本日は、フジテレビのワイドショーで、
「九蔵襲名問題」が、取り上げられました。
私のもとへも、
「そんなに落語界は、筋を通す通さないに、厳しいの」
「他には、どんな掟があるの?」と、多くの質問が寄せられました。
襲名問題で、一番大事なことは、
「相手の気持ちを、思いやる」
「人(特に当事者・関係者)を、粗末にしない」ことです。
心を働かせることが出来る人は、
必ず、筋を通すべき人に、気付きます。
また、正しく筋を通せない人には、
その名跡を継ぐ、使命と資格が、無いのです。
丁度一年前に、私のもとへ、
一通の手紙が届きました。
前座の頃より、親しくさせていただいている、
先輩からの、手紙でした。
中には、真打に昇進が決まった、
その方のお弟子さんの手紙も同封されており、
先輩の文面は、
「落語協会会長と、鈴本演芸場の社長の、内諾は取ってある」
「あとは、小きんが認めれば良いのだから、つばめの名を、弟子にあげてくれ」
「小きんが継ぐよりも、落語界の為になる」(趣意)
と、書かれておりました。
今迄も、
「うちの弟子に、つばめの名を継がせたい」という方が、
何人かいらっしゃいました。
その全ての方は、
「あんちゃん(小きん)は、継がないの?」
「いつ、つばめを襲名するの?」と、
まずは、唯一の弟子である、私のおもいを、
訊ねてくださいました。
「根回しは出来ているのだから、了承しろ!」と、
いきなり手紙を送り付けてきたのは、
初めてでした(笑)
「筋を通す」ということは、関わる人達に、
敬意を払い、思いを遣る事に、他なりません。
そんな事もわからない方は、
やっぱり、高座でも、モノが分らない・心が働かない落語を、
平気でやっているものなのです。
一事が、万事です。
その噺家の高座を聴けば、
その噺家の、人柄・人格・価値観・哲学・
問題解決の仕方・落語に対する愛情・
先人への感謝と敬意・お客様へのおもいが、
その人から溢れて、自然と、伝わってくるものです。
巷では、正蔵師匠と、おかみさん(香葉子夫人)が、
頭が堅い・権威的と受け取られているようですが、
正しいのは、正蔵師匠であり、おかみさんだと、
私は思います。
「先人への敬意と感謝が無い人には、
正しく、筋を通すことは、出来ない」
私も、大事なことを、学ばせていただきました。
私は、縁深き皆様を、大切に出来る人に、
成長してゆきます。