我が町の基幹産業の一つは畜産業です。
その中でも、黒毛和牛の生産額が大きな比重を占めています。
質のいい、素牛を確保し、産地を形成するために、
肥育農家が子牛を購入する際に町が補助金を出しています。
生産された子牛は、1頭ずつ血統書が作成され、鼻紋が取られます。
鼻紋というのは、人間の指紋と同じで、同じものがありません。
そして、耳には耳標が取り付けられ、きちんと管理されています。
万が一、耳標が取れてしまっても、きちんと鼻紋が取ってありますので
個体を取り違えるということはあり得ないシステムになっているのです。
年度末には、きちんとした血統の牛が購入されているか検査に行ってきました。
1頭1頭、補助金申請書と牛の番号が一致しているかの検査です。
検査を進めていると、検査に立会っていた農協職員が
「パイレーツオブカリビアンは、観ましたか?」
と急に変なことを言い出しました。
「こいつ、ジョニーデップですよ。」
何、言ってんだ???と書類を見ると
「雄 除似出婦 平成19年10月25日生」の文字が・・・
除=ジョ 似=ニ 出=デッ 婦=プ
続けて読むと確かに「ジョニーデップ」
間違いありませんでした。
なかなか、イケ面のカッコいい牛でした。
しかし、この優秀な牛は、すでに去勢され肉牛への道を歩んでいます。
(2枚目の写真は、「雄」となっていますが、3枚目には「去」と書かれています。)
あと1年半から2年後、肉牛として出荷され、どなたかの胃袋に納まる運命にあります。
それにしても、もう~!ちょっとカッコいい当て字はなかったものか・・・
ジョニーデップ君もそう思っているに違いありません。