血の涙をながしても | いつも感謝で

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アトランタ在住のうぃどう、ぽーの日記




久しぶりに親友に会った。
彼女は私が困難の中にいるとき、
いつも私のために祈り、
出来る事はすべてしてくれた人。
故郷から遠いこのアメリカで、
やっとできた親友の一人。

最近はお互いに忙しく、
でも疎遠になりはしても、
電話をかけて連絡を取り合っていた。

最近人づてで、
彼女がたくさんの問題を抱えている事を聞く。
私は心配したが、
自分からは電話をしなかった。




彼女は頭脳明晰。
16歳で高校を卒業。
何事もそつなくこなし、
文才に長けているうえに、
話し上手でもある。
素晴らしいネゴシエイターとして、
私が困った時には、
いつも助けてくれた。

人に対しても一生懸命な人だから、
ましてや自分の家族のためになら、
自分のすべてを投げ出して、
出来る限りの事をする人だった。



彼女には子どもが4人。
長男と長女の歳の間に、
双子の男の子を引き取り、
養子として育てる。
医者の妻として、
誰もが羨む生活をしていた。

しかし夫の暴力により離婚。
夫は男の子達を、
彼女は女の子を引き取った。

彼女は娘を他へ預ける事は避け、
家の中で働きながら、
娘に勉強を教えながらホームスクールをしたり、
中学生になると私立の良い学校へ入れたりと、
娘のために出来る限りのことをしていた。

夫は子連れの女性と再婚した。
そしてその数年後、
長男は何かに耐えきれず、
高校生の時に家を飛び出した。
目的地は母親の家。

車だと25分ほどの距離だが、
徒歩だと4時間弱は掛かるだろう。
それも殆ど歩道のない道だ。
それでも彼は暗闇の中を、
母親の家へ向かって、
ひたすら歩いた。



彼女は長い間会えなかった息子が、
突然夜中に家を尋ねてきた事に驚くが、
彼の心が何かで傷ついてしまっている事を嘆き、
彼を引き取り出来る限りの事をした。
彼の心の問題を解決しようと、
カウンセラーへ連れて行った。
生活態度を変えようと、
特別養護学校へも入れた事があった。
彼の心を癒やそうと、
考えれる限りのことをした。

それでも彼の傷ついた心は、
癒やされることはなかった。
医者の父親と、
頭脳明晰の母親を持つ彼は、
頭は良いが勉強は嫌いだった。
市内の小さな大学へ進学するが、
交通事故を二度も起こしたり、
いろいろな問題を起こして、
大学を中退してしまう。

それからも更に、
彼の悪行はひどくなる。
母親のクレジットカードや、
宝石にも手を出すようになる。

そして数ヶ月前、
窃盗の罪状で拘置所(Jail)へ入った。
今月の25日に裁判が行われる。
前科もあるから、
刑務所(Prison)行きも免れないかもしれない。





久しぶりに親友から電話がかかり、
私の息子達の状況を聞いてきた。
私はあえて彼女の問題には触れなかった。
そして長い間会っていなかったから、
昨日彼女の顔を見に、
家まで行ってきた。



料理上手の彼女は、
私にとても美味しい朝食を作り、
温かいコーヒーを飲みながら、
久しぶりの良い時を
二人で過ごした。

それから彼女は徐々に、
息子の話をし始める。
最初彼女は、
息子に対して怒りを表していた。
何故彼がそのような事をするのか、
彼女には理解できず、
その不満を吐き出していた。

そして彼女は声を詰まらせる。
それから一気に、
彼女の止めどもない気持ちが、
涙と共に溢れ出てきた。

自分を犠牲にしても、
心から愛している息子を救いたい。
でも彼は罪に対して、
必ず償わなければならない。
これから恐ろしい刑務所へ
入るかもしれない息子の事を思うと、
あまりにも哀れで悲しく、
心配でならないだろう。
彼女の胸の張り裂ける思いが、
手に取るように伝わった。
私の心も苦しくなり、
彼女と二人で抱き合って泣いた。




何故このような事が、
あんな素敵な友達に起こるのか。
私は本当に信じられなかった。
あれ程一生懸命に子どもを育て、
毎日祈りの中で生活をしていた彼女が、
こんな血の涙を流しているのだろう。
どうしてこの耐えきれない苦痛を、
味わっていかなければならないのか。



それでも私達は知っている。
神様が私達にこれから何をしようとしているのかを。
それでも私達は知っている。
神様がこれまで私達の上に何を起こしたきたかを。
だから私達は感謝する。
この苦痛も取り上げられ、
いつか必ず喜びに変わる事を。

今日も彼女はいつもと変わらず、
祈りつつ生活をしているだろう。
そして私も忙しい日々の生活を続ける。
でも私達の祈りは尽きる事はない。
どうか全ての思いが叶いますよう。

今日も感謝で。