最近、BBCの文化欄で、アメリカの詩人の シルヴィア・プラス について取り上げていました。彼女については30歳で自殺をしてしまったので、色々とわからない点が多いようです。

 

シルヴィア・プラスについてはこちらをご覧ください。

 

 

 

 

ここでは、彼女についてはあまり日本では知る機会が少ないと思い、彼女の代表作と思われる The Colossus(巨像)の詩をみることで、、彼女についての理解を少しでも深めたいと思います。

 

The Colossus

                               By Sylvia Plath

 

I shall never get you put together entirely,

Pieced, glued, and properly joined.

Mule-bray, pig-grunt and bawdy cackles

Proceed from your great lips.

It's woese than a barnyard.

 

私はあなたを完全に組み立てることは出来ない

継ぎ合わせ、接着し、上手に結合しても

ラバの鳴き声、豚のブーブー、みだらなクワックワッが

あなたの大きな口から聞こえる

それは農家の中庭よりうるさい

 

Perhaps you consider yourself an oracle,

Mouthpiece of the dead, or of some god or other.

Thirty years now I have labored

To dredge the silt from your throat.

I am none the wiser.

 

多分あなたはあなた自身を一つの神託と

或いは、死人かある神か他の神の代弁者と考えておられる

もう三十年も私は努力して来ました

あなたの喉から出る泥をさらうことを

私は少しも賢い人ではありません

 

Scaling little ladders with glue pots and pails of lysol

I crawl like an ant in mourning

Over the weedy acres of your brow

To mend the immense skull plates and clear

The bald, white tumuli of your eyes.

 

私は膠の入った桶と、リゾールの入ったバケツを持って、小さな梯子をよじ登り

喪服を着たアリのように這って

あなたのたくさんの雑草の生えた額の上を

巨大な頭蓋骨の欠片を集め修復するために

そして、はげて白くなったあなたの両目の塚を綺麗にするために

 

A blue sky out of the Oresteia

Arches above us. O father, all by yourself

You are pithy and historical as Roman Forum.

I open my lunch on a hill of black cypress.

Your fluted bones and acanthine hair are littered

 

オレステイアの悲劇から抜け出たような青空が

私達の頭上にに掛かる。おお、父よ、あなた一人だけで

意味深く、歴史に実在するローマの遺跡ようだ。

私は黒い糸杉の丘の上で昼食をとる

あなたの溝が刻まれた遺骨とアカンサス飾りの髪は散らされている

 

In their old anarchy to the horizon-line

It would take more than a lightning-stroke

To create such a ruin.

Nights, I squat in the cornucopia

Of your left ear, out of the wind,

 

昔のまま無秩序に水平線の彼方まで

このような廃墟を創造するには

落雷の一撃ぐらいでは足りないに違いない

夜ごと、私は風を防ぐために

あなたの左耳の豊穣の角の中にしゃがみ込む

 

Counting the red stars and those of plum-color.

The sun rises under the pillar of your tongue.

My hours are married to shadow.

No longer do I listen for the scrape of a keel

On the blank stornes of the landing.

 

赤い星と暗紫色の星々を数えながら

太陽はあなたの舌の支柱の下から昇る

私の時間は影と結ばれる

もはやわたしは上陸場のまっさらな小石の上を

舟の竜骨がひきずる音を聴くことはないだろう

 

                        (日本語は意訳しています)

 

*この詩は父の死をロードス島の巨像(コロッサス)を隠喩としていますので、巨像(コロ    ッサス)の知識がないと少し理解するのに難しいかもしれません。

 

*ロードス島のコロッサスについてはこちらをご覧ください。

 

 

*オレステイアはこちらを

 

 

*豊穣の角(cornucopia)はこちらをご覧ください。

 

 

*youtubeに朗読がありますので、あげておきます。