- 手紙/東野 圭吾
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☆☆☆☆
白夜行などのミステリーとは一線を画した
ある意味、東野圭吾っぽくない作品。
強盗殺人を兄に持った直貴は、周囲の差別により
夢をあきらめ、恋人をあきらめ、職場を移りと
普通の人の幸せが、手をすり抜けていく。
犯罪加害者の家族の苦しみが切ない。
「差別や偏見のない世界。そんなものは想像の産物でしかない」
と、直樹は言い切る。
犯罪加害の家族といった人を私は知らないが
実際に、身近にいたら、
たとえその人がどんなにいい人であろうと
どこかしら心に引っ掛かり、
なんとなく、深くはかかわりになりたくないと思ってしまうと思う。
異質なものへの漠然とした不安というか、
無意識かでの”悪”への嫌悪感というか
そういうものって、絶対にあると思う。
そして、それを感じるからこそ
直樹が差別により苦しむ姿に
居心地の悪さを感じてしまい、
いつものように主人公に感情移入することなく
弟3者的な視点から物語を読んでしまう。
映画化されたものはとても泣けるというが
本を読む限りでは泣けないというのは
たぶん、その辺りに理由があるのではないだろうか。
犯罪加害者の家族。
こんだけ犯罪がある世の中なんだから、
きっと私の周りにもいるんだろうなあ。