美術館へようこそ | こんな本、読んでます。
- ジョイ・リチャードソン, 潮江 宏三, 岩坂 彰
- 美術館へようこそ―ロンドンナショナル・ギャラリーの名画に学ぶ絵の見方・楽しみ方12のポイント
- ☆☆☆☆
- 絵画でも音楽でも、知識がなくても良いものは良いと感じられる。でも知識があると、もっと面白くなるし多面的な感じ方をできるようになる。知識は「感じる」ための”手段”だと思うのだが、あいにく現在の教育では教わる機会が無い。
- 思い返してみると、小学校の図画工作に始まり、音楽や美術などの授業では、描いたり歌ったり演奏したり彫刻したりと、いろんなことを体験してきたが、「鑑賞」の仕方については触れられてこなかった。もちろんフーガとか、曲の構成だとか学問の初歩的なところは教わったけれども、それは教養の一つではあったが、鑑賞の助けとしてではなかった。大人になった今、普通の人にとって本当に必要なのは、良いものを良いと深く感じることのできる鑑賞力だと思う。残念ながらそれは、ある程度の興味と時間をもって本を読んだり、情報を集めたりしなくては身につかない。つまり、間口が狭いのである。一度通りぬければ想像以上の世界が広がっているのに。。日本の文化活動がごく一部のファンに固定されている原因は教育にあると私は思っている。
- この本ではロンドン ナショナル・ギャラリーの絵画を題材に、「~してみましょう」という問いかけを読者にし、考えさせることで、感じる技術があることに気づかせてくれるように構成されている。子どもといっしょに絵本のように読むのも良いし、公園で一人でのんびり読むのも素敵。ちょっと知的で楽しい時間を提供してくれる。

