(注:長文です。)
私の人生って、
元々波瀾万丈なんだけど、
日常的にいろいろな事が起きるって、
やっぱり持ち前のぼ~~~っとしているところに、
問題があるのではないかと、
つくづく思うんだな。
それは先々週の金曜日だった。
息子を学校へ迎えに行き、
家に帰る途中にテニスショップに寄った。
そこに着くまでは30分以上の道のりだから、
息子は車の中で寝てしまう。
寝起きはいつも不機嫌な息子は、
テニスショップでも悪態をついた。
母は車の中で息子を叱ったが、
自分自身も嫌な気持ちになり、
近くのパグリクス(食料品店)へ寄り、
息子の好物のドーナツを買った。
土曜の朝起きると、
息子の部屋から低い乾いた咳が聞こえる。
久々に息子が風邪を引いてしまったのだ。
前日金曜日の最低気温は、
四月だと言うのに摂氏四度。
一日中雨が降り寒い日だった。
テニストーナメントがない週末は、
いつも土日とも午前中に出かける。
でもこの週末は、
息子の体調を回復させるため、
家から一歩も外に出なかった。
月曜日はいつものように
朝早く家を出て、
息子を学校へ降ろし職場へ。
忙しい日だったから、
帰りも遅くなり、
二人でレストランへ行った。
マサキが随分前に学校で賞を取り、
そのレストランのギフトカードを貰っていた。
夕方はキッズミール無料の時間帯でもあり、
私が夕食の準備をしていない時など、
最近はそこによく行くようになる。
料理を半分ほど食べた時、
ふとギフトカードを持っているか確認のため、
バッグの中の財布を捜した。
・・・財布がない!
頭の中が真っ白になった。
どこに置いたっけ?
土日は家から出ていないし。
最後に財布を手にしたのは、
三日前の金曜日のはず。
でもとりあえず何とかしなくては。
私達の席の担当のウェイトレスを呼び、
事情を話して息子を置き去りにし、
そこから車で5分の家へ帰った。
週末に家で
財布を手にした記憶はなかったが、
とりあえず自分の部屋や車の中、
至る所を捜してみた。
でもやはり見つける事はできなかった。
普段家には現金を置いていないが、
娘が毎月払っている携帯電話料を、
引き出しに入れていたのでそれを掴み、
大急ぎでレストランに戻った。
息子は何事もなかったかのように、
食事を済ませて待っていた。
支払いを済ませ家へ帰る。
財布を置き忘れたとか落とすとか、
いつもの行動を思い出しても、
どうしてもそれは考えれない。
それでもとりあえず、
パブリクスのカスタマーサービスに電話し、
落とし物があるか聞いてみたが、
残念な返事しか返ってこなかった。
もしかして職場にあるのかもしれないと、
寝付けない苦しい夜を過ごした。
火曜日の朝、
職場に着くなり机やキッチンなど、
置いていそうな所を捜すが見つからない。
上司や同僚に、
クレジットカードなどをキャンセルした方が良いと言われ、
諦めたくはなかったが、
渋々カード会社へ電話をしたのだった。
その他は息子があちこちで貰ったギフトカードや、
知り合いの小切手やメンバーズカード、
それに一番大切な運転免許証も入っていた。
既に四日前の事になったけど、
もう一度最後に財布を手にした場所に行ってみるべきだと、
上司と同僚に言われた。
昼食の時間を利用して、
職場から車で20分ほどのその場所へ行く。
車を止めておいた場所やその周りを、
何分捜し回っただろうか。
パブリクスのカスタマーサービスへは、
既に電話して確認済みだったが、
念のため直接言って尋ねてみた。
男性従業員が確認してくるからと、
奥の部屋へ入って行き、
一分も経たないうちに出てきた?
「これですか?」
私の財布だった!
もう嬉しくて嬉しくて、
その人に抱きつきたい思いだった。
同僚に電話して見つかった事を伝え、
何でも欲しいものを買ってくるからと言うと、
ダイエット中だから何もいらないと言われた。
その時の気分は、
口では言い表せないほど最高だった。
まるで地獄と天国。
財布の中身は全くそのまま。
アメリカで財布を落とすと、
絶対返ってこないと皆は言う。
でも私の手元に返ってきたのだ。
自分の周り全ての人と、
そして神様とに心から感謝した。
それにしても、
月曜の夜に電話した時にはなかったのに、
その後誰かが届けたのだろうか・・・。
・・・不思議だ・・・。
だが事件はこれで終わりではなかった。
先週末は息子のテニストーナメントがあった。
いつものように朝5時に起き、
おにぎりを作り6時半過ぎに家を出る。
試合は午前8時から始まった。
上手な選手と良い試合内容で勝ち、
私はとても嬉しかった。
午前10時前、
息子と車に戻り、
車中でおにぎりを食べくつろぐ。
他の選手の試合を観に行こうと、
テニスセンターへ戻った。
途中息子が寒いから上着を取りに行くと言う。
車の鍵を渡して私の物も持って来させた。
試合を観終えて、
テニスコートの横にある森林の中の散歩道を、
二人で(無理矢理^^;)手を繋いで、
駐車場まで歩いた。
次の試合が始まる前に、
息子がマックのチキンナゲットが食べたいというので、
近くだから歩いて買いに行こうと、
車においていたバッグを取りに行った。
バッグがない!
車の中をしらみつぶしに捜した。
二人でテニスセンターの隅々を捜した。
でもバッグを持って
車から出た覚えがなかった。
クラブハウスの落とし物を調べてもらったが、
やはり届けられてはいなかった。
午前11時過ぎだった。
私は捜す事を諦めて、
クレジットカード会社に電話した。
そうするとその一件目で、
既にそのカードが使われている事実を知る。
ショックだった。
目の前に座っていた息子も、
ショックを受けていた。
彼は自分が車の鍵を掛け忘れたことで、
半泣きになって落ち込んでいた。
でもそれは彼のせいではなく、
バッグを置いてきてしまった私のせいだと、
息子を慰めた。
試合前に彼の気持ちをかき乱したくはなかった。
それからその他のすべてのカード会社へ電話し、
警察へも電話した。
どれくらい経っただろう。
警官がそこに来るのに、
思ったより時間がかかった。
「今日はこの事件で四件目だよ。」
と警官は言った。
もう既にあちこちで、
車から物が盗まれていた。
同じ犯人かは定かではないが。
私は警官に、
どこでカードが使われたかを伝えた。
一軒目はクロガーというスーパーマーケットで、
90ドル近くの食料を買っていた。
二件目はガソリンスタンド。
三件目はレッドボックスという、
DVDの自動貸し借り機で使われていた。
たった一時間以内だったのに、
たくさん使ったものだ。
警官にDVDを返す時に、
犯人を捕まえる事ができるか聞いたら、
そう言う人達は返却しないと言った。
そりゃそうだろうね。
悲しいけどそれが事実。
コンピューターに記録している警官と、
私はいろいろな話をしていた最中に、
いきなり知らない電話番号から
私の携帯に電話がかかった。
「あなたはぽーさんですか?
私はあなたのバッグを持っているんですけれど。」
「え?どういうことですか?
どうして私のバッグを持っているのですか?」
「教会の駐車場にありました。
すぐに取りに来られますか?」
「今すぐにそちらへ伺います!」
驚いた!
私のバッグが見つかったのだ。
それも教会に?!
警官の調書が終わり、
「今日学んだ事はなんだね。」と言われ、
「バッグを車に残さない事。」と言った。
平穏な地域でも、
全く安全であるとは言えない。
私はもう二度とバッグを置いて
車を離れることはないだろう。
警官に挨拶をした後、
トーナメントオフィサーに息子を預けた。
どこに教会があるかわからなかったし、
息子の次の試合開始時間までに、
戻って来れるか定かではなかったから。
そしてそれからすぐに教会へ向かった。
なんとそこから約13kmも離れた所に、
その大きなカトリック教会はあった。
この日は朝から庭師が入り、
駐車場にある木々や芝などを整えていた時に、
私のバッグが車の下にあるのを見つけたらしい。
そこは公道から入り込んだ駐車場だから、
わざわざ中まで入ってこない限り、
そこにバッグを置く事は出来ない。
犯人は何を考えてそこへ置いたのか。
電話をかけてくれた女性に礼を言い、
私はテニスセンターへ戻っていった。
運転している最中に、
その盗んだ人のことを考えた。
もしかしたら、
すごくお腹が空いていたのかも。
ただ間がさしてしまっただけかも。
どちらにしても悪い事だから、
私の持っていたギフトカードを使う時に、
その人が罪の意識を感じる事ができるよう、
もう二度と間違いを起こさないよう祈った。
そしてそのようなことをしなければならなくなった、
その人の環境を思うと悲しくなった。
運転しながら涙が出た。
そして私達には必要なものがすべて揃っている事を、
本当に感謝した。
息子のその日の試合は終わり、
家路に着いた。
よくよく考えてみると、
先々週に財布を失くしたから、
今回はそこまで心が傷ついていない事に気付く。
初めてのことだから、
いきなりだったら本当にショックだったろう。
こんなに落ち着いて考えることは
できなかったかもしれない。
数枚のカードは失くしたけれど、
それは元々は貰い物。
使われたお金は保証金で支払われ、
私は支払わなくてもよい。
何も失っているものはないのだ。
でも盗んだ人の事について、
考える事が出来た。
最近起きたボストンの爆発事故にしても、
何故そのような事をできる人がいるのだろうと、
思う事がある。
私達一人一人が、
周りの人に優しく接すれば、
もしかしたらこのような事件が減っていくのではないか。
最後はちょっとしんみりした、
ぽーおばちゃんの事件簿になったね。