ミッシング | 温故知新 YEBISU NOTE

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 冒頭は女の子が映し出される。ほどなくその子が行方不明になっていると判る。


 母親(石原さとみ)は常に神経が張りつめてる感じがするが、父親

(青木崇高)はやけに落ち着いている。


 失踪時、母親は人気グループのコンサートに出かけていたということで、ネット上では例のごとく誹謗中傷の嵐、さらには、母親の弟も、最後に女の子と一緒にいたということで、いわれのないバッシングを受ける、、➡️1


TV局も事件から日数が経っているらしいが、一局だけ、事件解決のためにと報道を続けている。担当ディレクター(中村倫也)は夫婦に寄り添う気もあるようだが、、

視聴率至上主義も見えかくれする➡️2


この作品は、近年、話題作を連発する吉田啓輔の監督、脚本ということで、流石という作品でもあるが、最近、カンヌやベルリンでの受賞作をみていたせいか、やや物足りなさを感じた。というか、

(傲慢なことを言うとは自分でも思うが)観賞において「感情移入」が

もっとも大事というタイプの人には非常に良い作品なのではないかと思う。自分は「感情移入」はそんなに重要な要素ではないので、

この作品は、上記した1、2に的を絞っていきたい。


1.本編が始まってすぐに母親(石原さとみ)のパソコンに誹謗・中傷の嵐。子どもが行方不明になったとき、コンサートに行って、家にいなかったことを攻撃されている。

子供が行方不明になった当人に対して酷いことだ。こういうことって実社会でもしょっちゅう聞いたりする。犯人でもないのに、ネット民達が一方的に盛り上がってデマが真実のように1人歩きして、何のいわれもない人をよってたかって攻撃したり、やはりネット民達が勝手に盛り上がって、一方的な考えを押し付けて、1人の人間を抹殺するのではないかとさえ思えることがある。

俺はこういうタイプの人達というのは、極めて簡単に「感情移入」してしまうタイプの人達、そして大勢の方についていれば間違いない!と思うタイプ。そして、「正義感が強すぎる」人達であるのではないかと思う。「正義感」というのは響きのよい言葉であるが実は、そんなものが強すぎると、自分からは折れないし、最後まで「我」を通す人が多く非常にやっかいでもあるのだ。

この作品でも、その誹謗・中傷をした人物は逮捕されるが、似たような事は現実社会でもあった。

そんな段階までいくようでは論外ともいえるのだが、ネット上では、何か事件が起こると、マスコミ報道だけを観て、「我こそ正義だ!」の如く好き勝手を書き続けるような人達がいるが、確かな物証がマスコミ公開されるとは限らんし、事件に至った事情もまだわからん場合も多いだろうし、毎度のように盛り上がるような人達には、ある種、滑稽さまで感じてしまう(笑


2.そしてもうひとつ注目したのは、マスコミ(TV局)に関してである。中村倫也扮する担当ディレクターは他局と比べても熱心に事件を追い、夫婦にも温かく寄り添っていく。だが、TV局の方針は

当然ながら視聴率を挙げることが最優先。そのために誰かの心を傷つけることなど問題ではないというスタンスにさえ見えてくる、、

実は、母親(石原さとみ)には弟がいて、その弟が事件に関与してあるのではないかと疑われていたのだが、TV局はスクープをとることだけを考え、被害者家族の心の傷など、どうとも考えていない。

ディレクター(中村倫也)が戸惑いを見せる中、別の事件でスクープをあげた後輩は出世街道をまっしぐら、、どういう業界でも、成果は、はっきりと数字で示したいものではあろうが、ある意味、かなり残酷な一面も感じた。



作品の大筋よりも、以上2点に目がいったが、被害者家族である石原さとみ、青木崇高、ディレクター役の中村倫也といったところに加え、石原さとみの弟役の森優作、その友人のカトウシンスケ。このふたりがやけに気になる。

森優作は「野火」にカトウシンスケは「ケンとカズ」に出演してたということに妙に納得した。