3.11
あれから9年
突き上げるような揺れ
ひとり家の中で感じた心細さ
その後の混乱
まだハッキリと覚えているよ
東北各地で撮影された津波の映像
パソコンの画面越しに見たそれは
撮影者も被災者の一人で
たまたま運良く助かったことを印象付ける
まだ帰郷を果たせていないたくさんの人たち
打ち捨てられ時が止まったムラ
まだ終わっていない
浮かれている場合じゃない
この日を迎えるたびに
つい政府批判に思考が向かう
この9年で何も変わっていない
昨日は冷たい雨だった
夜中に吹き荒れた強い西風も弱まり
今は穏やかな陽光が差している
庭の隅っこに青がチラチラしていた
この山村にもいつの間にか春が来ていた
人の叡智など及ばぬ自然の力
人間の腹黒さやちっぽけさを噛み締め
亡くなった方たちの無念を思いながら
生きていく