猛暑で外に出る機会が減り、休日の昼間はもっぱら動画配信の視聴。我が家のテレビは、ほとんどネット回線での視聴となり、テレビ電波を受信するという本来の役目は終わりが来ているようです。もっとも通信インフラをインターネットットだけに頼るのは社会的に危険なので、テレビ電波も何らかの形で残しておく方が望ましいでしょう。かつてのように新聞のテレビ欄を隅から隅までチェックしていた時代は終わり、各配信会社からのお勧めコンテンツを消化するだけでも精一杯の日々が続きます。
■ドラマ「三体」（Amazon Prime）
「三体」は中国人の劉慈欣氏が執筆したSF大作です。今年の始めに「Netflix」で「三体」を配信するという噂を聞き、とても悔しい思いをしたものです。幸いにも、この８月に中国版の「三体」が「Amazon Prime」にあることを知り、あわてて全30話を視聴しました。「Netflix」版は中国が舞台でもなく、数話ということで、「Netflix」版を無理して見なくて良かったと自分に言い聞かせています。中国版も当初は「原作ってこんな展開だっけ？」と思いつつ、原作を確認してみると、ほぼ原作通りでした。最後のパナマ運河での古箏作戦や始皇帝のコンピュータなどは、より詳しく映像化されていて中国の人たちの意気込みと勢いが伝わってきます。正直、第二部の「黒暗森林」の配信が楽しみです。
■ドラマ「ブラックペアン」（Amazon Prime）
原作は、「チームバチスタの栄光」「ジェネラルルージュの凱旋」などのメディカルエンターテイメントが得意の海堂尊氏。面白いのは、全ての作品が「桜宮市」を舞台にしているのですが、まったくの架空の地方都市です。人口は20万人ほどで、首都圏からドクターヘリで数時間の距離。「富士宮市かな？」と想像するだけでも面白いかも。この６月にＴＢＳの日曜劇場でシーズン２が始まりましたが、シーズン１を見ていなかった私としてはお預け状態。この８月に、シーズン１が「Amazon Prime」にあることを知り、慌てて全10話を視聴しました。完成度の高い医療技術系ドラマで、シーズン２の配信が楽しみです。
■ドラマ「過保護のカホコ」（Amazon Prime）
いくつかの話を見逃していたドラマ「美食探偵」を見終わったところ、次にお勧めとして流れてきたのが「過保護のカホコ」でした。ドラマの冒頭で神奈川県の上空から俯瞰した映像が流れます。横浜市泉区に相当する地域には赤い線でハートの形に囲まれたテリトリー。一体何だろうと見始めてしまったのがきっかけです。航空写真ではありますが、こういう境界線が登場すると気になってしまいます。高畑充希さん演じる主人公のカホコさんの活動範囲かと思いきや、黒木瞳さん演じる母親の泉が女王として振る舞える範囲でした。もっとも、泉区自体がハートの形に似ているので、この話が生まれたのかもしれません。ドタバタ喜劇なのですが、主人公の一生懸命な姿を見ると目頭が熱くなります。どうしてこんなに面白いんだろうと脚本家を調べて見たら「家政婦のミタ」を脚本した遊川和彦氏でした。本作品について、いろいろネットで調べてみると「○○障害」という言葉が目につきますが、みんな、どうしてこんなにレッテルを貼りたがるのか理解に苦しみます。
■アニメ「小市民」（Amazon Prime）
原作者は「氷菓」シリーズや直木賞受賞作品の「黒牢城」で有名な米澤穂信氏です。小市民として生きようと決意したはずの高校一年生の小鳩君と小山内さんが毎度ながら事件に巻き込まれしまうという青春推理アニメです。原作の木良市のモデルとなった岐阜市の風景が劇中でふんだんに登場するほか、エンディング映像でも市内各地で撮影された実写映像にアニメの登場人物が合成されています。主人公らが通う船戸高等学校は岐阜県立岐阜北高等学校がモデルとのこと。本シリーズの原作で一番好きな作品は、第５話の「伯林あげぱんの謎」ですが、小山内さんという人物の魅力が十分に紹介しきれていない第５話目の登場は、ちょっと早すぎでもったいないかなと思っています。
■アニメ「ARIA」（Amazon Prime）
古い作品ですが、気づけば物語にハマっていました。惑星アクアに作られたネオベネチアという水上都市を舞台にしたウンディーネと呼ばれる少女たちの心暖まる物語です。上空には四季や気象を制御する浮島が浮遊し、宇宙船が離発着している点を除けば、地球のベネチアとほぼ同じです。迷宮のようなベネチアの街並みや水路を活かした不思議でのんびりした作風が秀逸です。
他にも、シーズン２の「推しの子」や西尾維新氏の最新の「物語」シリーズの「撫物語」「業物語」、「コードギアス：奪還のロゼ」など、少しもテレビから目が離せません。さらには「Amazon Prime」にて「指輪の力」の第２シーズンが始まり、エルフたちがついに三つの指輪を嵌めるシーンが放映され、目が釘付けとなっています。
さあ、今日も地図を広げて、
動画配信でお好みの世界へ冒険にでかけましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。