手術直後は点滴や導尿菅に繋がれていて煩わしかったが
首からのドレーン以外は手術翌日には外され身軽になった。
食事、朝の診察、決まった時間の検温と血圧測定、
そのルーティンさえこなしてしまえばあとは自由時間。
私はテレビを見ないので読書(Kindle)で時間を潰していたが
目が疲れてどうしようもない。
読書やネットでの調べ物に疲れると、
デイルームに行って窓の外を眺めたり
院内を散歩したりして過ごした。
日曜は外来がないから人が少ない。
照明を落とした院内には
ポツポツと掃除スタッフさんが働いているだけ。
いつもなら外来患者でいっぱいのフロアもしんと静まり返っている。
だれに遠慮することなくあちこち歩き回った。
壁に素敵な絵がかかっているのを見つけて
病室に戻ってからその作家についてネットで調べたりした。
私の病棟の廊下には、おそらくレプリカだろうけれど
ピカソのリトグラフがたくさんかかっていた。
私は暇ができると何度でもそのピカソたちを見に行った。
素朴でのびやかな線と楽しげな色に、毎回元気をもらった。
ピカソのリトグラフは他にもた〜くさんありました。
美術館でもないのに鑑賞できるなんておトク!なんて思いつつ
ひとつひとつ「また来たよ、今日も元気をありがとう」と
心の中で声をかけながら見て歩きました。