奈良市【やまなかみゆきピアノ教室】山中です。
うちのピアノは、毎年7月に調律に来ていただいています。
毎年、必ず7月上旬になったら、調律師の方から、いつにするかの電話があります。
今年は…、7月中旬になっても、かかってこない。
私も7月は忙しくて、電話がないな…と気づいたのが中旬。
向こうも忙しいのかしら、それとも忘れてる?
いや、それは絶対ない。
必ず、7月上旬に電話があった四半世紀。
連絡が途切れたことなんて、一度もないのに。
もしかして病気でもされていて、連絡できないとか?
どうしたのかなぁ…。
気になりながら、もしかしたら明日、電話かかって来るかも…、そう思いながら、1日、1日過ぎて行き、
遂に8月になってしまいました。
これは、いよいよ電話しなくては…。
この3日間も、ずっと気になって気になって…、
今日、レッスンが終わってから、意を決して電話してみました、
ご家族は、マスオさんの立場だったので、奥さんのお母さんが電話に出られました。
調律でお世話になっている…と言うと
亡くなりましてん。
と…。
えええええ~~?!!!
1月3日に、肺がんで亡くなったと…。
どこにどんなお客さんが居てはるんか、わからないので、電話があったら、事情を説明してきた、と。
そんなことってあるの?
去年の7月に調律に来られた時は、変わった様子もなく、いつも通り、下旬には山に登るって。
お酒もタバコも嗜まれない、山登りが趣味で健脚、食べ物の好き嫌いはなし。
体型も中年太りすることなく、昔と変わらず。
そんな人が、肺がんになって5カ月後に死ぬの?
毎年、調律が済んだら、車で駅まで送って、ドアを閉めるときに『また来年!』って言われて降りられるのに。
また来年…がなかったなんて、去年が最後だったなんて。
この調律師さんとは、私がまだ高校生の頃からのお付き合いです。
実家のピアノの調律から始まり、実家の両親とも心安く、両親亡き後、実家のピアノは手放したので、調律が一件減って、うちだけになってゴメンね、なんて言うてたこともあったし、
毎年、毎年、7月に一年間のお互いの近況を話して聞いて、それ以外は、一切連絡することもなく、
七夕並みの交流でしたけど…。
先々月、ピアノの鍵盤の変色を修理することを遂に決行しました。
7月に調律に来られたら、報告しようと思っていました。
今迄、鍵盤の変色が気になりながらも、修理に踏み込めなかったのは、この調律師さんの手前、ちょっと躊躇していたからです。
でも…、鍵盤の変色も限界やし、いよいよ修理やなぁと、修理を依頼したのも、もう既に亡くなっていらしたからなのかな…。
お知り合いになって、30年余…。
あちらが独身の頃、結婚され赤ちゃんが出来て、調律のたびに、赤ちゃんの写真を見せて…無理矢理見せつけられたこと(笑)
私が結婚式の前日までセンターでレッスンしていて『明日、ホンマに結婚式やんなぁ?』って言われたこと。
後々、それが笑い話で、『ホンマに明日結婚するんかと信じられへんかった』って言ってたこと、
最近では、去年、その赤ちゃんだった息子さんの結婚のことで少し気にしておられたこと。
お電話で、息子さんが無事に結婚されたと、お母さんからお聞きしました、
山登りしてテント張って、楽しいけど、私に、そんなことは嫌いでしょ?って、私が山登りやアウトドアに無縁なことを知って話していたこと
小型犬を飼ったら、いろいろ生活が変わったこと。
もう、いっぱいいっぱい、いろんな話をして、いろんな思い出となってしまったことが、今、どんどんと湧き上がってきて、どうしようもないです。
人の寿命って、わからんね。
つくづくそう思います。
うちの世帯主より若いのに…。
早過ぎる。
そうこうしながらも、新しい調律師さんを捜索しなくてはなりません。
でも、今、気持ちの整理がつきません。
1月3日…って、やまなか家が、初詣に行って遭難した翌日です。
そして…、
今日は、8月3日。
ちゃんと、月命日に電話している私…。
電話しようと思いながらも、今日を選んだのかもしれません…。
《 合掌 》