てられ、後はもう怖くて辛い思いだけで乗り切った最初の1年。
僕は正直、2年目が無い事を覚悟していた・・・
だが、そこから彼の逆襲がこっそりと始まった。
彼は、毎日、毎日中学にグローブとボールを持って行き、昼休みの時間誰とも遊ばずに必ず壁に向かってピッチング練習を続けた・・・たった一人で、一日も休まずに。
彼がボールを当てる部分だけが、壁に汚れやコケなどが付かないストライクゾーンが出来、いつしか彼はベースボールキッドと呼ばれ学校の有名人になっていた。
そして向かえた2年目のシーズン。
こっそり壁投げを続けていた事なんて、監督も僕も知らないのでその大変身に驚いた。だが一番驚いたのは、きっと長男自身だったのだろう。彼はそこから野球がどんどん好きになり、とうとう高校卒業の年まで「辞めたい」とは言わなかった。
気が付けば彼は、試合後半の大事な場面を任される抑え投手、クローザーになっていた。
思い切り弾けてすっきり終わらせたかった最後の夏が、すっきりしないまま終わった昨年。
心のどこかで引きずっていた何かを
「ありがとう」の言葉が救ってくれた。
6月で春のリーグ戦は全て終わり、7月から長男はもう試合に出る事は無い。
それは監督、コーチ、選手、皆のサインが入ったサンキューボールだった。
「コウダイ、このチームに来てくれて・・・ありがとう」
帰りの車の中、長男は言った・・・
「短かったけど、参加して本当に良かった・・・はぁ~すっきりした!!」
彼の顔は清々しかった。
「短かったけど、参加して本当に良かった・・・はぁ~すっきりした!!」
彼の顔は清々しかった。
僕の心を1年覆っていた雲も晴れた気がした。
もし、彼が野球を始めていなければ・・・
きっと弟が後を追って野球を始める事もなかったかもしれない
僕がカナダで少年野球の監督やコーチをするなんて想像もしなかった
野球をあまり知らなかった妻が、必死で勉強してスコアブックを付ける事も
毎週、毎週お弁当いっぱい作って遠征に出かける事も
我が家の生活その物が、大きく変わっていたかもしれない。
宏大、野球を始めてくれて、ありがとう
僕達に野球少年の親の楽しさを教えてくれて、ありがとう
皆の良いお手本になってくれて、ありがとう
最後まで諦めずに続けてくれて、ありがとう
いっぱい、いっぱいのありがとうを君に送りたい。
ありがとう・・・おつかれさま。
PS・・・野球が終わっても、世の中楽しい事がい~っぱいあるからさ、どんどんいろんな世界に飛び込みなさい!
ブーブーブー
ふざけるなー!俺も救急隊員とちゃうわい、ぼけっ!
・・・と大阪弁で怒鳴りつけれたらどんなに楽だったか。
でもここはカナダ、たとえ僕がへったくそな英語しか話せなくても、英語で言うしかありません。
事が起きたのは時間潰しをしていたショッピングセンターの駐車場での事。
ブーブー・・・・ブーブー・・・
何処からともなく聞こえるクラクションの音
平日の午前とは言う物の、駐車場にはかなりの車が既に止まっていて、更に後から後から入れ替わりが途切れる事はありませんでした。まあ、その中には気の短い奴もいるだろうし、クラクションくらい聞こえて来てもどうって事はないのですが、なぜか僕はその音が凄く気になったのです。
なぜなら、その音が明らかに苛立っているように聞こえたから。
ブーブーブー・・・・ブーブーブーブー・・・
そしてその音は、どんどん酷くなっているような気がしました。
「もっ、もしかして・・・」
そう、毎年のように繰り返されるあの事故が頭をよぎったのです。
運転手が車を離れてる間に、幼児やペットが車の中で熱中症で死ぬ…と言う、例の事故。
運転手が車を離れてる間に、幼児やペットが車の中で熱中症で死ぬ…と言う、例の事故。
僕は車を降りて駐車場を歩き始めました。でも、困った事にクラクションは数回なっては静まり、またしばらくすると鳴り始めるので、この辺りだろうと予測はしてもなかなかこの車という限定が出来ません。
・・・と、そこにまたブーブーブーとクラクションの音。
もうその時点で僕は確信していました、この鳴らし方はペットではなく子供が助けを呼んでるんだと。
「締め切った窓、締め切った窓・・子供、子供・・・」
でも、それらしき車は見当たらず、通り過ぎようとした瞬間直ぐ後ろの車からブーブーブーブーと音が響いて来ました。
急いで振り返ったそこにいたのは・・・
助手席に座る高齢の女性でした。
助手席側の窓は全開です、これなら熱中症の心配も無さそうです。
僕の予想は完全に外れていました。
「大人が鳴らしてるのなら大丈夫だろう」と通り過ぎかけると、またもやブーブーブーとクラクションの音が背中を追いかけて来ます。僕はちょっと迷いましたが、その女性の所に行きました。
「どうかしましたか?・・・何か助けがいりますか?」
いくら英語が下手でもそれくらいは聞けます(苦笑)。
でも、その女性は大丈夫、大丈夫というようなジェスチャーをしながら何かを言いましたが、小声で上手く聞き取れません。
とりあえず本人が大丈夫と言う以上、僕が無理やり何かをする訳にもいかず、でも気になるので少し離れた車の陰から見る事にすると・・・また
ブーブーブー・・・ブーブーブーブー
僕は急いでもう一度その車に戻り、今度はいきなり助手席に顔を突っ込んで「本当に大丈夫なんですか?」と聞いた瞬間、彼女の足元に大きな酸素ボンベがあるのが目に飛び込んできました。
そう、その女性はそのボンベから伸びたチューブを両方の鼻に入れ、酸素を吸入しながらここまで来ていたのです。
ここでやっとその女性が話してくれました。
「酸素ボンベがもう残り少ないのに、息子が買い物に行ったまま戻って来ないんだよ」
その声はボンベが空になる事への恐怖からか怯えているように聞こえました。そしてあのクラクションは彼女がパニックに陥る寸前の助けだったのです。
「酸素ボンベがもう残り少ないのに、息子が買い物に行ったまま戻って来ないんだよ」
その声はボンベが空になる事への恐怖からか怯えているように聞こえました。そしてあのクラクションは彼女がパニックに陥る寸前の助けだったのです。
どうすれば良いのか?
良いアイデアが浮かびません。
まさかこの高齢の女性を抱えたまま店内を歩き回るなんて事はとても出来そうにもありません。
「おばあちゃん、息子さんの名前は?」と訊くと、小さな声で「サム」と返事してくれました。
「サム?・・・サム何て言うの?」
「サムだよ・・・ただのサムだよ」
「サムだよ・・・ただのサムだよ」
「えっ、多田野サムさん?」って、そんなつまらんボケを言ってる暇も無りません。
本当はフルネームを聞きたかったのに、これ以上何度も聞いても時間がかかりそうなので、それだけ聞いて店へと向かいました。
「それにしても、いったい何をやっとるんじゃ、馬鹿サム!」
無意識に呟く言葉は、カナダに長年住んでても怒ると大阪弁に戻ります。
無意識に呟く言葉は、カナダに長年住んでても怒ると大阪弁に戻ります。
とりあえずカスタマーサービスで呼び出しの放送をしてもらうしかないのだろうか?いろいろ考えながら店に入ると、直ぐ入り口に一人の男性がいました。入出店時の顧客対応をする方です。
「あっ、この人に頼もう」
瞬間的にそう思いました。長いカスタマーサービスの列になど並んでいられません。
瞬間的にそう思いました。長いカスタマーサービスの列になど並んでいられません。
「すみません、車の中に高齢の女性が1人で乗ってるのを見つけたのですが、その方が使ってる酸素ボンベが残り少なくて、パニックになってて、クラクション鳴らし続けてて・・・」
・・・と言ってる僕の言葉もかなりパニクっていたのかどうか、その男性になかなかうまく伝わりません。
「いや、だから、酸素ボンベが残り少なくなってて・・・」
ですが、その男性は面倒くさそうにこう言ったのです
「私に言われても困る・・・酸素ボンベが要るなら向こうのメディカルセンターに言ってくれ」と。
「はぁ?」僕はここで軽くプチ切れました。
「酸素ボンベが欲しいなんて言うとらんわいっ、車の中に一人でばあちゃんが座っとんのじゃ」
・・・と、もちろん大阪弁では言ってませんが(笑)
「酸素ボンベが欲しいなんて言うとらんわいっ、車の中に一人でばあちゃんが座っとんのじゃ」
・・・と、もちろん大阪弁では言ってませんが(笑)
するとその男性、今度は逆切れして
「私は救急隊員じゃない、そんな事言われても困る」
「私は救急隊員じゃない、そんな事言われても困る」
・・・と、ここでお上品な僕も完全ぶち切れモードに突入です。
「ふざけるなー、俺かて救急隊員とちゃうわい、駐車場でばあさん死にかけてんの見殺しにすんのんかいっ」
・・・いや、もちろん大阪弁ではありません。
・・・いや、もちろん大阪弁ではありません。
当然ですが、店先で大声出して叫んでるので他の客や店員が驚いてこちらを見ます。
「もうええ、お前には頼まんわいっ!」
「もうええ、お前には頼まんわいっ!」
僕が怒って行きかけたからなのか、周りの視線に気が付いたのか、その男性が後ろから追いかけて来ました。
「分かりました、私も一緒に行きます」
「当たり前じゃ、最初からそう言わんかい、ぼけっ」と・・・これは心の中だけで叫びました。
「分かりました、私も一緒に行きます」
「当たり前じゃ、最初からそう言わんかい、ぼけっ」と・・・これは心の中だけで叫びました。
外に出ると、駐車場の警備員らしき人も集まってくれ、おばあちゃんの待つ車へと・・・
車へと・・・・
くるま・・・へっと
くっ・・・くっ・・・
くそ~・・・車いてへんやんっ!
その時、丁度おばあちゃんの乗った車が駐車場を出て行くのが見えました。
さっき僕が怒鳴っている時、両手いっぱいの荷物を持って後ろを出て行った男、あれがきっと馬鹿サムだったのです。
さっき僕が怒鳴っている時、両手いっぱいの荷物を持って後ろを出て行った男、あれがきっと馬鹿サムだったのです。
駐車場の警備員さんにもう一度説明して、お礼を言って帰ろうとすると、今度は向こうから「知らせてくれてありがとうございました」とお礼を言われました。
何だか力が抜けました・・・僕の頭の中には、もう明日の朝刊の見出しがチラチラし始めて
「ショッピングセンターの駐車場で置き去りにされた老人が死亡、周りの客は見て見ぬふり」とか何とかかんとか・・・見えてました、はっきりと(苦笑)。
「ショッピングセンターの駐車場で置き去りにされた老人が死亡、周りの客は見て見ぬふり」とか何とかかんとか・・・見えてました、はっきりと(苦笑)。
今回の件で改めて感じた事があります。
語学力はとても大事、でももっと大事なのは絶対に何かを伝えようとする気持ちなんだと。
僕は英語のえの字も出来ないような状態の時から、取材旅行と言う名の行き当たりばっ旅を繰り返して来ました。
刺されそうになった事、黒人グループに工事現場に引き込まれそうになった事、死にかけた事が何度もあります。
バスが来ない、飛行機飛ばない、ホテルが無い、泣きたい事なんて数えたらきりがありません。
でも、まだちゃんと生きてます。
世の中には計算が苦手な人、スポーツが苦手な人、読み書きが苦手な人、いろんな人がいます。僕は英語が苦手です。努力とか何とかではなく、僕の身体はきっと英語を受け付けないのだと最近そう思うようになりました。
もちろん毎日の生活に英語は必要なのですが、努力したからと言って皆が皆イチロー選手になれないのと同じだと思うのです。
出来ない物をどうこう言って嘆くより、出来る事を工夫する事の方がずっと大事かな・・・っと思うのです。
まあ、それを言い訳にして勉強サボってるだけと言われればそれまでですが、とりあえず英会話の上達は諦めて、ええ会話が出来るように努力いたします。
では、では、お後がよろしいようで・・・
変態?
「・・・そう言う藤江さんも相当変態ですやん」
僕に向かって友人がそう言った。
・・・と言ってもヤバい話をしていた訳でも、変な性癖自慢をしていた訳でもない(笑)。
誤解の無いように書いておくと、友人が僕に言った変態とは「野球変態」の意味。
変態と言う言葉にはかなり抵抗があるが、まあ変人である事は確かだと思う(笑)。
例えば昨日の次男の試合・・・
気温31度、体感気温35度の予報だったが、グラウンド周辺は風無し日陰無し、強烈な日差しで実際の体感気温は更にずっと高かったはず。こんな日の試合開始2時間も前に選手のウォーミングアップから真剣に観てる親は・・・当然僕一人(笑)。
しかも打撃練習中はここ、守備練習が始まるとこことビデオ片手に移動する。その上、実際の試合開始時間になると他の親や関係者が座る自軍の応援席側に座る事はまず滅多に無い。
通常はバックネット裏、そこから何か気になる事がある度にウロウロ撮影に出かけて行く。
例えば・・・
右ピッチャーの癖と1塁ランナーのスタートのタイミングが観たいと思えば、両者が1フレームに収まる三塁後方へ。
一塁ランナーのスタートとキャッチャーの送球動作に入るタイミングが観たいと思えば、ホームと一塁の延長線上へ。
打者と三塁コーチを1フレームで観察したら、結構相手チームのサインが分かったりもする。
そんな具合でウロウロするので、気が付けば相手側の応援席に座ってたりもするし(苦笑)、ランニングフォームや素振りなんかをじーっと見てると調子の良し悪しでユニフォームに出来るシワの位置が違う事に気づいたりもする・・・って、これはやはり他人から見たらもう立派な《野球変態》なのかもしれない(笑)。
当然ながら僕はプロの野球のコーチという訳ではないが、長年写真の仕事をしてきた仕事柄ちょっとした人の仕草や表情の変化、目線の動きなんかを見る癖が染みついている。・・・そして、とてもよくそれを記憶している。
人の名前も職業も全然興味無いので、相手の情報をほとんど覚えてないのだが、映像だけはなぜかとっても良く覚えている。
(だから困るのだが、『いや~お久しぶりです』なんて言いながら話はしてても、顔は覚えてるが名前は全然覚えてない)
とにかく・・・
そんな訳で(?)、しばらくスランプに陥っていた次男を連れて先週末近くのスポーツパークへ行き、前後横と3方向からビデオを撮り、それを自宅で解析を始めた。
多くの親御さんが子供のビデオを撮って残していると思うが、そのまま撮りっぱなしになっている方が多いのではないだろうか?でも、僕はこのビデオを見るのが大好きで、何度も見返す・・・しつこい程に。やっぱり変態か?(笑)
そして気が付いた点があれば、そこから過去の調子の良かったビデオに遡って見比べてみる。今シーズンが始まる前のビデオ、昨年、中学時代、小学生時代・・・どこにどんなビデオがあるのか頭の中に入っているので、それらと見比べると、これが結構面白い事に気付くのだ。
今だけの話ではなく、過去に戻って「どうしてこの時はこんなに小さくてパワーも無いのに、簡単に遠くへ飛ばせたんだろう」と言うようなその時点では気付かなかった疑問が沸いてきたりもする。その疑問と今現在の疑問を掛け合わせて、もう一度ビデオを見返すと、意外に答えが見つかったりするのだ。
「こことここが、こうなって、こういう状態だから打てないんじゃないか、良い時はこうなって、ああなって・・・」(細かく書くと長いので省略で・・・ははは)
ここで僕が凄いなと思ったのは、それを聞いた次男が直ぐにバットを持って表に飛び出し、何時間も汗だくになって素振りを続け・・・なんて事は一切せず(苦笑)、しばらく腕組みをしたままブツブツ言うと、いきなり立ち上がって部屋の中でバットを持ってるつもりで素振りのふりをほんの数回だけして・・・
「うん、わかった・・・・もう大丈夫」
『えっ~、それ絶対分かって無いやろ?絶対大丈夫とちゃうやつやん』と心の中で突っ込みましたが、僕に出来るのはここまで、これ以上無理に親が強制して『ほんまに分かってんのか!ちゃんと素振りやらんかい!』と言ったところで逆効果。
そこから・・・じっと我慢の数日間。
そして迎えた昨日の試合。
野球変態は、クソ暑いのに試合前の練習から見ていると・・・
「おっ、素振りのフォームが先週と全然違う!・・・これは期待できるかも」
3番ショートで先発出場。
チームで唯一公式戦全イニングで使い続けてくれてる監督の為にも、そろそろ打てよ~と思っていると・・・
4打数4安打
僕は、打者がヒットを打つか打たないかはほとんど偶然の運だけだと思っています。
どんなに良い当たりでも野手の正面になる時もあれば、ボテボテのピッチャーゴロが内野安打になる事もあります。だからヒットかどうかはあまり気にしないのですが、運を引き寄せてその確率を上げれるかどうかは、やはり本人にかかって来るはずです。
「凄いな、1試合で4安打なんて小学校以来だろうな」
帰りの車中で話しかけた僕に
「はぁ~・・・でも今日は全然ダメだった」と次男。
「打つ方は良い日も悪い日もあるけど、守備と走塁は絶対ミスしちゃダメだし、守備は俺が皆を引っ張らなきゃいけないのに・・・」
実はこの試合、彼は守備で二つのミスをしました。目の前で大きくバウンドが変わるイレギュラーを胸に当てて直ぐに拾いましたが間に合わなかったのが一つ、もう一つもボテボテの緩いゴロを上手くさばけませんでした。どちらも難しい当たりで公式記録はエラーではなく内野安打になっていましたが、本人は悔しくてたまりません。
守備をとても大事にしている次男にとっては悔しい出来事なのでしょうが、僕に言わせれば二つともエラーが付かなかったのは彼の強運だと思いました。
野球と言うのはとても低い確率のスポーツです。運を味方に付けれるかどうかは良い成績を収められるかどうかの分かれ道。
そして、その運を引き寄せられるかどうかは本人次第。
幸運の女神が通り過ぎてしまう前に、そろそろ爆発してや~っと野球変態のオヤジは祈っとります。
2億?・・・
「あ〜ぁ、2億円捨てたな〜・・・」
・・・と言っても、当然我が家には2億どころか2ドルも捨てるようなお金は無く、これは先日見た講演会の話。
「0.1秒短縮できれば1億円・・・」
・・・と言うかなりインパクトのあるタイトルが付けられたその講演会の話者は、元ヤクルト・スワローズの監督でもあり、平成時代最高のキャッチャーと言われる古田敦也氏。
話は少しマニアックになるが・・・
プロの試合で、走者が盗塁をする時、塁間の移動にかかる時間が約3.4秒。
投手が動き始めてからキャッチャーに球が届くまでが約1.4秒。
その為、キャッチャーが捕球してからセカンドに投げてランナーをアウトにするには、最低でも2秒を切らなければアウトにする事が出来ない事になる。
古田氏が言うには、キャッチャーが監督に認めてもらい試合に使ってもらう為に必要な事、ピッチャーからの信頼を得る為に必要な事、それは盗塁をアウトに出来る能力が高くなければ絶対に認めてもらえない・・・と。
そこで、キャッチャーはいかに捕球から素速くセカンドへ送球出来るか(POPタイム)を競わなければいけないのだが、「今の時代、1軍で3年活躍すれば1億円プレーヤーになれる、言い換えれば0.1秒短縮出来れば1億円儲けられる!!」
・・・と、簡単に言うとこんな内容を話されていた。
こちらカナダやアメリカのコーチやスカウトさん達も代表チームのキャッチャーを選ぶ時などPOPタイムの結果をとても重要視するのだが、わずか0.1秒短縮にそんな重い意味があるとは思ってもいなかった。
そんな話が僕の頭の中をチラチラする中で・・・今年もまた4月に高校生達の公式記録会が行われた。
我が家の次男、今年はキャッチャーとショートの2つのポジションでエントリー。
まず最初に行われた短距離走では「あ〜、おしかったね・・・コケかけなければ良いタイムだったのにね」とコーチから言われた通り、速くもなく、遅くも無く、全体の中で中の上くらいの普通のタイムで、脚では目立つ事も無いまま次の種目へ・・・
そして2種目目が「0.1秒短縮出来れば1億円・・・」というキャッチャーのポップ・タイム計測。
コーチが投げる球を、キャッチャーが捕球してから素速く送球しセカンドに到達するまでの時間を計測すると言ういたってシンプルな内容。言ってしまえばたったそれだけ、でも実はこれが極めようと思うと非常に奥が深い・・・
コーチが簡単な説明をした後、静かにこう言った
「じゃあ、最初に誰かやりたい奴はいるか?・・・」
関係者の鋭い視線、会場に漂う独特の雰囲気、何台もセットされたビデオカメラ・・・皆、立ち上がらずに辺りをキョロキョロして様子を伺っている。こんな所でいきなり立ち上がる奴がいたら、それは余程自分の腕に自信があるのか、ただの怖いもの知らずのバカなのか。
と、思った瞬間、1人の選手が手を挙げた。
立ち上がったのは我が家の次男・・・
・・・ではなくて、次男の憧れるR先輩。
中学生の時、次男が地元チームから一人で隣町の強豪チームに移った時から、いつもその背中を追いかけ、憧れ、いつかは追いつけ追い越せと思って来た1年年上の先輩だ。
筋肉ムキムキのマッチョなのにスラッと背が高く手足もとても長い上にイケメン。野球じゃなくモデルをやったら?と思うようなルックスながら、気が強くて乱闘も得意(?)、そしてとにかく動きが素早く肩も強いリーグでもトップクラスのキャッチャー、それがR君だった。
「おっ、すげーなR君、最初に立つとはやっぱり度胸あるな~」
緊張した皆の視線が集まる中での第一投・・・ビシュー
「はっ、速っ~・・・」
試投を数球した後に本番を5球程投げるのだが、それがま~速い速い、あっと言う間に辺りがシーンとしてしまった。
こうなるとプレッシャーがかかるのはその後に投げる子達。R君のインパクトが強過ぎて、それが基準のようになってしまうと後から投げる子達が皆とても遅くて頼り無く見えてしまう。
普通の試合とは違い、こういった記録会はただ淡々と競技が進んで行く。その場で記録が発表される事も無いので、歓声が上がる訳でもなく、シーンとした中で本当にただ淡々と進んで行き、自分の順番が終わるまで緊張が解ける事は無い。
もしそこまで計算した上で最初に投げたのならR君はかなりの策士。正にキャッチャー向きの頭脳の持ち主なんだろうなと思った。
全体の2/3程の子が既に投げ終わったが、僕が見た感じでは最初に投げたR君の一人勝ち状態で、他の子達ではとても相手にならないと思えた所で、やっと次男が現れた。
「おっ、フジー・・・やっと来たか」コーチの声が響く。(注…英語圏の人達はフジエとは言えずに、皆フジーと発音する)
他の子達はビデオカメラに背番号を見せて本人確認をするのだが、コーチは既に次男の名前を憶えていた。
・・・と言うのも、なぜか我が家の次男、このPOPタイムがべらぼうに速い。そう、ちょっとやそっとではなく《べらぼうに速い》のだ。
昨年の記録会、肩を故障していたR君のいない間に弟分である我が家の次男がカナダで唯一1.8秒台を出してトップにランクされてしまった。自分が可愛がってやった弟分が、自分の故障中に1位になっているのをR君は一体どんな気持ちで見てたのだろう?あれから1年が経ち、R君はそんな気持ちも込めて1番最初に立ち上がったんじゃないだろうか?・・・僕は少し複雑な思いでこのPOPタイム計測を見守っていた。
そんな中で投げられた次男の一投目・・・
ズバッ、タッ、ビシュー・・・バンッ
「おぉ~、こりゃあ速え~っ!!」
僕は思わずそう呟いていた。
ビデオカメラとストップウォッチを持っているが、そんな物使うまでもなく、肉眼で見ただけで明らかに他の子達より速いのが分かった。後はR君の記録にどれだけ近づいているか、二人の勝負だろうと思った。
それから数週間・・・
先日、ようやく公式記録が発表された。
小さな時から年代毎の選抜メンバーに選ばれ続けて来たような子達は、やはりタイムも速い。だが今年初めて参加する子や、年下の子にとってはこの2秒を切ると言うのはかなり大きな壁のようで、なかなか1.9秒台で投げれる子はいない。
そんな中でも・・・R・・・R・・・あったR君・・・
1.88~1.90秒
さすが!
その場で見た瞬間に速いと思った通り、やはり1.8秒台に乗せて来た。
昨年、我が家の次男がカナダで唯一1.8秒台を出した時のタイムが1.89秒だから、それを百分の1秒上回った事になる。
しかも、最速が1.88、最遅でも1.9秒と大崩れしないのは、動きが正確で素早い事の証拠だ。逆にアメリカの大柄なキャッチャーなどは肩の強さでポップタイムを縮めようとするので、最速と最遅のタイムの差が大きい、それは捕球動作にムラがある証拠だ。
さて、次男はどこだ・・・と探していくと・・・
あったー
1.84~1.88秒!!!
親ばかな話だが・・・僕は正直、凄いと思った。
最速が1.84と言うのも凄いが、最遅でさえもR君の最速タイムと同じ1.88と言うのは、投球がどんなコースに来た時でも、いかに捕球から送球までの動きに無駄が無く素早いかの証明で、これは本当に凄いと思った。
以前、僕が次男と立てていた作戦は・・・
「肩の強さだけでアメリカの子と勝負をするな、タイムを縮める一番のポイントは動作を素早くする事、二番目がコントロール、肩の強さももちろん大事だけど、それを第一優先にしたら絶対ダメだ」と言う事。
そしてもう一つ大事な点は、この二人は全くズルをしていないと言う事!
多くの子達がタイムを縮めるために、最初から体を極端に斜めに構えたり、かなり腰を浮かせて中腰の態勢から投げたりしている。
しかし、あの構えは試合では使えない。
もし構えた位置と逆方向に球が来たら、もしワンバウンドが来たら、絶対に止めれない。そんなキャッチャーに対してピッチャーは投げたいとは思わないだろう。
一番大事なのは本当の試合でランナーをアウトにする事、単にポップタイムという競技をしている訳ではない。記録会で良い成績を残したい気持ちはよく分かるが、周りにいる親やコーチがちゃんと教えてあげないと・・・
そんな中でも、普段通りの構えで低い位置から素早く投げて1.8秒台を出したこの二人を褒めてあげたいと思った。
結局、ブリティシュコロンビア州、そして他の州で行われた記録会でも今年カナダで1.8秒台が記録として残っているのは(現時点で)この二人だけだった。
次男はまだ16歳、他の種目も含めて確実に年々記録が伸びている成長期の真っ只中にいる。
「0.1秒短縮出来たら1億円・・・」
先日見た講演会の話が僕の頭の中をス~ッと横切った(笑)・・・・だが
・・・・が
・・・・・・が
・・・・・・・・・・・が
・・・・・・・・・・・・・・・・・が
「あっ、俺ね・・・キャッチャー辞めて、今年はショート1本に絞るんだ」と次男
「え~っ!!!・・・」と驚く妻
「あぁ~、2億円捨てたな~・・・」と、僕(笑)
えっ、なぜ辞めたって?・・・
スキー場とバレンタイン
「凄いな~お前、むちゃくちゃ男前だな」
・・・と僕が言った相手は
息子達二人・・・ではなくて、なんと・・・娘!!
冬の間、地域のスキークラブに入っている娘は、毎週スクールバスに揺られて近くのスキー場へと通っている。
そして先日行ったスキー場で、突然・・・・・その事件は起きた。
スキースクールと言うのは、レベル分けされた小グループと担当インストラクターが通常は一緒に行動するのだが、スクール後半は自由時間となり、皆それぞれが好きに滑って良い事になっている。
ただ、もしもの場合に備え、パートナーと呼ばれる友達と一緒に行動し、もし滑走中に何か起きた場合はそのパートナーが助けるか、もしくは助けを呼びに行くことになっているのだ・・・
・・・が
スキースクールも自由時間も終わった頃・・・・・事件は起きた。
「あれっ・・・V君がいない」
スノーボードをしていたV君が戻っていない事に娘が気付いたのは、もう直ぐ出発しようとしているバスの中。
辺りを調べても何処にもいない事を確認し、Ⅴ君のパートナーの男の子に確かめると・・・
「後ろから滑って来てると思ってたら、いつの間にかいなくなってたんだよ」と、何とも頼りの無い返事。
「自分のパートナーがいないのに、何を呑気に一人でバスに座っとんじゃい、このボケ!」・・・と、僕なら怒鳴ってるところだが、何と娘はそこでバスを飛び出し走り出した。
既に帰り支度を済ませていた娘が、駐車場を突っ切り、モコモコの雪道を走って、スキーパトロールの事務所に駆け込みV君が戻らないこと訴え、スノーモービルが緊急出動して、一斉に捜索が開始された。
V君は既にスキーの最上級コースまでパスしたスキーの上級者。だがその日に挑戦していたのはスキーではなくスノーボードだった。
慣れないスノーボードで滑ってどこかで大怪我でもしているのか、それとも谷にでも落ちてしまったのか、嫌な予感が頭を過ぎるが、パートナーが気付かずに戻って来てしまった今、何が起きているのか誰にも分からないでいた。
帰りのバスの出発時刻が迫ってくる。
どうすれば良いのか、娘の中にも心配と焦りが交錯し始め、雪山を見上げたその時、身動きが取れなくなっていたV君を乗せたパトロール隊が戻って来た。
どうやらスノーボードの金具が壊れ、斜面の途中で滑れなくなって困っていたらしい。
やっとの思いで麓のロッジに戻って来たV君は、そこでロビーに立つ娘を見て、初めて自分を助けてくれたのが娘だと知ったのだ。
これがもし長男だったら・・・
きっと友人達に確認し、直ぐに先生に、そしてバスドライバーへとまるで縦割り官僚の緊急時対応マニュアルのように規則正しく動いていただろう。
きっと友人達に確認し、直ぐに先生に、そしてバスドライバーへとまるで縦割り官僚の緊急時対応マニュアルのように規則正しく動いていただろう。
そしてもし次男だったら・・・
「いっや~今日は疲れたな~、でもすっごい楽しかったな~・・・やっぱ雪山は最高やな」とか言いながら窓の外を眺めて、2~3人谷底に落ちててもきっと春まで気がつかないだろう(苦笑)。
「いっや~今日は疲れたな~、でもすっごい楽しかったな~・・・やっぱ雪山は最高やな」とか言いながら窓の外を眺めて、2~3人谷底に落ちててもきっと春まで気がつかないだろう(苦笑)。
でも、娘は・・・・自分で走り出した・・・雪の中を
「お前、ほんとにやる事がむちゃくちゃだな・・・・でも、凄いな~、性格がむちゃくちゃ男前だな、その行動力は女の子にしとくのはもったいないな・・・」
・・・と
ここで終われば、スキー場の救出劇で済んだ話なのだが
実はこの話の本題は・・・ここから始まるのだ。
なぜなら、僕がこの話を詳しく聞いたのは2月の15日。
そう・・・15日!!
バレンタインデーの次の日なのです!!!!
その日、僕は外での仕事は無く、家の自室のパソコンに向かって仕事をしていると、甲高い声で叫びながら妻が部屋に飛び込んできた・・・
「いっ、今からデートに行くって言ってる~!」
「へっ?・・・デート?・・・誰が?・・・誰と?・・・」
・・・と、さっぱり話が分かっていない僕は、一つずつ時間を逆回転させながらスキー場での救出劇の話を初めて聞いた。
その後、V君はペットボトルにお礼の手紙を巻き付けて娘にプレゼントしてくれ、それ以来仲良くしていたらしい。
そしてそこから更に時間は進んで先日のバレンタインデーに、今度は大きなハート形のチョコレートとイヌのぬいぐるみを渡され、「明日、金曜の夜、一緒に映画に行こう」と誘われた・・・・から、我が家はそこから大騒ぎ!(笑)
「どこのどいつだ・・・兄ちゃんが一緒に行ってそいつが良い奴かどうか確かめてやる」と鼻息の荒い長男。
「良いな~、良いな~、デート良いな~・・・まさか妹に先越されるとはな~」と複雑な次男。
「良いの?行かせて良いの?13歳の女の子が夜に二人で映画なんて行っても良いの?」と興奮気味な妻。
僕は少し返事に困った、なぜなら今初めて救出劇の話を聞いて、あまりにも情報が無さ過ぎて判断が出来ないからだ。
でも、妻が言った・・・
「自分でお父さんに言うのは、ちょっと恥ずかしいんだって」
「自分でお父さんに言うのは、ちょっと恥ずかしいんだって」
「なんでだよ・・・ちゃんとどんな子なのか知ってたら反対なんてしないよ・・・会った事あるの?」
・・・と妻に聞くと
「私も会った事無いから写真見せてもらったら、凄く整った綺麗な顔しててね・・・」
・・・と、そこから妻の口が止まらなくなった(笑)。
・・・と、そこから妻の口が止まらなくなった(笑)。
「まずスキーは上手で、もう一番上のコースまで済ませちゃってスノーボードしてるんだって」
『ふむ、ふむ・・・運動神経が良いのは必須だな』(僕の心のつぶやきです)
『ふむ、ふむ・・・運動神経が良いのは必須だな』(僕の心のつぶやきです)
「学校の成績はずーっとオールA、それもギリギリAじゃなくて全教科100%に近いハイAの天才だって」
『そりゃ凄いな、やっぱ頭の悪い男は嫌だもんな』
『そりゃ凄いな、やっぱ頭の悪い男は嫌だもんな』
「性格も良くて、学校の先生にも信頼があって、廊下歩いてたら先生がいつもその子に声かけるんだって」
『俺は別の意味でいつも先生に声かけられてたけどな・・・』
『俺は別の意味でいつも先生に声かけられてたけどな・・・』
「ご両親がルーマニアからの移民だから、日本から移民して来た私達の苦労も分かるし」
『そんな情報まで既に仕入れてるのか?』
『そんな情報まで既に仕入れてるのか?』
「6歳の可愛い妹がいてね、他には日本人と韓国人の留学生もホームステーで受け入れててね・・・」
『それって、めっちゃデカい家に住んでんじゃないの?』
『それって、めっちゃデカい家に住んでんじゃないの?』
「山の上の新興住宅地の大きな家らしいから、きっとお金持ちの子なんでしょうね」
・・・って、わずかの間にどんだけ情報知ってんねん!
恐るべき我が妻!(笑)
恐るべき我が妻!(笑)
結局その後、娘が僕の部屋にやって来て、スキー場の話やV君の話をいろいろしてくれて無事に映画へと出かけて行ったのだが、ここからが日本とカナダのティーエイジャーのデート事情の違う所。
よくアメリカの映画でも見かける場面だが、車社会のこちらでは子供のデートの場所まで親が車で送って行くのだ。そして我が家の場合は・・・
「どんな子か私が行って見て来るね」
・・・と、妻が送って行ったのだが、それがなかなか帰って来ない!
家から映画館まではわずか数分の距離。
まさか、娘の事が気になるからそのままデートに付いて行ったのか?(笑)・・・と心配になった頃にようやく妻が帰ってきた。
そして・・・
僕は玄関のドアを開けた瞬間、もう何も聞かなくても想像が付いていた。
「あ~っ、きっと良い子だったんだ」と。
なぜなら、家に入って来た妻の顔がとても嬉しそうだったのだ。
待ち合わせ場所まで車で送って行くと、既にV君は待っていて、娘を見つけて直ぐに満面の笑みを浮かべ、遠くから大きく手を振り出迎えてくれ、妻に対してもとてもきっちり挨拶をしてくれたそうだ。
このくらいの年代の子は、ちゃんと挨拶や受け答えの出来る子と出来ない子の差がはっきり分かれる年代だと思う、だがV君はとてもしっかりしていたそうで・・・さすが先生からの信頼の高いオールAの子だなと僕は思った。
そして、心配していたのはどうやらV君の親も同じようで、初めて息子が映画に行く女の子を見たかったのか、待ち合わせ場所までやはり車で送って来ていたV君のお母さんと妻は、そこから一気に話が盛り上がり・・・盛り上がり・・・まだまだ盛り上がり・・・映画を忘れて盛り上がり・・・
その場から動けなくなってしまった娘達(笑)。
もう直ぐ映画が始まる時間になって、ようやくお母さん達はまた後日改めてコーヒーをご一緒する約束をして、子供達は開演ギリギリになった映画館へと滑り込んだ。
もうね・・・なんだか、見てなくてもその場が想像できる(大笑)。
それから数時間後・・・
家に帰る時間になって電話がかかってきた。
「お母さん、迎えに来て」
「無理・・・もうお風呂はいったし、パジャマだし・・・お父さんに行ってもらうからね」
それははたして偶然なのか妻が意図的に仕組んだのか?
「自分で会ってみたいでしょ?」
・・・と、僕が映画館まで迎えに行く事になった。
確かに気にはなるが・・・気まずい・・・(苦笑)
だが、V君に会った印象は、確かに受け答えのしっかりした好青年(少年)だった。
娘が好きになるのはもっとワイルド系の子かと想像していた僕の予想は見事に外れ、なんだかとっても温厚な良いとこお坊ちゃんの雰囲気。まあ、うちの娘がかなりワイルド系だからそれを受け止めてくれるには温厚な子じゃないと、ぶつかり合ってダメなんだろうな~・・・と、勝手に妄想(笑)。
今回の降って湧いたような事件(?)で、僕には一つ分かった事がある。
娘は「ただの友達」と言っているが、とにかく見ていて楽しそうなのだ。
家の中でも車の中でも鼻歌混じりでいつも以上に騒がしくって、正に箸が転げても可笑しい年代と言うのはこう言う事なんだろう。そして嫁もなぜかとても嬉しそうで・・・
家の中でも車の中でも鼻歌混じりでいつも以上に騒がしくって、正に箸が転げても可笑しい年代と言うのはこう言う事なんだろう。そして嫁もなぜかとても嬉しそうで・・・
この二人が嬉しそうにしている姿を見たら、「デートに行く」と聞いても僕は不安も心配も、イライラもやきもちも何も感じず、一緒にこちらまで嬉しくなった・・・これは僕にとって、ちょっとした発見だった。
V君がとてもしっかり挨拶する子だったので、僕も娘にこう言った。
「エミカも相手のご両親に会ったらちゃんと挨拶しなきゃだめだぞ」
「分かってるよ・・・ちゃんと挨拶出来るもん」
「分かってるよ・・・ちゃんと挨拶出来るもん」
「ルーマニアから来た人への正式な挨拶の仕方知ってるのか?」
「正式な挨拶?」
「そう・・・こうやって両手の指を真っすぐに伸ばして」
「えっ・・・こう?」
「その手を、股関節の所に当てて、斜め上に引き上げなら、こう叫ぶの・・・コマネチ!」
「コマネチ!・・・?」
「・・・・汗」
あっ、いや、真顔でしないでくれ・・・ごめん、冗談だから・・・ほんとにやらないで(汗)
カナダで生まれ育った娘に、この手の冗談は通用しないと言う事が分かった今回の事件でした(笑)・・・って、そこかいっ!!
見返してやれ~…グルグル巻き~!
「あの陽介がだよ!・・・自分から無理ですって・・・試合出来ませんって言ったのよ」
妻はかなり興奮気味にそう言った。
前回書いた次男の怪我には、もう少し訳があった・・・
試合の途中に怪我をしてしまった次男、普段なら少々の事では休まないのだが、黒く腫れあがりしびれて指先の感覚が無い。それどころか親指が異常な位置で曲がって外側に飛び出していて、とてもじゃないがボールもバットも握れない状態だったらしく、さすがの野球大好き小僧も「すみません、プレーできそうにありません」と伝えたらしいのだが・・・
「だめだ、お前には最後まで試合に出てもらわなけりゃ困る」
・・・と、監督とコーチにそう言われその試合の最後まで強硬出場を続ける事に。
普段守る捕手ではなく三塁を守る。
だが腕を振ると響くのでイニング交代時の守備練習もしない。
幸いにもその後の守備機会は一度しかなく、ボテボテの内野ゴロの間にサードランナーがスタートしたのでキャッチャーにトスしただけで全力送球はしなくて済んだらしい。だが、問題は打撃の方・・・
スイッチヒッターの次男は、通常なら相手の投手が左なら右打席に入り、逆に相手投手が右なら左打席に入るのだが、この日は相手が右でも右打席に入る。全く使えない右手を諦め左手だけで打つ事に決めたらしい。スタンドにいる妻は怪我の状態を知らず、「あれっ、おかしいな~」と見ていたらしい。
それでも左手一本でヒットを打ってしまうところは、我が息子ながら凄いと思った。
試合後・・・・
次男の手を見て妻は驚いたと言う
怪我の後、全く応急処置も施さず、アイシングもせず、曲がってしまった親指を無理やり近くにあったガムテープでグルグル巻きにして試合を続けさせていたらしい。
「だって・・・分かるでしょ?あの陽介が自分から試合は無理って言ったのよ。陽介が無理って言う時は本当に酷い時だって監督に言ってやろうかしら」
まだまだ興奮が冷めない妻が僕にそう言った。
確かにこれがカナディアンの親なら物凄い勢いでクレームをつけに怒鳴り込んでいるかもしれない。
試合中に起きた怪我の状態をその場で判断し、適切に処置するのは本当に難しい事だと思う。それは十分理解出来るが、少年野球の場合、もし判断出来ないのであれば安全策を取って欲しいと言うのが親の本音だ。
幸いにも大事にはならなかったが(・・・たぶん?)、2ヶ月近くも野球に空白の期間が空くと言うのは彼にとっては初めての経験だ。
「いいか・・・自分の身体だからな、出来るか出来ないかの最終判断は自分自身で決めるしかない」
「・・・うん」
「・・・うん」
「一旦決めたら、後はもう誰が悪いとか、監督がどうとか言うな・・・無駄な事に時間を使うな、大事なエネルギーを後ろ向きに使うな」
「うん・・・」
「うん・・・」
「ガムテープグルグル巻きで、それでも左手一本でヒット打ったんだ・・・それに比べりゃ、どんな奴が相手でも両手が使えるだけで全然楽勝だぜ~って、来年活躍して監督の前で笑い話にして言ってやれ!」
「・・・・・」
「・・・・・」
次男は分かっているのかいないのか?ただ、黙って聞いていた。
夜になってリビングから次男の声が響いて来た。
「父ちゃ~ん、ちょと来て~」
行くと、何やら壁に貼ってある。
そこには、9月に代表チームに合流するまでのトレーニングメニューを絵と言葉で書き出してあった。
そこには、9月に代表チームに合流するまでのトレーニングメニューを絵と言葉で書き出してあった。
「まだ完成じゃないけど、やる事を書き出してみた」
おっ、少しは自覚を持ってやる気になったか・・・
でも・・・
「お前、もう少し綺麗に書けないのかよ、小学生が書いたみたいだな」
・・・と僕が言うと、次男は少し怒った口調で
「あのさ・・・それ、俺、左手で書いたんだよ」
そうだった・・・右手使えないんだった。
「そうか、忘れてた・・・左手だもんな、よく頑張って書いたな~」
少し笑顔に戻った次男に、僕が続けた・・・
「いや~っ、右手で書いたのと全然変わらないから気付かなかったよ」
「・・・・?・・・それ、どういう意味だ~!」
「・・・・?・・・それ、どういう意味だ~!」
手が治ったら、野球よりも先に、字の練習もしましょうね!!(笑)
がんばんべ~!!!
トライ…アゲイン
「別に君はもう見る必要がないから・・・」
そう言われて、コーチのアシスタントをしていた次男。
7月中旬、今年もまた16歳以下の州代表選手を決めるトライアウトの時期がやって来た。
春から州内各地で行われて来たトライアウト。
候補者は既にファイナルリストに残った40名ほどに絞られ、この三日間の最終トライアウトキャンプを経て、今年の州代表20名が決まる。
ジリジリと照り付ける真夏の太陽と、ピリピリした緊張感が漂う会場、皆が必死で練習する中で、「俺も練習したいのに・・・見る必要が無いって言われた・・・」と少しふてくされていた次男。
僕は少し意地悪に・・・
「見る必要が無いってのは・・・『もう君は見なくても十分大丈夫だよ』って言う意味なのか?・・・それとも『お前みたいな奴は見る価値も無い!』って言う意味なのか?」
「見る必要が無いってのは・・・『もう君は見なくても十分大丈夫だよ』って言う意味なのか?・・・それとも『お前みたいな奴は見る価値も無い!』って言う意味なのか?」
・・・と、次男をからかっていたが、昨日発表された今年の代表メンバーにも無事に彼の名前が載っていた。それも、どういう訳か一番上に。
「どうしてお前の名前が一番上なんだろうな?アルファベット順でも、ポジション順でも無さそうだし・・・もしかしてお前、キャプテンか?・・・でも無理だよな~今年は?」
「無理じゃない!・・・行く!・・・絶対今年も行く!」
「行けねーよ・・・下手なプレー見せたら印象悪くなるし、今年は無理無理」
「無理じゃなーい!!!」
「行けねーよ・・・下手なプレー見せたら印象悪くなるし、今年は無理無理」
「無理じゃなーい!!!」
・・・と、どうしてこんな事を言い合っているのかと言うと・・・
なぜなら今朝、次男は病院の手術室の中にいたのです・・・・
「パパ、今すぐ帰って来て~」
・・・と、娘からのメッセージが届いたのは先週の土曜日。
・・・と、娘からのメッセージが届いたのは先週の土曜日。
「どうしたの?何かあったの?」
「39度も熱が出て、家に1人じゃ死んじゃう~・・・パパ帰って来て」
「えっ、1人?・・・お母さんは?」
「ママは・・・病院・・・陽介が試合で怪我したの」
「39度も熱が出て、家に1人じゃ死んじゃう~・・・パパ帰って来て」
「えっ、1人?・・・お母さんは?」
「ママは・・・病院・・・陽介が試合で怪我したの」
時間は既に夜中の12時になろうとしていた。
僕が仕事で夜中に留守をしている事は珍しい事ではないが、こんな時間になっても妻が救急に行ったまま戻らないと言うのは、きっと大変な事が起きているのだと僕は直ぐに理解した。
僕が仕事で夜中に留守をしている事は珍しい事ではないが、こんな時間になっても妻が救急に行ったまま戻らないと言うのは、きっと大変な事が起きているのだと僕は直ぐに理解した。
緊急事態だと告げて仕事場をしばらく抜けさせてもらい、家に帰って娘を寝かしつけたのが夜中の2時半。息子と妻はまだ戻らない。
「よほど何か状態が悪いんだろうか・・・」
熱のある娘をおいて病院に行くわけにもいかず、少しだけと言って抜けて来たが仕事に戻るわけにもいかず、困っている所にようやく息子達が帰って来たのはもうすぐ4時になろうという時だった。
「怪我って・・・一体何が起きたんだ?」
「broken thumb and dislocated」
「・・・・・・」
「broken thumb and dislocated」
「・・・・・・」
月曜の朝になって隣町の大きな病院から電話がかかって来た。
我が町の救急から転送されたレントゲン写真をみた専門医が、直ぐにでも手術をした方が良いと判断したそうだ。
我が町の救急から転送されたレントゲン写真をみた専門医が、直ぐにでも手術をした方が良いと判断したそうだ。
broken thumbと言うのは親指の骨折と言う意味だが、dislocatedと言うのは通常なら関節などの脱臼を意味する言葉、骨折なのに脱臼って一体どういう事なんだろうと思っていたら、実は・・・
「親指の付け根部分が3個に割れる完全骨折、そしてその欠片がどこにあるのかよく分からない、しかも完全骨折の為に指先端部が外側に向かって変な位置にずれてしまい、おまけに骨のずれた反対側には大きな隙間が開いて・・・etc」
・・・と、いつまでも続く説明は、早い話が手術をしてずれた骨を正しい位置に戻し、欠片を取り除き、隙間を埋めて金属ピンを埋め込みワイヤーで固定・・・と、全然早い話では済みそうもない。
ジュニアリーグが終了した今、憧れの先輩達がいるシニアチームの遠征に直ぐに合流するように言われていたが、これでシニアの話はすべて流れてしまった。
「見る必要がない」と言ってもらったトライアウトも無事代表メンバーに選ばれ、そのアメリカ遠征が9月中旬に迫っている。
そして去年に続いてどうしても行きたかった10月のアリゾナ・スカウトトーナメントのメンバーにも選んで頂いた。
「見る必要がない」と言ってもらったトライアウトも無事代表メンバーに選ばれ、そのアメリカ遠征が9月中旬に迫っている。
そして去年に続いてどうしても行きたかった10月のアリゾナ・スカウトトーナメントのメンバーにも選んで頂いた。
年初に立てた今年の目標はほぼクリアして、さあこれから!・・・と言うこういう時に、大体何かが起きるのである。
人生と言うのは、調子に乗っている時に限って、突然谷底に突き落とされるもの。
もし今から手術をしたら、固定具を取り除く二度目の手術までに6週間、更にそこからリハビリが必要になり、秋の代表チームに参加する話は全て消えてしまうだろう。
「アメリカまで応援にだけでも行くか?」
「嫌だ!応援なんて行かない・・・俺は試合に出たいっ!」
次男のイライラがピークを迎えた水曜の朝。
それは怪我から4日を経た手術の朝だった。
それは怪我から4日を経た手術の朝だった。
隣町に在る大きな病院。
そこで出会った専門医は、やたらと明るく、やたらとハイテンションで、やたらと早口で、やたらと野球に詳しかった。
「ふ~むっ・・・これは・・・」
・・・と言いながら、何度も次男の手を触り、レントゲンと見比べ、そして・・・
「レントゲンをもう一度撮りなおしましょう」と言った。
広い病院内はまるで迷路のようで、レントゲンを撮る為には別のフロアーに移動し、また受付処理をして、待たされ、撮影し、それが終わるとまた別のフロアーに移動して別の受付をして・・・と、手の指だから良いものの、これが足の怪我なら大変だな~と思っているところに、専門医が現れた。
「いや~っ、私の思った通りだよ!」
専門医は更に明るくハイテンションになっていた。
専門医は更に明るくハイテンションになっていた。
「素晴らしい・・・これはグレートニュースだよ!」
土曜に撮影されたレントゲンと、今日撮りなおしたレントゲンを交互に見せながら・・・
土曜に撮影されたレントゲンと、今日撮りなおしたレントゲンを交互に見せながら・・・
「ほぼ正常な位置に戻ってる、大きく開いていた隙間も残り数ミリになっている、信じられない・・・完璧だよ!・・・これなら手術はしなくても大丈夫だ!」
「えっ?・・・うそ、ほんとに?・・・手術?・・・要らないの?」
実は、土曜の夜中に救急病院で行った整復術が効いていたらしい。
折れて変な方向に曲がってしまっていた親指を、麻酔も無しでグギャ~ッと捻じ曲げる整復術を何度もしたらしい。次男は怪我よりもその治療の方がずっと痛かったようだが、力づくで元の位置に戻した骨の主が、超が付くほどの健康優良児だった事もあり奇跡がおきたそうだ。
折れて変な方向に曲がってしまっていた親指を、麻酔も無しでグギャ~ッと捻じ曲げる整復術を何度もしたらしい。次男は怪我よりもその治療の方がずっと痛かったようだが、力づくで元の位置に戻した骨の主が、超が付くほどの健康優良児だった事もあり奇跡がおきたそうだ。
「とりあえず1週間後にもう一度再検査しましょう・・・外側から指は固定するのでしばらくは使えないけど、それ以外のトレーニングはしても大丈夫、体幹や足腰を鍛えておけば6週間で復帰できるかもしれないよ」
元々言われていた6週間で固定具を取り外す予定から比べれば随分短縮されたが、それでもなお期間的にはかなり厳しいと思う。
単に日常生活に戻る事と、高いレベルでパフォーマンスを見せる事とは、全く意味が違う。
大勢のスカウトが見に来るアリゾナのトーナメントで、下手なプレーを見せる訳にはいかない。
本当に間に合うのか?
本当にそこを目指して良いのか?
答えは分からない
でも・・・
野球が生き甲斐のような次男、突然目の前が真っ暗になってしまった状態から、わずかだが光が差し込んできた。
スポーツに怪我は付き物、リスクを怖がっていたらギリギリのプレーは出来ない。
重要なのはそこからどう復活するか!
この怪我を次に生かせるかどうか!
この期間をスマホいじってぐ~たら過ごすのか、それとも、これは勉強するチャンスと思っていろんな知識を吸収し、工夫し、努力して一日でも早く元の状態以上に戻すのか?
怪我をマイナスの期間にするのも、プラスの期間にするのも本人次第!
「本当に9月の代表チームに間に合わせるのか?」
「大丈夫・・・間に合う」
「もう一度折れたら、今度は何カ月もかかるからな・・・それでも9月を目指すのか?」
「やる・・・絶対出来る!」
どうやら次男は本気で9月までに復帰するつもりらしい
「分かった・・・その代わり、お前が本当にこの先も野球を続けたい気持ちが強いなら・・・リハビリも本気でやらなきゃだめだぞ!」
「おうっ!」
100%手術と言われて落ち込んでいた朝の眼と、再び目標を得た今の眼は明らかに違っていた。
もちろんドクターの意見を聞かなければいけないのだけれど・・・やるなら本気でやりなさい。
真面目に一生懸命やってる子は、きっと野球の神様がみててくれてる・・・・・と、父ちゃんは思うよ!
いくら何でも・・・
「おいっ、さすがにそれは無いやろ!」
普段、息子達の野球の試合を観ても、僕はほとんど叫びませんし興奮もせずに、ただ冷静にビデオ撮りながら客観的に観てる事が多いのですが・・・この日の試合はちょっと酷いと腹がたちました。
僕は仕事だったので、実際に現場を見た訳ではないのですが、試合内容は直ぐにネットに詳細が出るので離れていても結果は分かりますし、妻がビデオ撮っといて後でそれを見たのですが・・・・
この日の試合は午後からのダブルヘッダー。
一試合目、次男は守りの要・キャッチャーとして先発出場しました。
一打席目ファーボールで出塁。
二打席目シングルヒット。
三打席目スリーベースヒット。
三打席回って来て二打数二安打一四球、二得点&一打点。
親が言うのも何ですが、守備も攻撃もこのチームでは次男は中心選手・・・と言うか、他にあまり打つ子がいないので、彼が打たないとなかなか勝ちません。そしてそれは相手チームも分かっているのか、時々徹底的にマークされる事があるのです。
しかもこの日のダブルヘッダーは、プレーオフ進出の為の最後の一枠を争っているチームとの直接対決。次男に張り切るなと言っても無理な話ですが、一試合目の活躍で目立ってしまったので、僕は少し嫌な予感がしました・・・
そして迎えた第二試合、嫌な予感は直ぐに的中して・・・
一打席目、いきなり足に当てられてデッドボール
二打席目、今度はふくらはぎの辺りにまたデッドボール
三打席目は満塁で回って来たので、相手バッテリーが勝負に来てタイムリーヒット!
やっとヒットを打って鬱憤を晴らしたと思ったら・・・
続く四打席目にまたまたデッドボール
さすがに一試合で脚に三度も当てられると、一塁まで足引きずりながら行くのですが、負けん気の塊のような次男はそこから鬼の形相で走り回って、この試合だけで何と4盗塁3得点。
これで今度こそ少し気が晴れたかと思った第五打席・・・
今度は直球が肩に当たるデッドボール、これでこの試合だけで4度目のデッドボール、しかも今回はもう少しで顔に当たるところです。
チームの中心打者に厳しい球を投げるのは作戦として当然だと思いますし、時には当たる事もあると思いますが、さすがに一試合で一人の打者に4度もぶつけると言うのは酷いと思います。
ピッチャーが変わってもまた続けて当てて来るというのは、相手のキャッチャーのサインであり、監督のサインであり、チームぐるみなのかと疑念を抱いてしまいます。
ジュニアリーグ全体で2百数十人もの選手がいる中で、我が家の次男は現在デッドボールを当てられた回数が上から二番目。
さすがにこれだけ当てられたら「よーっし、もう直ぐ一番だ~」何て言う冗談を言う気にもなりません。
次男は高校1年生がプレーするジュニアリーグに所属していますが、2~3年生がプレーするシニアリーグからも呼ばれて掛け持ちでプレーしています。ですが、結局デッドボールを当てられた右肩が腫れていて翌日のシニアの試合には出られず。病院に行く羽目に・・・
さすがにこれだけ当てられたら「よーっし、もう直ぐ一番だ~」何て言う冗談を言う気にもなりません。
次男は高校1年生がプレーするジュニアリーグに所属していますが、2~3年生がプレーするシニアリーグからも呼ばれて掛け持ちでプレーしています。ですが、結局デッドボールを当てられた右肩が腫れていて翌日のシニアの試合には出られず。病院に行く羽目に・・・
幸い骨折はしていませんでしたが、右利きの選手の右肩にボールが当たるというのは一歩間違えれば致命傷です。
これが日本の高校野球なら、健全な肉体と精神を身に着ける為の教育の一環なので、相手チームや審判の判定に文句を言うなんて言語道断ですが・・・ここはカナダ!
こちら北米では学生野球でも感情むき出しで、殴り合いの乱闘が始まる事もあるベースボールです!
これが日本の高校野球なら、健全な肉体と精神を身に着ける為の教育の一環なので、相手チームや審判の判定に文句を言うなんて言語道断ですが・・・ここはカナダ!
こちら北米では学生野球でも感情むき出しで、殴り合いの乱闘が始まる事もあるベースボールです!
「おいっ陽介、父ちゃんが許す・・・こんな時は『こらっ!これで4度目やぞ、ケンカ売っとんのか』って構わねーから凄んだ声で叫べ!『ふざけとらんでちゃんと野球で勝負せんかいっ』って怒鳴れ!・・・我慢は大事だし、何でもかんでも叫べば良いってもんじゃないけど、一試合で4度はいくら何でも酷すぎる!!」
「ほんと?怒鳴っても良いの?・・・退場になっても父ちゃん怒らない?」
「怒る?・・・理由があって退場になっても怒らんわいっ!」
「よーっし、次当てられたら乱闘じゃー!」
いや、いや・・・まて、乱闘までは言ってない(苦笑)
とにかく怪我の無いようにだけは気を付けてくれ・・・









