花は水にふれたく水はゆくりなく 夏井いつき | 葉音ののんびりブログ

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組長の句の鑑賞文を書くのは勇気が要りますがとびだすうさぎ2

花は水にふれたく水はゆくりなく/夏井いつき

季語は、花(春)
「花」といえば平安時代以降、桜の花をさすのが一般的である。『古今和歌集』の「久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」の花は桜で、その他花を冠して桜に通わせた言葉は多い。<出典俳句歳時記  春  /角川学芸出版編(角川ソフィア文庫)>

初め、この句を詠んだときは、山の水辺に咲く花を思い浮かべた。しかし、花が桜であることを認識した途端、静かな川辺に咲く爛漫の桜が目に浮かんだ。
ひとひらの桜の花びらが、舞うように、静かに降りていく。下に流れる水に触れたいかのように。
しかし、下を流れる水にとっては、ひとひらの花びらに触れることさえも、大きな衝撃なのである。「ゆくりなし」とは広辞苑第五版によると、「思いがけない。突然である。不用意である」という意味であるらしい。それだけ水は、静かに、緩やかに流れていたということなのだろう。
花と水を対照的に捉え、「・・・く・・・く」と韻を踏むような表現をしながらも、並列でも逆説でもない、それぞれの思いを個性的に捉え、表現したところに、詠者の力量を改めて感じた次第である。



組長、生意気なことを書いて、すみませんサッ