【「はとバス」に乗ろう】 | pocopanのブログ 「地図がいっぱいある暮らし」

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地図を眺めれば、家にいながら「冒険」の始まり。
毎日をワクワクドキドキの「夏休み」にするためのブログ。

 

いまだに、映画「サイレント・トーキョー」の余韻に浸っています。

子供のころ、寝台特急とか、モノレールとか、いろんな乗り物を楽しんで利用しましたが、「サイレント・トーキョー」で思い出す乗り物があります。それは「はとバス」。

「はとバス」というのは、東京の観光地を巡る観光バスの名称です。私はこの「はとバス」に、何度乗ったのか思い出せないほど乗車しました。

私の親戚のほとんどは山口県に在住しています。両親が共に山口県出身で、山口県で見初め合い、結婚しましたが、すぐに横浜に転勤。間もなく私が産まれました。東京とはほとんど縁のない親戚一同は、ここぞとばかりに東京観光のベースとして、我が家を利用し始めました。当時の父は運転免許を持っていなかったので、手軽に東京観光ができる「はとバス」に乗せていました。もし、電車や地下鉄を乗り継いで、観光するとなると、それはそれで結構大変です。当時は、目的地までの切符を買わなければなりませんし、路線案内、とりわけ地下鉄は迷宮のようで、父も私も詳しい訳ではなかったのです。でも、観光バスなら、そんな心配は一切いりません。私も飽きずに毎度ついていくので、中学生になってからは、親戚が来るといつも飲みすぎて二日酔いになる父に代わって、一人で連れていくのが恒例となっていました。といっても、東京駅に着いたら、丸ノ内南口にある「はとバス」の受付に行き、お決まりの東京半日コースに申し込むだけです。お代は、親戚が払ってくれていました。

コースはとてもシンプル。まずは皇居です。二重橋と楠木正成像を見学。次は靖国神社もしくは浅草寺あるいは明治神宮と社寺系の観光地を巡ります。あとは車内からの見学となり、最後は東京タワーに登ってお仕舞い。いわゆる、東京観光の王道のコースです。今でも、基本的なコースは変わらないと思います。王道と言われるだけに、よくよく選び抜かれたコースとも言えます。それでは、はとバスの観光客の気分になって詳しく順に辿ってみましょう。

出発して、すぐに皇居に到着します。東京のど真ん中だというのに、静かで広大な空間が広がっています。響くのは、観光客がたてる砂利道を歩く音だけ。二重橋まで、ちょっとした距離を歩きますが、その行為に自然と厳かな気分になります。改めて、日本の中心に来たのだと実感。そう、日本の首都だから、地方からわざわざ出掛けてきたのです。後日、国会議事堂とか、首相官邸とかも見学しておきたい。観光客たちは、そう思うのです。

二重橋の前で記念撮影。橋と言えば、日本橋や数寄屋橋、あるいは隅田川にかかる永代橋や蔵前橋。時代劇や昼ドラで有名な橋が東京にはいっぱい架かっています。それらも、見ておきたいと思うことでしょう。当時は、レインボーブリッジは存在しませんでしたが、今なら、橋という言葉で連想するはずです。

楠木正成の騎馬像を見学すれば、上野公園の西郷隆盛像を当然脳裏に浮かべることでしょう。上野公園にはパンダがいるし、ロダンの有名な彫刻「考える人」が展示されている国立西洋美術館や国立科学博物館も気になります。ちなみに、前記の二つの像と、靖国神社の大村益次郎像は、東京の三大銅像と言われています。

社寺系は、半日コースだと、どれか一つしか寄らないので、当然残りの社寺にも行って見たくなります。最初に一つだけお参りするとしたら、出店が数多く立ち並ぶ浅草の浅草寺が良いでしょう。

東京タワーに着くまでの間は首都高に乗るので、高速道路の高みから都庁のある新宿や六本木などの高層ビルが否が応でも目に入ります。さらに、バスガイドさんの案内でいくつかの高級ホテルの存在を知ることになるので、同乗する観光客の一部からは、「うちら、あそこに宿泊してるんや」と自然と声があがります。首都高を降りると、渋滞に巻き込まれながら銀座界隈をゆっくりと走ります。その間、歌舞伎座や築地市場の話を交えつつ、銀座物語がバスガイドさんから語られます。

そして、いよいよ東京タワーの展望台に上がり、その高みから、遠く富士山を眺め、真下に広がるメガロポリスを見下します。しかも、360度のパノラマを見渡すことで、今日巡ってきたコースを辿りつつ、明日は何処へ行こうかと想いを馳せることでしょう(隅田川の東側に聳えるスカイツリーだと、中心感が足りない)。つまり、はとバスの半日コースというのは、東京観光の入門編なのです。基本のポイントを押さえてくれているので、翌日からの本格的な東京観光へと想像を膨らますことができ、冒険へと誘われていくのです

ということで、いつか、一度は「はとバス」に乗ってみませんか?

■ はとバス
  https://www.hatobus.co.jp/

■ はとバスのデジタルパンフレット
  https://www.hatobus.co.jp/download_file/view_inline/10943


さあ、今日も地図を広げて、
「はとバス」に乗って、
冒険にでかけられる日を待ちわびましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。