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今日は「愛され上手1年生」の続きを心理学の観点から見ていきます。
前回ご飯は素直にご馳走された方がいいという話をしました。
相手が素敵な男性のときほど「ここは謙虚にいかなきゃ」と割り勘を提案してしまいがちですが、実際効果があるのは奢られるほうです。
お付き合いしたいなと思える相手であれば、思い切って甘えたほうがいいのです。
◇アメリカの社会実験◇
アメリカで行われた社会実験で、ブザーに合わせてトンカチを叩くというものがありました。
被験者たちは部屋に集められて椅子に座らされます。
そしてブザーが鳴ると机に置かれている板をトンカチで叩くように言われたのです。
釘を打つわけでもなく、ただトンカチを叩くので重労働ではありません。
ただ、それを30分ほど続けさせられました。
この被験者たちは2つのグループ(部屋)に分けられていました。
・Aグループには30分の作業後に感想を聞いて帰宅してもらいました。
・Bグループには30分の作業後に謝礼として10ドルを払い、感想を聞いて帰宅してもらいました。
各グループにはそれぞれ、この(無意味な)作業がどれくらい楽しかったかを聞きました。
あなたはAグループとBグループでどちらの被験者の満足度が高かったと思いますか?
そうです、当然謝礼をもらったBグループの方が楽しいと感じたと思いますよね?
実は違うんです。
反対にAグループの方が満足度が高かったのです。
これはなぜでしょうか?
「認知的不協和」というもので説明することができます。
おもいっきりざっくりと言えば、人は矛盾を嫌うということです。
人は矛盾に気づいたときに、自分を納得させる新しい理由を見つけるのが上手なのです。
アメリカの実験に戻りましょう。
Bグループには矛盾が生じません。
「つまらない作業」の対価として謝礼をもらったからです。
嫌な話ですが、仕事でお給料をもらうのもこれと似ていますね。
対してAグループには報酬が発生していませんから、矛盾が生じます。
「これだけの労働をしたのに、それに見合った報酬がないのはなぜだ」
と思うわけです。
そして「あっこれは労働ではなく、楽しいゲームだったから報酬がないのだ」
と自分を納得させる感情が生まれてきます。
あなたも小さいときにゲームをして、親に「ねぇお母さん、がんばってゲームしたからお小遣いちょうだい」なんて言ったことはないはずです 笑
ゲームはそれ自体が楽しい報酬のようなものですからね。
分かりやすく2グループで説明しましたが、この実験は何回か行われていて、
謝礼の金額を4段階に分けた実験もあります。
1ドル、5ドル、10ドル、20ドルといった感じです。
この場合満足度が高かったのはどのグループでしょうか?
もうお分かりですね。1ドルのグループです。
金額が上がるに連れて、楽しかったと思う割合が減っていきました。
私がこの実験を例に出して何をお伝えしたかったのかと言いますと、
それは「あなたが奢られたほうが相手は楽しかったと思うんですよ」ということです。
お目当ての彼がディナー代の3000円を払ったとき、認知的不協和が起きます。
「他人の分の3000円をなぜ自分が払うのだ?損していないか?」と。
そこですぐさま「あっ自分はこの人が好きだからだ。一緒にいて楽しい時間をすごしたからだ」と納得させる感情が芽生えるのです。
つまり、あなたのことがもっと好きになるということです。
もし、あなたが「自分の分は払います」と3000円出してしまうとどうなるか、
彼からすると3000円の報酬がもらえることになりますから、
さっきまでの時間は3000円もらえるに値する労働だったと思います。
楽しい時間ではなく、3000円分働いたという感覚です。
とても極端な例を出しましたが、およそこのようなことが彼の頭の中、心の中で起こっているのです。
ご馳走になるのか、自分の分は絶対に払うのか、どちらがお互いにハッピーな気分になれるかは一目瞭然ですよね。
あなたもぜひ愛され上手になってくださいね。
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