巨星、墜つ! (涙) | 髭のマスターのブログ

巨星、墜つ! (涙)

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  ・ GW中の5/4(火)は通常営業とし、4/29(木)の『昭和の日』から5/5(水)の

    『こどもの日』まで休みなく営業いたします。

    5/9(日)~11(火)の三日間お休みいただきます。



巨星、墜つ! (涙)


一昨日の4月21日(水)、尺八演奏家で国際尺八研修館館長の横山勝也氏がお亡くなりになったそうです。

私、髭マスは大ショックです。横山氏は尺八界の第一人者でした。人間国宝だった故山口五郎氏と双璧だったと私は思っています。このお二人に並ぶ方は残念ながら現在はいらっしゃらないのではないでしょうか・・・。


横山氏は『尺八三本会』(メンバーは横山氏と青木鈴慕氏、山本邦山氏)として尺八界に一大旋風を巻き起こしました。尺八三重奏曲『風動』(杵屋正邦作曲)や尺八三重奏曲『鼎』(松本雅夫作曲)はその代表曲だと思います。また現代邦楽の旗手として衝撃的な音楽活動を繰り広げ、武満徹作曲の『ノーヴェンバー・ステップス』などで深い音楽性と迸るような情熱的な演奏を私たちに見せて、聴かせてくれました。世界中に尺八の魅力、素晴らしさを発信して下さいました。

また、尺八古典本曲に造詣が深く、全ての尺八愛好家に本物の古典本曲を伝えようと活動されていました。

2尺4寸(約72cm)管やそれ以上に長い、いはゆる長管尺八を得意とし(尺八の標準管は一尺八寸、約54cm)、尺八独特の『むら息』『かざ息』を駆使し、大地を揺るがさんばかりのフォルティッシモから、消えてしまったのかと錯覚するほどのピアニッシモまで、ダイナミックな演奏で聴衆の心を揺さぶり続けました。

実は息がなくなり音が消えたあとも音楽は続いている・・と、その『間』や演奏姿勢を大切にし、私たちにお手本を見せて下さいました。


私が横山勝也氏に心酔したのは学生時代、今から36年前のことです。

中国地方の大学の邦楽部の連盟があり、当時は広島大学の邦楽部が幹事校だったと思いますが、その学生邦楽連盟が主催して、広島市において『尺八三本会』と箏演奏家の沢井忠夫氏を招いてのコンサート『響』を開催しました。

私たち学生数名が松山からそのコンサートを見に(聴きに)行って、演奏会後にあった演奏者と学生たちの語り合いの会にも参加させてもらったのです。

ホールにおいて初めて『三本会』の生の音を聴いて大感激。魂を揺さぶられました。特に横山氏の演奏には大きな感銘を受けました。そのうえに、会のあと、すぐそばでいろんな話を聴くことができて、若く未熟な私はおおいなる感動を覚えました。

それ以来、横山氏に惚れ込んで今日に至っております。


76歳でお亡くなりになったのですが、尺八界にとって、いや日本さらに世界の音楽界にとって大きな損失になりました。誠に惜しく、残念の極みです。

心よりご冥福をお祈りいたします。



平成22年4月23日(金)   髭のマスター