前回からの続きです。

ロバート・ヘリックの 水仙に は詩集 ヘスペリデス の 316番に登場します。この詩はヘリックの詩の中では最もよく知られており、8音節、6音節、2音節の行が交錯する10行のスタンザ二つからなっていて少し変則ですが、言葉遣いは大変美しいものがあります。

それでは、 水仙に の詩を見てみましょう。

 

    To Daffodils

 

Fair Daffodils, we weep to see

   You haste away so soon :

As yet the early-rising Sun

   Has not attain'd his noon.

          Stay , Stay ,

   Until the hasting day

          Has run

   But to the even-song ;

And, having pray'd together, we

   Will go with you along.

 

We have short time to stay, as you,   

   We have as short a Spring ;

As quick a growth to meet decay

   As you, or any thing.

           We die,

   As your hours do, and dry

           Away

   Like to the Summer's rain ;

Or as the pearls of morning's dew

   Ne'er to be found again.

 

     水仙に

 

美しき黄水仙よ、私達は涙する

君がそんなにすぐに急いで萎れてしまうのを見て

まだ、早立ちの太陽が真昼の位置に昇っていないのに

待って、待って

慌ただしい一日が

過ぎて

せめて夕べの祈りの時が来るまで

そして、一緒に祈りを終えたら

私達も君と共に夕闇に消えて行こう

 

私達もこの世の滞在は短い、君と同じように

短い春と同じように

滅びに向かって、急ぎ成長してるようにみえる

それは君と同じ、全ての生物も同じなんだ

私達は死ぬ

君のいのちの時間が過ぎて、干からび

朽ちる

夏の夕立の雨のように

或いは、真珠のような朝露のように

決して、再び見られることはない

                 (日本語は意訳しています)

 

朗読をあげておきます