前回、ご紹介をさせていただきました、
CHERRY’Bさんの、「上映会&ミニライブ」で、
宮本正美監督の映画「たからもの」を、
拝見致しました。
「たからもの」は、終戦直後からはじまる、
三話からなる、短編映画です。
三話に貫かれているのは、
「親と子の愛」です。
親が子をおもうのと同じく、
子もまた親をおもう姿が描かれた、
珠玉の名作です。
第一話「亜米利加」
何かを持って、ゆっくり、ゆっくり、
歩を続ける一人の少女に、
釘付けになります。
「手に持っているのは、何だろう?」
後に判明しますが、少女が手にして、
大切に守り抜いたものは、
ただの飲み物ではなく、
母の全快を祈る心であり、
母への愛なのです。
近づくSLの蒸気の音と、
映し出される、逃げ道の無い鉄橋が、
観客の心拍数を、高めます。
最後に登場する母親役の女優さんが、
物語の全体を、引き締め、
物語に、温かさを、加えられます。
第二話「DDT」
戦争は、
戦地だけで行われるものでは、
ありません。
疎開先での、子供と、
それを見守る大人達の戦いが、
静かに描かれます。
どんなに暗い時代であろうとも、
子供達が求めてやまないもの。
人々が、忘れることが出来ないもの。
それを、母の乳房や、歌に、託されて、
物語は展開します。
偶然とも思える出逢いから、
二人の少女の運命は、
大きく回転します。
「一期一会」の心。
出会いを大切にする生き方こそが、
今の私達に欠けていることを、
示唆されているではないでしょうか。
第三話「少年兵」
「何故、この子は、ここで敬礼しているのだろう?」
と、観客なら、誰もがおもう疑問が、
一話を掛けて、解き明かされます。
人は、自ら支配出来ないものに、
恐怖を覚えると言いますが、
当時の人々が持っていた、
神への畏敬の念が、
さり気なく描かれております。
父との約束を信じ、
毎日、駅へ出迎えに行く少年。
「今日、必ず父は、帰還する」
「帰ってくる」と、信じてやまない少年。
ラストシーンは、
その少年が流す涙の意味に、
誰もが涙する、
映画史にも残る、名場面です。
宮本正美監督の作品を、
初めて観させていただきました。
まず驚いたのは、
観客を惹きこむ、演出の秀逸さです。
観客の、疑問・焦り・状況判断を刺激して、
観る私達の、心拍数が、
自在に、コントロールされてしまうのです(笑)
そして、脱脂粉乳・DDT・敬礼と、
当時は当たり前で、今は無い“小道具”を、
愛・決断・尊厳へと、
時代が変わってもかわらない価値にまで、
高められてゆく、物語性。
圧巻なのは、そのカメラワークの、
素晴らしさです。
角度や、遠近の妙を、
自在に使われたカメラワークには、
一つの無駄も、隙も、見られません。
「たからもの」を、ひと言で表すならば、
「観る人の心を、瞬時に鷲づかみにして、
揺さぶる映画」です。
CHERRY’Bさんのミニライブを併せての、
上映会が、これからも開催されます。
皆様も、是非、御覧いただけたら、
嬉しいです(≡^∇^≡)
お薦めです。
OMEGA FILMS PRO