手術では、4.5cmという大きな腫瘍を取り除くために
顔面に続く神経をかなり引っ張らなければならなかった。
細心の注意を払ったので神経自体は痛めていないはずだが
引っ張った影響(神経の疲労)がなくなって動きが元に戻るまで
2ヶ月ほどかかると思って欲しい。
そして私の実感
手術直後
まぶた・・動きが左右アンバランスだなと感じた。
唇・・・・口がうまく動かせないと思った。
しびれ・・しびれより、とにかく傷と顔の左半分が痛かった。
手術後3日目
まぶた・・左だけ閉じられないので目が乾いてかすむ、ヒリヒリする。
時々滝のように涙が出る。
疲れたときや眠るとき、洗顔の際は、手でまぶたを閉じてやる。
閉じたつもりでも力が弱いので洗顔では液体が目に入ってしみる。
唇・・みかけは閉じているが、左側の力が弱くぎゅっとは閉じられない。
濁音・半濁音の発音ができない。
「ばびぶべぼ」「ぱぴぷぺぽ」→「ふぁふぃふふぇふぉ」になる。
麺類がすすれない。
液体がこぼれるので味噌汁などは意識して右側に少しずつ流し込む。
ストローはできるだけ右側でくわえる。
ブクブクうがいは口を手で押さえて。
左側だけ力が弱いのでしゃべるとき口が右側に引っ張られて歪む。
特に「いー」の形ができない(下唇左側がまったく動かない)。
しびれ・・傷の痛みがなくなり、代わりに顔の左半分と左耳にしびれ。
いつもビリビリしていて、触ってもあまり感じない。
耳の穴の中に絆創膏が貼ってあるような感じ(触覚が鈍い)。
手術後1ヶ月
まぶた・・あまり変わらない
唇・・動きにはあまり変わりないが、同じ動きをするにも
100%の頑張りから80%の頑張りで済むくらいになった感じ。
濁音・半濁音の発音が少しマシになっている。
麺類は相変わらずすすれない。液体は漏れる。
お煎餅やパンをかじるときなどは唇の左側を巻き込んで
一緒にかじってしまいそうになるので要注意。
口いっぱいに頬張ると飛び出してしまうので少しずつ食べる。
しびれ・・しびれの度合いが少し弱まり、範囲もわずかに縮小傾向。
手術後1ヶ月半(現在)
まぶた・・瞬きのとき左も1/3くらい閉じる動きが出てきた。
2〜3秒待てば左も完全に閉じる。
意識してギュッと閉じれば洗顔のときしみなくなった。
でもやっぱり、時々ヒリヒリしたり涙が出たりする。
唇・・見た目の動きはあまり変わりないが、
少しずつ力が戻ってきている感覚はある。
濁音・半濁音の発音も完全ではないが会話に支障はない程度に。
食事に関して(すする、かじる、ほおばる)は変わりなく不便。
頬から上唇にかけての動きは回復傾向だが、
顎から下唇にかけての神経はまだほとんど働いていない。
しびれ・・しびれの度合い・範囲はわずかだがさらに縮小。
こうしてみると、顔面上半分の方が回復が早いですね。
頬と耳の感覚(しびれ)は縮小傾向とはいえまだまだあって
唇の動きなんてあまり変わらず食事時の不便さが残っています。
2ヶ月で元に戻ると言われたけれど、
こんなペースで本当に戻るのかなぁ。
もっとかかりそうな気がします。(何事ものんびりな私らしく)
それでも、副作用はこれくらいしかなく回復の兆しもあります。
手術前の説明では他にもいくつか副作用の話がありましたが、
フライ症候群(唾液分泌繊維が汗腺に連絡して
食事時に耳下部に汗をかく)や
唾液瘤(唾液が溜まって耳下が腫れる)
などは起きませんでした。
また、患者さんのブログで目にした副作用、
ファーストバイト症候群(食事の最初のひと噛みで
耳周辺に強い痛みを感じる)や
唾液漏(手術創部から唾液が漏れ出る)
なども、私にはありませんでした。