ホアキン・トレンツ・リャド。
スペイン出身の画家。
1993年、47歳という若さで大動脈瘤により夭逝。
題:ジヴェルニーの若枝
この作品をネットで見かけたとき
心臓がドキドキした。
今見ていても鼓動が早まる。
似た作品、もっとまばゆい光を描いた作品も
たくさんあるのだけれど。
そのどれもが美しく、
光と陰と、
そして野山を駆け巡り自然に親しんでいた
自由な子ども時代の心を思い出させてくれるのだけれど。
この作品は
それ以外の何かも感じさせる。
長女を妊娠中によく通ったあの田舎道か。
若い頃に一度だけ訪れたあの場所か。
記憶の彼方で薄れてしまった
名もなき、懐かしいどこかの光景を思い出させる。
幸福に温かな吐息を漏らすような、泣きたくなるような、
不思議な感情がこみ上げる。
いつか、油彩の原画を直に見てみたい。
どこにあるのかもわからないけれど。