夢を見た。
ネオンにきらめく巨大なガラスの建物。
その建物のすぐ横には
人々の来場を促すモノレールの駅。
私は自宅の窓からその様子を見ている。
見惚れるようなフワフワした気持ちの底に
不安なのか焦燥なのかよくわからない感情。
一夜明け自宅の外に出る。
目の前には人気のないガラスの建物。
夜の煌めきとは打って変わって輝きを失い
ただの大きな塊として聳え立っている。
大きな空っぽのビニール袋が
強い風に煽られて横殴りに飛んでくる。
足元の草むらにはおびただしいゴミ。
昨日は考えさせられることがあって
ベッドに入ってもなかなか寝付けなかった。
昼間の感情がこんな夢を見させたんだろう。
子どもの頃、世界は漠然としていた。
大人が形作っている茫漠としたその世界の中で
自分の好きなことを追い求めていればよかった。
自分がこの世の中を形成する一部だと、
生きやすくも生きにくくもする存在の一部なのだと気づき、
大人たちの中には様々な考えや欲望が渦巻いていて
志を一つにすることなんてできないと悟ってから、
私の目に見える世界は変わった。
透明でキラキラしていた子どもの世界は消えてしまった。
色と喧騒と匂いと温度と感情とが入り乱れる
雑多なものでいっぱいの世界になってしまった。
ときどき、子どもに戻りたいなぁと思うことがある。
老いて死が近づけば
世の中のことなどどうでもよくなり
楽になれるのかなぁと思うこともある。
Shelter me !! と叫びたくなる瞬間がある。