襲名問題② | 柳家小きん オフィシャル・ブログ 小きん集

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本日は、フジテレビのワイドショーで、

「九蔵襲名問題」が、取り上げられました。

 

私のもとへも、

「そんなに落語界は、筋を通す通さないに、厳しいの」

「他には、どんな掟があるの?」と、多くの質問が寄せられました。

 

襲名問題で、一番大事なことは、

「相手の気持ちを、思いやる」

「人(特に当事者・関係者)を、粗末にしない」ことです。

 

心を働かせることが出来る人は、

必ず、筋を通すべき人に、気付きます。

 

また、正しく筋を通せない人には、

その名跡を継ぐ、使命と資格が、無いのです。

 

丁度一年前に、私のもとへ、

一通の手紙が届きました。

 

前座の頃より、親しくさせていただいている、

先輩からの、手紙でした。

 

中には、真打に昇進が決まった、

その方のお弟子さんの手紙も同封されており、

先輩の文面は、

「落語協会会長と、鈴本演芸場の社長の、内諾は取ってある」

「あとは、小きんが認めれば良いのだから、つばめの名を、弟子にあげてくれ」

「小きんが継ぐよりも、落語界の為になる」(趣意)

と、書かれておりました。

 

今迄も、

「うちの弟子に、つばめの名を継がせたい」という方が、

何人かいらっしゃいました。

 

その全ての方は、

「あんちゃん(小きん)は、継がないの?」

「いつ、つばめを襲名するの?」と、

まずは、唯一の弟子である、私のおもいを、

訊ねてくださいました。

 

「根回しは出来ているのだから、了承しろ!」と、

いきなり手紙を送り付けてきたのは、

初めてでした(笑)

 

「筋を通す」ということは、関わる人達に、

敬意を払い、思いを遣る事に、他なりません。

 

そんな事もわからない方は、

やっぱり、高座でも、モノが分らない・心が働かない落語を、

平気でやっているものなのです。

一事が、万事です。

 

その噺家の高座を聴けば、

その噺家の、人柄・人格・価値観・哲学・

問題解決の仕方・落語に対する愛情・

先人への感謝と敬意・お客様へのおもいが、

その人から溢れて、自然と、伝わってくるものです。

 

巷では、正蔵師匠と、おかみさん(香葉子夫人)が、

頭が堅い・権威的と受け取られているようですが、

正しいのは、正蔵師匠であり、おかみさんだと、

私は思います。

 

「先人への敬意と感謝が無い人には、

正しく、筋を通すことは、出来ない」

私も、大事なことを、学ばせていただきました。

 

私は、縁深き皆様を、大切に出来る人に、

成長してゆきます。